デスクトップPC新時代 30周年を迎えた「Dell OptiPlexシリーズ」が“最適なツール”としてさらに進化

法人向けデスクトップPC「Dell OptiPlexシリーズ(以下、OptiPlexシリーズ)」は、デル・テクノロジーズのクライアントPC製品として長い歴史を誇る。1993年のリリースから30周年にあたる2023年春、シリーズ全体のラインアップをリフレッシュする大規模なトランスフォーメーションが行われた。「シンプル」「スマート」「インテリジェント」をコンセプトとする新しいOptiPlexシリーズは、ユーザーにどのような価値を提供しようとしているのだろうか。

ラインアップの再編で購入プロセスがシンプルに

在宅と出社を適宜組み合わせるハイブリッドワークが広がり、自宅で仕事をする機会が多くなるにつれ、業務に適した性能を確保しやすく、大画面でより快適に作業ができるデスクトップPCのよさを再認識する人が増えているようだ。

デル・テクノロジーズはそんな需要に応えるべく、発売から30周年を迎えた「OptiPlexシリーズ」のラインアップをトランスフォーメーションした。新たな製品コンセプトは、「シンプルでインテリジェントなIT(モダンで信頼できる安全なデスクトップ)」「スマートなデザイン(環境に考慮し、必要な機能が集約)」「インテリジェントなパフォーマンス(応答性の高いユーザーエクスペリエンス)」に集約される。

旧来のシリーズのサブブランドだった3000/5000/7000という分類はなくなり、「OptiPlex」と「OptiPlex Plus」の2構成に再編成され、「OptiPlex AIO」「OptiPlex Tower」「OptiPlex SFF」「OptiPlex Micro」の4フォームファクターから選択する形となる。

ワークスタイルや設置場所に合わせて選べる「OptiPlex AIO」「OptiPlex Tower」「OptiPlex SFF」「OptiPlex Micro」の4つのフォームファクターをラインアップ。フォームファクターを決め、標準仕様の「OptiPlex」とハイエンドな「OptiPlex Plus」のいずれかを指定するだけで、スムーズなモデル選択ができる

デル・テクノロジーズ株式会社
クライアント・ソリューションズ統括本部
クライアント製品本部
フィールドマーケティングアドバイザー
若杉 歌乃氏

「以前は3000/5000/7000のいずれかを選んでからフォームファクターを決め、さらにCPUやメモリなどのスペックを検討する必要がありましたが、これからはフォームファクターと機能を指定するという2ステップで済みます。このように購入経路をシンプルにしたことで、オンラインでも迷うことなく最適な製品をお選びいただけるようなりました」とデル・テクノロジーズの若杉 歌乃氏は説明する。

デスクトップPCを購入しようとする場合、ユーザーがまず気にかけるのは「作業したい場所に無理なく置けるかどうか」だろう。したがって、まず自身の作業環境にマッチするフォームファクターを決めた上で構成やスペックを検討する手順は理に適っているといえる。

「旧シリーズでは3000=エッセンシャル、5000=メインストリーム、7000=プレミアムという位置付けでした。トランスフォーメーション後の構成は『OptiPlex』が大多数のユースケースに適合する標準仕様、『OptiPlex Plus』が大容量のデータ処理などに対応するハイエンドな仕様とイメージしてもらえば、スムーズにモデル選択をしていただけると思います」(若杉氏)

必要にして十分な機能を提供する理念

デル・テクノロジーズ株式会社
クライアント・ソリューションズ統括本部
クライアント製品本部
フィールドマーケティングコンサルタント
白木 智幸氏

デル・テクノロジーズは創業当初から、個々のユーザーが必要とする機能や性能を組み合わせられるBTO(Build To Order:受注生産)のビジネスモデルを確立。顧客企業との間でCPUのスペックやソフトウエアなどの基本構成を決め、必要な数量を速やかに生産・納品するという直販方式で市場を拡大した。

30年もの長きにわたってその中核製品であり続けてきたOptiPlexの名称は、「最適な」を意味する“optimal(オプティマル)”に由来する。多様な利用シーンに合わせてカスタマイズが可能な「最適な構成」を提供できることが最大の強みだ。

1993年にOptiPlexがリリースされて以後、百花繚乱の様相を呈するようになったデスクトップPC市場では、製品が多種多様になり構成が複雑化したり、必要以上の機能や性能を盛り込むあまり高額になったりすることにユーザーが不満を募らせるようになっていた。「そんな中で、ユーザーが本当に必要としている機能やスペックを自ら選ぶことができる、というユーザー本位の姿勢を崩さなかったことが、今日に至るまでOptiPlexが多くのお客様に支持されてきた理由だと思います」と語るのは、同社の白木 智幸氏だ。

