• 装飾

    世界とビジネスを変え続けるデータ

    データマネタイゼーションを成功させる3つのインフラ要件とは

    • ますます高まり続けるデジタル資産の価値

      データは貴重かつ重要な資産である。既に多くの企業の共通認識になっていることだろう。しかも、これからのDXの進展によって、今後その価値はさらに高まっていくはずだ。ある調査によれば、データも含む「デジタル資産」の経済的価値は、2023年には全世界のGDPの50%以上を占めるともいわれている。

      膨大で、今も増え続けているデータのうち、大きな割合を占めているのが写真や動画、音声、各種アプリケーションのファイルなどの非構造化データである。世界中のデータに占める非構造化データの割合は実に80%にも達しているともいう。大企業、中堅・中小企業を問わず、データをビジネスに生かしていく上で、この非構造化データをいかに有効活用するかという視点は欠かせない。

      では、非構造化データの有効活用はどのように進めるべきか。非構造化データを取り巻く状況を、保管、管理、活用のための重要なインフラとなるストレージの要件に落とし込んでみよう。

      1つ目はデータの増加に対し、シンプルに対応できること。データの増大とともに複雑さが増してしまうようでは、運用管理に手間やコストがかかるようになり、データのポテンシャルを引き出すことが難しくなる。

      2つ目は、多様性への対応だ。もともと非構造化データの多くはデータセンターの外部に存在しているが、IoTの活用などによって、発生源はより多様化している。このような状況に対応するには、エッジからクラウドまで、多様なワークロード(アプリケーション利用)に対応できなければならない。

      最後の3つ目は、ストレージ自体が単なるデータ保管・管理機器としてだけでなく、活用の基盤になることだ。例えば、データの配置や利用状況などを分析して、実用的な洞察を提供。どのデータに価値があるのか、どのデータをどこに配置すべきなのかの判断をサポートするのである。

      これからのストレージには、これらの要件を求めたい。では、具体的にどの製品であれば要件を満たせるのか。大きな期待が寄せられているのが2020年6月24日に発表された「Dell EMC PowerScale」である。以下では、その特徴や強みを見ていこう。

    • ラインアップ拡充の背景にある大きな環境変化とは

      Dell Technologies
      UDS事業本部 執行役員 事業本部長
      倉橋 秀則氏

      Dell Technologiesは、これまでにもスケールアウトNAS製品として「Dell EMC Isilon」を提供してきている。Isilonといえば、近年、急激にシェアを伸ばしている市場シェアNo.1のスケールアウトNAS製品である(※1)。日本でも2019年度に36%成長、2020年度にはさらに39%成長と2年続けてビジネスの大幅な拡大を進めている。

      一方、Dell Technologiesのサーバー製品もまた、世界No.1の販売実績を誇る(※2)。

      Dell EMC PowerScaleは、業界をリードするサーバーである「Dell EMC PowerEdge」と、業界随一のスケールアウトNASであるDell EMC Isilonを融合させた製品、つまり世界No.1同士の製品を組み合わせて生まれた、新世代のスケールアウトNASなのである。

      「今回、Dell Technologiesの誇る2つのNo.1プロダクト、名実ともに業界No.1のスケールアウトNASである『Isilon』と、業界No.1のサーバープラットフォームである『PowerEdge』を組み合わせて、新製品『PowerScale』をリリースする運びとなりました。これに合わせて、従来『Dell EMC Isilon』として展開してきた製品群は『Dell EMC PowerScale』へとリブランドすることとなりました(図1)。Dell EMC PowerScaleには、お客様のニーズに合わせて様々なモデルを用意しております。以前から、オールフラッシュモデル、フラッシュとHDDをミックスしたハイブリッドモデル、そしてアーカイブモデルを提供しておりましたが、今回の発表で、ここに新たに2つのオールフラッシュモデルを追加しました。それがPowerScale F200 とF600です」とDell Technologiesの倉橋 秀則氏は話す。

       

      図1●Isilonは新たにDell EMC PowerScaleにリブランド

      業界No.1のスケールアウトNASである「Isilon」と、業界No.1のサーバープラットフォームである「PowerEdge」を組み合わせて、新製品「PowerScale」をリリース
    • PowerScale F200とF600は、いずれもオールフラッシュモデル(図2)。最大の特徴は、従来モデルでは最小構成でも72TBの容量が必要だったのに対し、今回発表された新モデルでは最小構成で11TBから選択ができるようになったことだ。

      エントリーモデルとして位置付けられているF200はSAS接続のSSDを搭載し、1ノード当たりSSDを4ドライブ実装。搭載するSSDの容量によって4TB~15TB/ノードの容量を提供。3ノードの最小構成では11TB~46TBとなる。

       

      図2●新しく発表されたDell EMC PowerScale F200とF600

      いずれもオールフラッシュモデル。幅広い構成が可能で、ビジネスにおけるデータの重要性の高まりを受けて、ローエンドからミッドレンジのニーズにも対応する
    • 一方のF600は、同シリーズとして初めての採用となるNVMe接続のSSDを8ドライブ実装するハイパフォーマンスモデル。ノード当たり15TB~61TB、3ノードの最小構成では46TBから最大183TBを提供する。

      さらに両モデルともインラインデータ削減機能を標準で搭載。インラインデータ圧縮と重複排除の機能によってストレージの容量効率をさらに高めることが可能だ。

      「実はこれまでのIsilonはスケーラビリティを重視していたこともあり、大容量のデータを既に保有されており、その格納場所としてのストレージを必要とされるお客様のニーズにはマッチしていたものの、10TB未満からスモールスタートをしていきたい、あるいは部門内のファイル共有用途で導入したいといったお客様のニーズに対してはギャップがありました。しかし、あらゆる企業にとってデータが重要な資産であり、データのマネタイズが大きな経営テーマとなっている現在の状況に対応するためにラインアップを拡充しました」と倉橋氏は話す。

