• 装飾

    テレワーク時のデータ損失もこれで回避、PCバックアップに求めた6つの条件とは

    事業に関わるデータはバックアップできていても、クライアントPCのデータバックアップは従業員任せ、という企業も少なくないのではないか。日々使用する重要な情報資産を持つクライアントPCのバックアップはおろそかにできない。

    • 「従業員任せのPCバックアップ、情報資産の損失」各拠点で起きていた問題

      ダイワボウ情報システム 水野裕之氏

      IT製品の大手ディストリビューターであるダイワボウ情報システムは、全国に約90カ所の営業拠点を有し、PCやサーバ、ストレージなどのハードウェアから、ソフトウェア、周辺機器に至るIT製品全般を包括的に提供する。製品選定や導入もサポートし、地域に密着したサービスを提供しているのも同社の特長の一つだ。

      ITにまつわる顧客の課題を解決する立場でありながら、実は同社も大きな組織課題を抱えていた。それが、従業員が使用するクライアントPCのバックアップだ。

      ダイワボウ情報システムではクライアントPCのデータ保護に関する全社統一のシステム基盤はなく、拠点ごとにファイルサーバとしてNAS(Network Attached Storage)を設置し、それぞれが独自のバックアップルールで運用していた。従業員が増えれば当然クライアントPCの台数も増え、運用、管理コストが肥大化する。さらに、ハードウェア障害による情報資産の損失なども発生していたという。

      ダイワボウ情報システムの水野裕之氏(システム推進部 eビジネスシステム1課 係長)は、次のように振り返る。「クライアントPCのバックアップに関する大枠のルールは本社で策定していましたが、運用や管理については各拠点のシステム担当者にゆだねていました。その結果、何らかのバックアップツールを導入する拠点もあれば従業員任せにする拠点もあり、それぞれで運用方法に差が出てきてしまい、本社では全拠点のバックアップ運用状況を把握しき切れていませんでした」

      ダイワボウ情報システム 伊藤崇大氏

      また各拠点からは、クライアントPCのデータ管理に対して「不満の声が上がってきていた」と、ダイワボウ情報システムの伊藤崇大氏(システム推進部 eビジネスシステム1課 課長)は明かす。

      「例えば、『ランサムウェアの脅威が増しているので、PCのデータをもっと安全な環境に保存したい』『日ごとにPCのデータが増え、ファイルサーバの容量がすぐに窮迫する』『PCのリプレース時に保有データが多いと、データ移行に膨大な時間がかかるため、短縮したい』といった声が上がっていました。特にPCのリプレースでは、旧PCのデータをファイルサーバに一時退避させ、新たなPCにデータを戻すという作業だけで、1台当たり2~3時間を費やしていました。これは、現場の担当者にとって大きな負担でした」(伊藤氏)

    • ダイワボウ情報システムが提示した6つの条件をどうクリアしたか?

      こうした不満が各拠点から寄せられ、ついに同社はクライアントPCのバックアップシステムの導入を決断した。それと並行してサーバ統合のプロジェクトが進んでいたことから、バックアップシステムについても全社で統合することを最重要ポイントに置き、新たなシステム導入の検討を開始した。検討に当たっては、

      (1)短期間での導入が可能であること

      (2)バックアップ運用を一元管理できる機能が充実していること

      (3)PCの数が増えても柔軟に対応できる拡張性があること

      (4)運用、管理コストが低く、少人数での管理が可能であること

      (5)バックアップ時にネットワークの負荷が掛からず、データの圧縮率が高いこと

      (6)拡張性があること

      の6つを必須条件として設定した。

    • ダイワボウ情報システム 脇坂直樹氏

      ダイワボウ情報システムの脇坂直樹氏(システム推進部 eビジネスシステム3課 主任)は、次のように話す。「全拠点のPCデータのバックアップを集約するとなると、各拠点から接続が集中した場合にネットワークの負荷が高まり、業務システムの通信に影響が出るのでは、といった点が大きな懸念でした。また、バックアップデータは増え続けるため、スケーラビリティが高い仕組みを備えていることも譲れない条件でした」

      これらの条件を基に複数のバックアップ製品を検討した結果、白羽の矢が立ったのが、Dell EMCが提供するデータ保護専用コンバージドインフラ「Dell EMC Integrated Data Protection Appliance」(IDPA)のエントリーモデル「IDPA DP4400」だ。

      IDPA DP4400は、「インテル Xeon スケーラブル・プロセッサー」を搭載した「Dell EMC PowerEdge R740xdラックサーバ」にさまざまな機能を搭載した、データ保護に特化したアプライアンス製品だ。この製品は、2Uサイズのサーバに、バックアップソフトウェア「Dell EMC Avamar」とバックアップストレージ「Dell EMC Data Domain」、そのオプションである分散重複排除エンジン「Data Domain Boost」、検索と分析ソフトウェア「Data Protection Search」「Data Protection Advisor」、クラウドへの長期保管と災害対策機能「DD Cloud Tier/DRオプション」、システム管理製品「Application Configuration Manager」「IDPA System Manager(Data Protection Central)」などを統合している。1つの筐体にサーバとストレージ、バックアップソフトを統合することで、従来型のバックアップシステムと比べて、機器の導入や設定、容量設計、運用管理などの手間を大幅に削減できる。

       