「必要な機能だけを提供する」という理念は不変である一方で、時代ごとに求められるニーズを敏感にキャッチしながら機能やサービスをアップデートしてきたのもOptiPlexの特長だ。新シリーズで、ITマネジメントを容易にするIntel vPro®や、アプリケーションの利用状況などを分析してPCのパフォーマンスを高める内蔵型AIベースの最適化ソフトウエア「Dell Optimizer」が、すべての構成で利用可能になったことはその一例である(図1)。

朝のサインインから、日中のリモート会議、外出時の作業、業務の振り返りまで、PCの重要な機能が効果的に働くよう、一日の中で何度もバックグラウンドでサポートする

デル・テクノロジーズは、「日経コンピュータ 顧客満足度調査 2022-2023」のデスクトップPC部門において5年連続で1位を獲得した。「これは揺るぎない製品コンセプトを貫きながら、ユーザーのワークスタイルの変化に合わせてサービスを変革してきたことに対する評価だと受け止めています」と若杉氏は語る。

サステナビリティの促進も重要な使命

一方で、SDGsへの取り組みの加速とともに、ユーザーの環境対応に対する意識が日増しに高まっている。デル・テクノロジーズは早くからサステナビリティを意識しており、SDGsが国連総会で採択される7年前、2008年には筐体への再生プラスチック利用を開始している。OptiPlexはその最初の製品となった。

2014年からは、消費された製品の素材を資源として循環させるクローズド・ループを実践。メーカーを問わず使用済みのPCを回収して素材をリサイクルする、再生プラスチックサプライチェーンを構築した。

その後も、ノートPCの筐体に再生炭素繊維(カーボンファイバー)素材を使用したり、海洋プラスチックを再生利用した梱包トレイを用いたりするなどの取り組みを続け、2021年にはアルミニウムのクローズド・ループもスタート。その再生アルミニウムが一部のハードディスクに活用されているほか、海洋プラスチックが冷却用ファンとファンハウジングに使われるなど、OptiPlexシリーズの製造では高い水準の環境対策が行われている(図2)。

2008年の再生プラスチックの利用から、年々取り組み内容が進化。2030年に向けたムーンショットゴールでは、「すべての製品について、同等の製品を再利用またはリサイクルする」などを掲げ、多様な取り組みをグローバルで推進している

「現在、デル・テクノロジーズのデスクトップPCには最大65%の再生品が使われ、エネルギースター、EPEATゴールド、TCO9認証(一部の構成)など多くの環境・省エネ基準を満たしています。私たちはさらなるサステナビリティの推進に向けてムーンショットゴール(壮大な目標)を掲げ、2030年までに梱包材の100%、製品部品の50%以上に再生素材または再生可能素材を使い、最終的には私たちが販売するPCと同等量の製品を回収し、再資源化することを目指しています」(白木氏)

いまやサステナビリティへの取り組みは「製品の重要なスペックの一部」であるとして、デル・テクノロジーズは引き続き循環型設計の追求に注力する姿勢だ。

ユーザーの「最適な道具」であり続けたい

OptiPlexシリーズは今後も、これまでと同様に市場のニーズを機敏に反映しながら、環境対応をより万全なものにするとともに、作業性のさらなる向上に寄与する機能を付加していくことになるだろう。

最新のAIO(オールインワンタイプ)は、PC近距離センサーによる自動ログインシステムの「Dell Express Sign-In」や、PCが背後から見られていることを検知するとスクリーンをぼかしたり薄暗くしたりして覗き見を防止する「Intelligent Privacy」を搭載。また、スリープ状態でもバックグラウンドで無線LANなどに接続し続ける「モダンスタンバイ」の利用がすべての構成で可能になった。

このように、これまで主にノートPCやスマートフォンで使われていた技術を採り入れることで、デスクトップPCの利便性はまだまだ向上する余地があると若杉氏は指摘する。

「私たちはこれからも、それぞれのパーパスの実現をサポートするため、またいっそう定着するであろうハイブリッドワークをより快適にするためのオプティマム(最適な)ツールとして、ユーザーの皆さまの声に真摯に耳を傾けながら、OptiPlexシリーズをブラッシュアップしていくつもりです」と白木氏は力を込めて語った。

日経BP社の許可により、2023年4月12日~ 2023年5月14日掲載 の 日経 xTECH Special を再構成したものです。
https://special.nikkeibp.co.jp/atclh/NXT/23/delltechnologies0407/

<前の記事へ   次の記事へ>

About the Author: Dell Technologies