アフターコロナのデバイス選択 ハイブリッドワークの生産性を高めるノートPC、モバイルワークステーションの条件とは

コロナ禍に伴いリモートワークが実施されるようになった当初、多くの企業は急いでノートPCを調達して社員に配布したが、そのPCはハイブリッドワークが定着した今も高い業務生産性を発揮させてくれているだろうか。ユーザーのニーズを俊敏にとらえて製品に反映させるデル・テクノロジーズは、このほど画期的な新機能を搭載したノートPCをリリース。高性能化・小型化を図ったモバイルワークステーションのラインアップも拡大し、ハイブリッドワークの業務効率を高めることに貢献している。

働き方の多様化とともにPCに求められる機能も変化

コロナ禍がもたらしたリモートワークの定着とともにノートPCの需要が増大し、多くの企業が携行しやすいノートPCを社員に支給した。長引くコロナ禍はここにきて新たな局面に突入し、状況に応じて在宅か出社かを選ぶハイブリッドワークが広がりを見せている。それに伴い、ユーザーのニーズにも変化が生じているようだ。

「出社が多くなったことで携行性がいっそう重視され、さらなる軽さやコンパクトさを求める人が増えています。最近はそれに加えて、オンライン会議のための高性能なWebカメラ、マイク、スピーカーを望む声が多くのユーザーから寄せられるようになりました」とデル・テクノロジーズの吉田 将信氏は語る。

そうした声が示すのは、参加する機会が増大したオンライン会議での使い勝手に不満を感じているユーザーが多いということだ。デル・テクノロジーズはそうしたニーズに即応し、オンライン会議に便利な機能を搭載した新機種を「Dell Latitude」シリーズに投入した。

2022年6月に発売された「Latitude 9330」は、9000シリーズで初となる13インチ2in1だ。その最大の注目点は、オンライン会議でよく操作する機能のショートカットキーを付与した「コラボレーション タッチパッド」を備えていることである。

ハイブリッドワーカー向けに設計された「Latitude 9330」は、コンパクトなボディながらパワフルなパフォーマンスを発揮。エグゼクティブ層をはじめとする幅広いユーザーの業務生産性を向上させる

デル・テクノロジーズ株式会社
クライアントソリューションズ統括本部
フィールドマーケティング クライアント製品本部
マネージャー
吉田 将信氏

「オンライン会議中にマウスやキーボードを使うのは煩雑で、特に画面共有に手間取ることが少なくありません。そうした不都合を解消するため、『マイクオン/オフ』『カメラオン/オフ』『画面共有』『チャット起動』の4機能をタッチパッド上部に配し、画面から目線を外すことなくスムーズに操作できるようにしました」(吉田氏)

Latitude 9330には、それ以外にも最先端の多彩な機能が満載されている。オンライン会議での音質向上のため、指向性の高いマイクと高音質なスピーカーを一体化させたスピーカーフォンをデバイスの左右に配置。ユーザーや会議参加者のバックグラウンドノイズをAIが自動調整して除去する機能とともに、より臨場感のある音声体験が可能になる。

ほかの9000シリーズと同様「インテリジェント プライバシー機能」もあり、他者が背後から画面を見ようとするとその動きをセンサーが検知して画面を暗くしたりぼやかしたりすることでのぞき見を防止。ユーザーが画面から目線を外したときも、プライバシー保護とバッテリーの節約のために画面を自動的に暗くする。

ショートカットキーを備えた「コラボレーション タッチパッド」により、オンライン会議で使うマイク、カメラ、画面共有、チャットの各機能にダイレクトでアクセス可能。ほかにもユーザー本位の先端的な機能を豊富に搭載している

開発に際しては幅広いセグメントのユーザーの利用を想定したが、とりわけ意識したのは外出や出張が多く、社内にいるときも会議室から会議室へと移動して1カ所にとどまることのないエグゼクティブ層だという。

