• 装飾

    テレワーク導入のハードルを下げるには

    世界的なIT企業の事例に見る、テレワークの効率的な進め方とその効果

    • 2009年からテレワークを本格化、現在では90%が在宅勤務可能に

      日本を取り巻く様々な状況の中、テレワークを本格導入する日本企業が増えている。既に導入済みの企業の中には、大きな効果を出しているケースも少なくない。実際に、総務省が公表している「平成30年版 情報通信白書」では、80%以上の企業が「非常に効果があった」「ある程度効果があった」と回答している。特に子育て世代の社会的な活躍促進には、大きな貢献を果たしているようだ。

      その一方で課題に直面している企業も多い。テレワークに対応した会社のルール整備をどうするか、営業以外のテレワークに否定的な上司の理解をどのように醸成していくか、オフィスから離れることで従業員が感じる孤立感をどう解消していくかなど、解決すべき問題が多々存在するからだ。また、テレワーカーを支援するには、情報共有やコミュニケーションを円滑にするための環境整備も欠かせない。テレワークに適した環境をどう提供すべきなのか、悩んでいる企業も少なくない。

      そこで参考にしたいのが、既に長年にわたってテレワークに取り組む企業の事例である。その1つとしてここで取り上げるのが、ITソリューションプロバイダーのDell Technologiesのケースだ。

      同社は古くから海外とのミーティングを電話会議などで行っていたが、2009年にテレワークを本格化。その後、段階的に「コネクテッド ワークプレイス」というコンセプトに基づき、働き方の多様化を進めてきた。既に2015年には全世界の従業員の25%がテレワークを行っていたが、ここ数年でその割合が急増、昨年末時点で65%がテレワークを適用、現在は90%以上の社員が何らかの形でテレワークを実現しているという。

      ここで注目したいのがその効果である。2013年以降、勤務形態の柔軟化によって約2500万キロワットの省エネを実現したほか、2014年会計年度以降、約40億ドルの節約も実現しているという。また、テレワークを行っている従業員の89%が、柔軟な働き方によって目標達成に成功したと回答。柔軟な働き方をしている従業員の満足度は、そうでない従業員に比べて20%高いという。

      もちろんこのような取り組みは、日本法人でも進められている。次ページ以降はその具体的な内容やそのノウハウを生かしたテレワーク環境について紹介したい。

    • 誰もが気軽に在宅勤務を活用できる環境を整備するポイントは

      「日本国内でも、人事制度、プロセス、仕事環境の3つの側面から、テレワークを積極的に推進しています」と語るのは、Dell Technologiesの佐々木 邦彦氏だ。まず人事制度に関しては、ワークライフバランスの向上と多種多様な働き方を支援するプログラムを策定・実施。職務上、オフィスでなければできない仕事を除き、誰でも在宅勤務を活用できる制度を確立しているという。

      Dell Technologies(デル株式会社)
      クライアント・ソリューションズ統括本部
      フィールドマーケティング コンサルタント
      佐々木 邦彦氏
      ※在宅勤務を行っている佐々木氏への取
      材は、Web会議を通して実施された。

      プロセスに関しては、テレワーク活用のハードルをできる限り下げることに留意。在宅勤務制度のポリシーやセルフアセスメントを全社で整備した上で、上司の承認を得るだけでテレワークを始められるようにしている。

      業務環境としては、全社員にノートPCとヘッドセットを支給。デバイスを問わずにシンプルかつセキュアにアプリケーションを利用できるデジタルワークスペース「VMware Workspace ONE」とともに、Web会議ツール、Microsoft Teamsなどのコミュニケーションツールも積極的に活用している。インサイドセールスのように固定電話番号での発着信が必要な職種では、ソフトフォンによって通常通りの業務をPC上で行える環境を整備。さらに物理的なオフィスも従業員のデスクが並んだ従来型の形態から、コラボレーションを重視した形へと変革している。

      「2020年3月現在、ほぼ全社員が在宅勤務可能な体制を整備しています。在宅勤務者の多くは会社が支給したノートPCと大画面モニターを併用しています。これによってモビリティを確保すると同時に、自宅作業の生産性を高めているのです」(佐々木氏)

      その具体的な構成は図に示す通り。Dell Technologiesではこの構成を、標準的なテレワーク環境の1つとして位置付けているという(図1)。

    • 図1●Dell Technologiesが考えるテレワーク環境(サンプル)

    • テレワーク環境に適したパッケージ製品を提供

      Dell Technologies(デル株式会社)
      クライアント・ソリューションズ統括本部
      フィールドマーケティング シニアアドバイザー
      吉田 将信氏
      ※吉田氏も在宅勤務を行っているため、
      取材はWeb会議を通して実施された。

