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    アフターコロナのモバイルデバイス選択術

    なぜ、テレワークや働き方改革にモバイルWSが選ばれるのか? その理由は

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      働き方改革に向けた取り組みが一段と加速する中、企業には業務の効率性や生産性をより高めるための方策が強く求められる。その切り札として世界的に注目を集めているのが、モバイルワークステーションだ。

      これまでワークステーションといえば、専門性の高い業務に携わるユーザーがデスクトップで使うものというイメージも強かった。しかし最近では、モバイルシフトが急速に進行。IDC調査(※1)によれば、モバイルワークステーションの比率はワールドワイドで約40%、北米エリアでは約50%にも達すると報告されている。

      なぜ、北米を中心にした海外では、モバイルワークステーションが選択されるのか。その理由として、まず挙げられるのがモバイルワークステーションの機能や性能が大幅にアップしたことだ。これにより、「設計・開発業務」や「映像・コンテンツ制作」「医療・ヘルスケア」、「金融トレーディング」など、幅広い業種・業務への対応が可能になった。この結果ユーザーの利用シーンも大きく広がっているというわけだ。

      そしてもう1点は、テレワーク環境を整備する必要性が急速に高まっている点だ。もともとテレワークについては、営業職や事務職などを中心に取り組みを進めている企業も多かった。しかし、今回の新型コロナウイルスのような事態が起きてしまうと、一部の限られた職種だけを対象としていたのでは、ビジネスが回らなくなってしまう。その点、モバイルワークステーションを活用すれば、エンジニアやクリエイターなどのエキスパートも、自宅やリモートオフィスなどで業務を継続できる。

      ちなみに、前述の調査によれば、日本におけるモバイルワークステーションの比率は約16%程度にとどまっている。業務の効率性・生産性をより高める上でも、非常時の業務継続性を確保する上でも、この比率を高めていくことが急務といえる。ただし、モバイルワークステーションにも様々な製品があるため、導入を行う際にはニーズや要件にマッチしたものを選ぶことが肝心だ。そこでモバイルワークステーションの最新動向を見ていこう。

      ※1 出典:IDC Worldwide Quarterly Workstation Tracker 2020 Q1 Share by Company

    • 最新モデルで見えてきたモバイルワークステーションの実力は

      こうしたモバイルワークステーション市場をけん引する企業の1つが、多彩な製品ラインアップを提供するDell Technologiesである。同社は2017年の第四半期から10期連続で出荷台数シェア世界No.1を達成(※2)。さらに2020年1-3月期には日本市場でも出荷台数シェアNo1を獲得している(※3)。

      さらに同社は市場やユーザーニーズを反映した新製品を積極的に投入。今年の6月9日にもモバイルワークステーションのラインアップを一新している(図1)。

       

      図1●モバイルワークステーション新ラインアップ

      3つのシリーズで構成されるデルのモバイルワークステーション。ハイエンドの7000シリーズは2機種とも「VR/AR Ready」「AI Ready」となったほか、薄型・軽量の5000シリーズにも「VR/AR Ready」「AI Ready」の17型モデルを追加。3000シリーズもCPU/GPUの強化が図られている
    • Dell Technologies(デル株式会社)
      クライアント・ソリューションズ統括本部
      クライアント製品マーケティング本部
      フィールドマーケティングマネージャー
      湊 真吾氏

      「今回発表した新製品では、モバイルワークステーションの活動領域をさらに広げることを目指しました。そこで『CPU、グラフィックス、ディスプレーの能力向上』、『モバイル・携帯性の強化』、『多種多様なアプリケーション/使用方法への対応』の3点に力を注いでいます」とDell Technologiesの湊 真吾氏は説明する。

      「Dell Precisionモバイルワークステーション」には、3000/5000/7000の3つのシリーズが用意されているが、まず、小型・薄型・軽量モデルの5000シリーズでは、画面サイズが15型の「Dell Precision 5550」に加えて、17型の「Dell Precision 5750」が新たに投入された。

      「両機種とも、最新の第10世代Intel Core iプロセッサー(Hシリーズ)/Xeon Wプロセッサーを搭載。また、Dell Precision 5750は高性能GPUのNVIDIA RTX3000も選択可能で、VR/ARやAIなどの重たい処理にも対応できる『VR/AR Ready』『AI Ready』となっています」と湊氏は話す。

      この強力なCPU/GPUを生かすべく、液晶ディスプレーも大幅に強化。これまでは縦横比が16:9のパネルを搭載していたが、今回から16:10のパネルに変更。16:9サイズの映像コンテンツを制作する場合なども、ツールやメニューなどを表示する余裕を持てるようになった。さらに色域や色再現性にもこだわりたい場合は、Adobe RGBやDCI-P3、VESA HDR400などの規格に対応したパネルも選べる(Dell Precision 5550)。