      ※1 出典: IDC WW Quarterly Enterprise Storage Systems Tracker, 2020Q1 - Vendor Revenue Share by Company, Installation: NAS
      ※2 出典: IDC Worldwide Quarterly Server Tracker 2020 Q1 - Share by Company, Product Category: x86

    • シンプルに拡張できる上、多様なプロトコルに対応

      Dell Technologies
      UDS事業本部 SE部 部長
      水戸 匡茂氏

      具体的なユースケースとしては、F200は小規模なメディアやエンターテインメント、病院、工場、店舗、テレワークでの利用が想定されている。またF600に関しては、高レベルのパフォーマンスを必要とするメディアやエンターテインメント、病院、金融機関が挙げられている。

      そして、いずれのモデルも冒頭で述べた非構造化データを活用するために必要な3つの要件を満たすことができる。

      「極めて高い拡張性を実現することで、急速に増え続ける膨大な非構造化データへの柔軟な対応を可能にします」と説明するのはDell Technologiesの水戸 匡茂氏である。

      PowerScaleは1クラスター当たり、最大で数PBまで容量をワンボリュームのまま拡張可能だ。容量拡張の際には既存のクラスターに対してオンラインのままノードを追加。追加された新たなノードにデータを自動的に移動することでノード間のデータの偏りをなくし、ホットスポットを防ぐ「AutoBalance」や、クラスター内のデータを事前にセットした閾値に応じてシームレスに移動することでストレージの保管コストを最適化し、最良のコストパフォーマンスを実現する「自動階層化」といった機能も装備している。「ノードを拡張して数PB規模になった場合でも、1人の管理者でシンプルに運用管理できます」(水戸氏)。

      このような、高い拡張性と利便性に加えて、シンプルな運用管理を支えているのは、ストレージOSである「PowerScale OneFS」である。

      OneFSは、多様なプロトコルに対応しており、幅広いワークロードにも対応する(図3)。

       

      図3●多様なプロトコル、幅広いワークロードに対応

      IoTやクラウドなど、データの発生源や保管先、アプリケーションの多様化に対応し、あらゆる非構造化データの活用を支える
    • 代表的なファイル共有プロトコルであるSMBやNFS、FTPはもちろんのこと、NASのバックアッププロトコルであるNDMP、分散ファイルシステムであるHDFS、HTTPやREST、さらにはクラウドストレージへの代表的なアクセスプロトコルであるS3にも対応している。このようなマルチプロトコルへの対応により、企業内のあらゆるワークロードによって発生する様々な種類のデータをPowerScaleへ集約していくことが可能だ。これにより単なるデータ保管のためだけでなく、データマネタイズの基盤としてストレージを活用していくことができるようになる。

      さらに、オンプレミスに設置した利用だけではなく、クラウド上のサービスとして利用することもできる。Google Cloud Platform(GCP)のマーケットプレイスにPowerScaleが用意されることになっているからである。これは仮想化したOneFSではなく、ハードウエアアプライアンスとして実装されたPowerScaleを利用できるというもの。GCPはもちろんのことMicrosoft Azureやアマゾン ウェブ サービス(AWS)からもアクセスでき、オンプレミスのPowerScaleのデータレプリケーション先として利用することも可能だ。

    • 実用的な洞察をもたらすCloudIQとDataIQ

      そして、ストレージによる「実用的な洞察」の提供を実現しているのが「Dell EMC CloudIQ」と「Dell EMC DataIQ」という2つのソフトウエアだ(図4)。

       

      図4●DataIQによるインテリジェントな洞察

      ストレージの効率的な運用やデータ配備に対する提案、さらには、データの価値に対する洞察を提供し、データの有効活用をサポートする
    • CloudIQは、クラウド上からストレージ製品の稼働状況をモニタリングし、その予測分析や問題発生の予兆検知、トラブルシューティングの迅速化を行うもの。これまでもDell EMCのストレージ製品で無償提供されていたが、PowerScaleにも標準提供されている。

      もう1つのDataIQは、データの検索やタグ付け、追跡、分析などの機能によって、PowerScaleだけでなく、「Dell EMC ECS」のようなオブジェクトストレージやクラウド、サードパーティストレージなどサイロ化された非構造化データの統合的な把握を可能にするというもの。「データ資産を可視化するとともに、膨大なデータの中から重要なデータを特定し、それを最適な場所に移動することで、コストの最適化を図ることができます」と水戸氏は説明する。「データのライフサイクル管理や社外とのセキュアなデータ共有などを実現する上で、威力を発揮すると期待されています」と倉橋氏は続ける。

      このようにDell EMC PowerScaleは、非構造化データの価値を最大化するためにストレージのあるべき姿を追求した、新しいNAS製品となっている。製品面だけでなく、ローエンド、ミッドレンジ市場に対応するためのパートナー販売網の強化も並行して進めており、購入しやすさやサポート面でも期待ができる。

      データを無視して、これからのビジネスは成り立たない。どんなデータインフラを構築するかは、単なるIT導入の枠を超えた重要な経営判断である。No.1のDNAを持つDell EMC PowerScaleは、多くの企業にとって最適な選択肢となるはずだ。

    • 日経BP社の許可により、2020年7月17日~ 2020年11月30日掲載 の 日経 xTECH Active Special を再構成したものです。