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    次世代クリエイターの育成に不可欠な環境とは

    なぜクリエイターを育成する専門学校は、プロ仕様の制作環境にこだわるのか

    • 実践的なスキルの習得にはプロ仕様のマシンが不可欠

      あらゆる分野におけるデジタル化が加速している。映像やデザインなどのコンテンツ分野も例外ではない。CG・動画、アニメーションなどの制作に携わるクリエイティブ業務においても、様々なデジタルツールを操れるクリエイターのニーズは、以前にも増して高まっている。

      そうした次世代のクリエイターの育成に力を注ぐ教育機関の1つが、1947年に創立し73年の歴史を持つ日本工学院専門学校(以下、日本工学院)だ。日本初のテレビ本放送が開始された1953年に「日本テレビ技術学校」を設立。テレビ放送の黎明期から業界の最先端で活躍する技術者を講師として招くなど後進の育成を進め、日本のテレビ放送の発展に貢献するほか、様々な分野でクリエイターを世に送り出してきた。

      創設60周年となる2007年にはカレッジ制を導入。現在は蒲田と八王子の両校にクリエイティブ分野からスポーツ分野までカバーする6カレッジ34学科104の専門分野を有し、“若者の夢を叶える”総合専門学校として、多方面の業界で活躍する有能な人材を数多く輩出している。

    • 日本工学院専門学校

       

      同校の中でCG・映像クリエイターを育成する学科が「デザインカレッジ CG映像科」である。モデリングやアニメーション、VFXといった領域における、即戦力の人材を育成している。その大きな特色の1つは実践的なカリキュラムによる技能教育に力を入れている点だ。

      例えば、映画『アナと雪の女王』『塔の上のラプンツェル』の日本人モデラーとして知られる糸数 弘樹氏、世界的ゲームコンテンツメーカー・米Blizzard Entertainment社で活躍するシネマティックアニメーターの小池 洋平氏など第一線のクリエイターが講師として招かれ、後進の指導に当たっているという。

    • 日本工学院専門学校
      デザインカレッジ
      CG映像科
      細川 一弘氏

      「様々な映像ジャンルで活躍するためのCG・映像スキルの習得を目的に、企業との共同研究やインターンシップ、学内外に向けた多彩な作品発表を設けるなど、クリエイターに必要なスキルを教えています」と話すのはCG映像科の教員、細川 一弘氏だ。

      また、制作環境にも並々ならぬこだわりを持っている。「CG・映像の制作や編集作業をスムーズに行い、なおかつ最先端の技術を習得するためには、プロ仕様の機材が豊富にそろう実習環境が必要不可欠だと考えているからです」と細川氏は語る。即戦力のクリエイターを輩出するために、同校ではプロ仕様の制作環境をどのように整備しているのだろうか。次ページ以降でその概要を紹介したい。

    • 即戦力のクリエイターの育成を目指した「プロ仕様の制作環境」とは

      プロが実践する制作環境を実現するために、CG映像科が学生の授業や作業用マシンとして活用しているのが「Dell Precision 3630 Tower」をはじめとするDell EMCのワークステーションだ。実技用の3つの教室には合計約220台のDell EMC製品が配備され、各マシンは校内LANで接続されている。

       

       

      実技の授業では、このLANを通じて講師の手本作業などをモニターに映し出す。学生はこれを確認しながら、講師の指導に従って、CG映像の制作や、そこに動きをつけるアニメーション、視覚効果を高めるエフェクトなどの技能習得を図る。さらにプロジェクトごとに制作チームを組み、作品制作を通じて専門スキルを高めていくわけだ。「授業では最先端の技能習得に加え、オリジナリティを持った感性やセンスを養うことにも重きを置いて指導しています」と細川氏は話す。

      なぜCG映像科では、Dell EMC製品を採用しているのか。「最初に採用したのは約20年前です。その理由は大きく3つあります。1つはCG制作会社やデザイン会社でも数多く導入されており、将来的に学生たちが働く環境に近いこと。次にそうしたプロフェッショナル仕様の高度な環境を最適なコストで提供していること。最後に、導入前後のサポートです」と細川氏は語る。

    • ワークステーションの性能が授業の質を左右する

      授業では多くのプロが利用するCGソフトウエアのMaya、Adobe IllustratorやAdobe Photoshop、DaVinci Resolve、Houdini、Nukeなどのアプリケーションを使って実技を指導する。これらのアプリケーションは強力なGPUパワーが必要となる。リアルタイムレンダリングを行うには高性能なグラフィックボードも欠かせない。