「それだけに、最小重量を1.27kgに抑えながら、最新の第12世代インテル® Core™ プロセッサー搭載インテル® Evo™ プラットフォームを搭載し、メモリはハイエンドPCやサーバーを主なターゲットとする帯域幅のDDR5 SDRAMを採用するなど、ヘビーユーザーであるエグゼクティブ層にも満足いただけると思います。バッテリーは1時間で約80%の高速充電にも対応するので、外出や出張の多い方でも安心です。さらに、ウルトラプレミアムモデルの9000シリーズにふさわしい、アルミ削り出しのシャーシを使用した高級感ある外観も魅力の1つです」と吉田氏は話す。

モバイルワークステーションへの移行も加速

ハイブリッドワークの普及で生じたノートPCに対する新たなニーズは、オンライン会議での使い勝手の向上にとどまらない。例えば、開発・設計者やクリエイターのようなユーザーが、リモートワーク時もオフィスと同等の環境で作業をしたいと考え、携行可能なワークステーションに目を向けはじめている。

「CAD処理やウェブデザインといった作業を十分にこなせる製品の登場で、モバイルワークステーションへのシフトチェンジが急速に進んでいます」と吉田氏は語る。

デバイスの性能の高さと持ち運びやすさは一般にトレードオフの関係にあるが、デル・テクノロジーズは高性能で携行しやすいモバイルワークステーションとして絶妙なバランスが図られた「Dell Precision 3470/5470/7670/7770」の4モデルを相次いでリリースした。

ハイブリッドワークの普及でモバイルワークステーションのニーズも増大。それを受けてエントリーモデルからハイエンドモデルまで、携行性と機能性のバランスを図った4モデルが新たにリリースされた

このうち「Dell Precision 3470」はエントリー向け、「Dell Precision 5470」はミッドハイレンジクラスまでのユーザー層がメインターゲットだ。ディスプレイはどちらも14インチで、最小重量はそれぞれ1.5kgを切り、ワークステーションとは思えないほどコンパクトで軽い。

「Dell Precision 7670」はよりハイスペックで、薄型モデルと、パフォーマンスモデルの2種類の筐体が存在する。「Dell Precision 7770」はより大きな画面を求めるユーザー向けだ。いずれも臨場感あふれるAR/VRコンテンツの作成を支援するのも大きな特色である。

環境に配慮した製品づくりにも注力

デル・テクノロジーズは刻々と変化する社会状況を敏感にキャッチアップし、ユーザーがPCに求める多様な要件を満たしている。そのことは製品のスペック面だけではなく、環境対応においても同様だ。サステナビリティーを考慮し、筐体に再生プラスチックを使用しはじめたのは2008年。2014年には再生プラスチックサプライチェーンを開始し、その後も再生素材を積極的に製品に取り込む努力を続けてきた。

「最近は筐体に植物由来の再生可能なバイオプラスチック、CPUのファンカバーやバッテリーのフレームカバーなどに回収・再生された海洋プラスチックを利用するようになりました。一部の製品では航空宇宙産業で出た廃棄素材を再生したカーボンを用いるなど、リサイクルマテリアルの使用をいっそう推進しています」と吉田氏は説明する。

2030年までに梱包材の100%、製品の素材の50%以上をリサイクル材や再生可能な素材とする目標を設定していたが、既に梱包材の100%リサイクル素材化を達成。今後は製品ライフサイクルから生じた廃棄物をリサイクルする循環型設計などにさらに力を注ごうとしている。

「当社は製品の性能から環境対応まで、ユーザーの皆さんからの意見や要望に耳を傾け、その内容を素早く製品にフィードバックしています。ハイブリッドワークが今後どう進展し、求められるPCがどのように変化するかは未知数のところがありますが、常に最善・最適な製品をお届けするという姿勢は不変です」と、吉田氏はデル・テクノロジーズが貫くポリシーを語った。

日経BP社の許可により、2022年7月15日~ 2022年8月11日掲載 の 日経 xTECH Special を再構成したものです。
https://special.nikkeibp.co.jp/atclh/NXT/22/delltechnologies0715_02/

<前の記事へ   次の記事へ>

About the Author: Dell Technologies