      ※2 出典:IDC Worldwide Quarterly Workstation Tracker 2017 Q4-2020 Q1 Share by Company

      ※3 出典:IDC Worldwide Quarterly Workstation Tracker 2020 Q1 Share by Company

    • 液晶画面を大型化する一方、サイズは逆にコンパクトに

      5000シリーズの強みである携帯性についても、さらなるブラッシュアップが図られている。「16:10パネルを採用したことで、Dell Precision 5550の画面サイズは前モデルよりも約6%拡大しました。しかし、その一方で、シャーシサイズは逆に約6%小さくなっています(図2)。同様にDell Precision 5750は17インチとなり、シャーシサイズが約10%増加したものの、画面サイズは約26%も広くなっています。これほど薄く、フットプリントの小さなモバイルワークステーションは、世界でもほかに類を見ません」と湊氏は強調する。

       

      図2●Precision 5540と5550の側面比較

    • 特に日本のマーケットにおいては、モバイルワークステーションに対しても薄さや軽さを求める傾向が強い。その点、5550/5750なら、こうしたニーズにもしっかりと応えることができる。客先での打ち合わせや自宅でのテレワークなどを行う際にも、手軽に持ち運んで活用することが可能だ。

      また、より強力なパフォーマンスを必要とするユーザーなら、フラグシップモデルの7000シリーズがお薦めだ。こちらは15型の「Dell Precision 7550」、17型の「Dell Precision 7750」の両機種とも、VR/AR Ready/AI Readyの高性能CPU/GPUを搭載。設計・開発やシミュレーション、エッジ環境でのAI計算など、これまでデスクトップ機が必須と考えられてきた用途にも幅広く適用できる。

      液晶ディスプレーに関しても、Adobe RGB、DCI-P3、VESA HDR600(7550)、VESA HDR400(7750)などに対応した高画質パネルを採用。さらにシャーシサイズとフットプリントも、それぞれ約19%/約9%(7550)、約17%/約8%(7750)コンパクト化されている。

      「7000シリーズには、内蔵SSDを本体底面から簡単に取り外せる『クイック・アクセス・ドア』もオプションで用意しました。大容量データをすぐほかのマシンに移したい場合などに役立ちます」(湊氏)

    • Windows10版の自動最適化ツールを全機種に標準装備

      5000/7000シリーズのいずれにおいても大幅な性能強化が行われているが、ここで気になるのがCPU/GPUの発熱だ。高性能なプロセッサーは、それだけ駆動時の温度も高くなりがちである。「そこで今回から、両機種の熱設計を抜本的に見直しました。特にDell Precision 5750については、新開発の二重対向ファンを新たに採用。筐体内のエアフローを改善することで、熱だまりが発生しにくいようにしています」と湊氏は語る。

      また、5000/7000の両シリーズとも、ハードウエアベースのブルーライト低減機能を新たに装備。湊氏はその利点を「ソフトウエアベースの機能では単に青色LEDの発光量を減らすだけなので、画面全体が黄色っぽくなりがちです。その点、この機能では目に優しい青色LEDを用いるため、長時間にわたる作業も快適に行えます」と話す。

      さらにエントリーモデルの3000シリーズについても、「Dell Precision 3550」「Dell Precision 3551」の2機種を新たに投入。特に後者は上位機種と同じCPUを搭載しているため、コストパフォーマンス重視のユーザーに最適だ。

      なお、今回の大きなトピックとして、Windows 10ベースの自動最適化ソフト「Dell Optimizer for Precision」が全機種標準装備となったことも重要なポイント(図3)。湊氏は「これまで有償版ツールで提供していたアプリケーションの動作最適化機能を無償で提供。CPUベースだけでなく、ストレージベースの自動最適化も行えます。加えて、コンシューマ向け製品で提供していたマイク/音声チューニング機能やバッテリー最適化機能、Windows Helloなどとの連携による自動サインイン機能も利用可能に。これにより、使用するソフトや使い方にマッチした活用が実現できます」と話す。

       

      図3●Dell Optimizer for Precision

      今回から自動最適化ツールの「Dell Optimizer for Precision」を全機種に標準装備。使用するアプリケーションに合わせてCPU/ストレージの動作を最適化してくれるほか、オーディオやバッテリー、サインインの最適化なども行ってくれる
    • このように数多くの魅力を兼ね備えたモバイルワークステーション。その特長を十分吟味した上で、自ら最適な1台を選ぶことが肝要だといえそうだ。

       

    • 日経BP社の許可により、2020年6月17日~ 2020年9月15日掲載 の 日経 xTECH Active Special を再構成したものです。