      Dell Technologiesと同様の取り組みを進めている、あるいは進めている企業も少なくないはずだ。もちろん制度改革や新たな企業文化の醸成は一朝一夕にできるものではないが、業務環境の整備はすぐにでも始めることができる。Dell Technologiesでも自社のノウハウをパッケージ化したテレワーク環境を提供しているという。

      「この『テレワーク・デイパッケージ』は、すぐにテレワークを開始できるよう、PCと周辺機器を組み合わせた構成になっています」とDell Technologiesの吉田 将信氏は説明する。現在提供されているのは「エントリーパッケージ」「スタンダードパッケージ」「エンジニアパッケージ」の3種類だ(図2)。今後も多様な働き方に対応するため、ポートフォリオの拡張を進めていく予定になっているという。

    • 図2●テレワーク・デイパッケージのラインアップ

      一般社員向けの2種類のパッケージのほか、ワークステーションを利用するエンジニアのテレワーク化を可能にするパッケージも用意されている

       

      まず「エントリーパッケージ」は、13インチ(B5サイズ)のコンパクトなノートPCである「Dell Latitude 3301」と、USB-Cポートを拡張する「Dell DA300 USB-C Mobile Adapter」、ステレオヘッドセットを組み合わせたもの。Dell Latitude 3301は第8世代インテル Core プロセッサーを搭載し、Webカメラも装備しているため、Web会議などでの利用に適している。価格も比較的安いため、多くの従業員に配布しやすいパッケージだ。

      次に「スタンダードパッケージ」は、サイズは13インチとコンパクトながら、より強力なパフォーマンスを発揮するノートPC「Dell Latitude 5300」を採用。これとワイヤレスマウス、ステレオヘッドセットを組み合わせている。

      最後に「エンジニアパッケージ」は、社内で主にワークステーションを利用しているエンジニア向けのパッケージ。GPUとしてNVIDIA Quadro P620を搭載可能な15インチサイズのモバイルワークステーション「Dell Precision 3541」と、ワイヤレスマウス、ステレオヘッドセットを組み合わせた。これまでは社内でないとできないと思われていたエンジニアの業務も、このパッケージを活用することでテレワーク化が可能になるという。

    • 環境整備のハードルを下げる追加オプションも用意

      企業の導入や運用のハードルを下げるため、これらの「ベーシックパッケージ」に加え、テレワーク導入を容易にする「追加オプション」も用意されている。

      「Dell プロフェッショナルシリーズ P2419HC 23.8インチ ワイド USB-Cモニター」はその1つだ。これをノートPCとUSB Type-Cケーブル1本で接続することによりノートPCへの充電と大画面での作業が可能になり、在宅でも作業効率を高められる。そのほか、前述のデジタルワークスペースであるVMware Workspace ONEや次世代アンチウイルスとEDRの機能を提供する「VMware Carbon Black Endpoint Standard」、PC紛失時でも情報漏えいを防止できる「Absolute Data & Device Security」も用意されており、デバイスの管理やセキュリティ確保も容易に行える。

      サポートサービスも充実している。まずPC購入後のキッティングや自宅などでの訪問設定を行う「Client Deployment Assessment Service」を追加オプションとして提供。これによってPCセットアップの手間を省くことも可能だ。また専用窓口での保守サポートを行う「ProSupport Plus」も利用でき、テクニカルサポートへの24時間365日のアクセス、翌営業日のオンサイトでのパーツ交換などを受けることが可能だ。

      さらにもう1つ注目したいのが、「Dell Financial Services(DFS)」というレンタルサービスを利用できる点である。

      「DFSをご利用いただくことで、テレワークパッケージを資産として計上することなく、経費として処理可能です。また初期投資が不要になり、キャッシュフローへの影響も最小化できます。レンタル期間は標準で3年間ですが、ご要望に応じて1年からでも利用でき、エントリーの場合は参考価格で月額2630円からです。そのためテレワークをテスト的に導入する場合でも、利用しやすいパッケージになっています」と吉田氏は述べる。

    • テレワーク・デイパッケージで利用可能な追加オプション。ベーシックパッケージに追加オプションを組み合わせることで、環境整備のハードルを下げられる。また、レンタルサービス(DFS)を利用すれば、テスト的な導入も可能だ

       

      このような追加オプションをうまく併用すれば、テレワーク推進のための環境整備におけるハードルを下げられるだろう。なおDell Technologiesでは「テレワーク特設サイト」も開設しており、世界におけるテレワークの現状や、テレワークに適したIT機器の紹介などを行っている。もしテレワークを本格化したいのであれば、こちらも参照してみてはいかがだろうか。

    • 日経BP社の許可により、2020年4月21日~ 2020年7月20日掲載 の 日経 xTECH Active Special を再構成したものです。

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