      とはいえ、すべてのワークステーションに高性能なGPUやグラフィックボードを搭載することはコスト的に難しい。「どのワークステーションに、どんなオプションを搭載するか。デルは更改のタイミングで、こちらの予算に合わせて、きめ細かな相談に乗ってくれます。作業用途に応じて最適な構成のワークステーション環境を、コストバランスを考えた上で実現できる点は非常にありがたいですね」と細川氏は述べる。現在の中心機種は「Dell Precision 3630 Tower」で、高性能グラフィックボード「NVIDIA Quadro P1000」を搭載しているという。

       

      日本工学院が採用する「Dell Precision 3630 Tower」

      最新の第9世代インテル CoreおよびXeonプロセッサーと最大128GBまでの高速メモリーを搭載。オペレーティングシステムはWindows 10 ProまたはUbuntu 18.04 LTSに対応する。最大265Wの次世代NVIDIA Quadroプロフェッショナルグラフィックスをサポートし、省スペースながらプロ仕様のハイパフォーマンスを発揮する
    • スペックにこだわるのは、それが授業の質を左右するからだ。「マシンがスムーズに動かないと、自分の作業がなかなか終わらない。作業をしている間に授業が先に進んでしまうと追い付くのが大変ですし、考えていることが中断されてしまいます」とCG映像科 2019年度卒業生の吉田 茜さんは話す。

      日本工学院専門学校
      デザインカレッジ
      CG映像科 2019年度卒業
      吉田 茜さん

      また性能だけでなく、信頼性・堅牢性も重要なポイントになるという。「授業は足並みをそろえて進行するため、1台でも使えないマシンがあると、授業をストップせざるを得ません。そうなると学生たちの貴重な時間が無駄になるだけでなく、その後のカリキュラムにも支障を来します。その点、Dell EMC製品は非常に安心です。例えばDell Precision 3630 Towerは3年使っていますが、一度も故障したことがありません」と細川氏は評価する。

      機種が新しくなるごとに、本体・モニターともに消費電力も低減している。「以前は電源の取り回しを工夫しなければならないこともありましたが、今はそうした手間は一切不要になりました」(細川氏)。

    • 100台同時に動かしても音が静かで授業の妨げにならない

      教室のマシンは授業のほか、プロジェクト制作などの自主制作の際にも学生が自由に利用可能だ。実際、授業時間以外でも多くの学生がコンテンツ制作に没頭しているという。そもそもプロ仕様のアプリケーションを一式そろえるのは学生にとってハードルが高いが、理由はそれだけではない。「自宅には普通のノートPCがありますが、これではMayaなどのアプリケーションはスペック不足でまともに動かないのです」と吉田さんは述べる。

      デジタル動画のフレームレートは最低でも1秒24フレーム構成だ。2~3分の作品でも学生たちにとっては大作である。「たとえアプリケーションがあったとしても、自宅のノートPCでは1フレーム処理するのに何十分もかかり、全く作業にならない」とCG映像科 2019年度卒業生の宮原 ハンナさんは続ける。

      日本工学院専門学校
      デザインカレッジ
      CG映像科 2019年度卒業
      宮原 ハンナさん

      そのため、作業する場合は自然と学校に足が向くというわけだ。「音も静かなので、作業に専念できます」と話す宮原さん。Dell Precision 3630 Towerはファン構造や冷却効率を高める様々な工夫が施されているからだ。

      大きな教室になると、学生用のマシンが100台ほどある。以前の機種は100台同時に使うとファンの“うなり”が耳障りに感じることもあったという。「学生に教える立場からすると静音性は重要な要素。大きな声を出さなくても、教室の後ろの学生にもきちんと指導内容を伝えることができますからね。今はファンの音は全く気にならない。むしろルーターの音のほうがうるさいくらいです」(細川氏)。

    • 教室で作業を進める宮原さん

       

      同校では学生たちにより良い授業・作業環境を提供するため、新たなワークステーションの導入も検討している。「現在、最新機種を貸し出してもらい校内で検証中です。トラブル対応だけでなく、先を見据えた展開にも丁寧に対応してくれるサポート力もDell EMC製品を使い続ける大きな理由の1つです」と細川氏は話す。

      実践的カリキュラムのさらなる充実を図る日本工学院。同校ではこうした制作環境を整備することで、デジタル時代のコンテンツビジネスを支える即戦力のクリエイター育成に注力していく考えだ。

       

    • 日経BP社の許可により、2020年4月21日~ 2020年7月20日掲載 の 日経 xTECH Active Special を再構成したものです。

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