      バックアップ運用に必要な全ての機能を備えるIDPA DP4400(出典:デル テクノロジーズ)
    • デル テクノロジーズの鈴木敏通氏(DPS事業本部 第二営業部 営業戦略推進 担当部長 シニアアカウントマネージャー)は、「2018年7月の発売以降、IDPA DP4400は特に日本市場で大きく売り上げを伸ばしています。2019年5月に最小構成のストレージ容量を24TBから8TBに変更したことも追い風となり、案件ベースで対前年比約10倍、総売り上げで同約6倍と急成長しています」と言う。その要因について次のように語る。

      デル テクノロジーズ 鈴木敏通氏

      「IDPA DP4400は、従来のバックアップ製品とは大きくコンセプトが異なります。シンプルで分かりやすいバックアップ製品を求める日本企業のニーズに応え、使いやすい統合管理UIを備え、また最小8TBから最大96TBまで柔軟にストレージ容量を拡張でき、物理、仮想サーバやPCはもちろん、OracleやSAPなどの基幹アプリケーションとの連携に至るまで、DP4400の容量や台数を気にせず柔軟にさまざまなシステムのデータを保護します。クラウドを使った階層化にも対応しています。階層化した容量を含めると、最大、1台で約300TBのバックアップストレージを管理できます。そして、何より他社製品と大きな差別化となるポイントが、世界最高クラスの重複排除率を実現している点や、重複排除をバックアップ対象側で処理し転送する仕組み(Data Domain Boost)によって、バックアップに必要なネットワーク帯域を大幅に削減できる点です。今回の事例のように、システム単位や拠点ごとに継ぎはぎで構築せざるをえなかったバックアップシステムは、管理の煩雑化とコストの増加を招いていました。しかし、DP4400によって、あらゆる場所のあらゆるシステムで「統合的なデータ保護」が可能になったのです。しかも、それは安価で実現できるのです」(鈴木氏)

       ダイワボウ情報システムの岩谷圭祐氏(システム推進部 eビジネスシステム3課 係長)は「コンバージドソリューションによって、バックアップサーバとバックアップストレージの環境が1つにまとまり、機器の設置から利用環境の構築までを短期間で実施できる」「統合管理ツールによりバックアップ状況や設定を1つのGUIで操作可能で、運用管理の簡素化と効率化が期待できる」「ライセンスの追加購入のみでデータ容量の拡張が可能で、ハードウェアの増設など追加作業が不要」「ハードウェアとソフトウェアの保守、運用サポート窓口を統合できる」の4つのポイントを評価したという。

    • ダイワボウ情報システム 岩谷圭祐氏

      IDPA DP4400の導入決定後は、2019年9~10月にかけてPoC(概念実証)を実施した。PoCでは、システム推進部のクライアントPC計30台(東京10台、大阪20台)、約1687GBのデータを対象に、IDPA DP4400の初期設定や機能面、運用管理面、ユーザー利用面などを評価したという。

      このPoCを通じて、機能面ではデータ重複排除率が約23%と非常に高いことが分かり、クライアントPC側でのデータ圧縮機能による転送容量低減と合わせて、大量のクライアントPCのバックアップを安定的に実施できることが確認できた。

      「特に、現在は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止を目的に、テレワークをせざるを得ない状況となりました。バックアップと併せてネットワーク環境の整備も課題となってきます。バックアップによって事業部門側のネットワークに影響が出ては困ります。IDPA DP4400はバックアップ時のネットワーク負荷を低減する機能を備えています。まさに今必要な機能だと感じています」(岩谷氏)

      また運用管理面では、統合管理ツールから集中管理が可能になり、バックアップ全体のステータス管理も容易となる。

      「バックアップポリシーを全社統合することで、運用管理コストも低減できると期待しています。エージェントをインストールするだけで、ポリシー設定などの手間をかけずにバックアップ運用を始められ、リストアも簡単なため、PoCに参加した従業員からも非常に高い評価を得られました」(岩谷氏)

      こうしたPoCを経てIDPA DP4400の技術的なメリットが確認されてからは、スムーズに事が運んだ。2020年2月初旬に社内承認を得て発注し、2月後半には製品の納品が完了した。3月から部内で最終検証を実施し、2020年度上半期にまずは2営業部、約20拠点に対して段階的に導入を開始。そして、さらなる導入ノウハウの蓄積や既存ネットワークへの影響、環境増強の必要性などを見極め、最終的には2020年度下期中に、本社部門や仕入部門を含めて全拠点のクライアントPC1200台のバックアップを順次進めていく計画だ。

      今後の展開に向けて岩谷氏は、「IDPA DP4400は、当社の業務や事業継続だけでなく、企業の信頼性の向上にもつながる効果を期待しています。また、サーバとストレージが一体化したコンバージドソリューションは、導入や運用管理の容易さ、省スペースや省エネによるコスト削減など多くのメリットがあります。デル テクノロジーズには、今後もビジネスニーズや規模にあわせた多様なコンバージドソリューションを展開してほしいです」とデル テクノロジーズに対する期待を語った。

    • 社内で得たノウハウを、次は全国のユーザー企業にも

      なおダイワボウ情報システムは、IDPA DP4400のユーザーであるとともに同製品をユーザー企業に広めるパートナーでもある。さまざまなバックアップシステムやストレージ製品を扱うマルチベンダーという立ち位置から、IDPA DP4400をどう見ているのか。

      「障害発生時に切り分けが不要なのはアプライアンスならではのメリットなので、ユーザー企業の管理工数を低減できると考えています。中堅・中小企業におけるバックアップの運用管理に関する課題は、大手企業よりもシビアであると聞いています。地域密着という当社の強みを生かし、ぜひ課題解決を支援していきたいと考えています」(伊藤氏)

      IDPA DP4400だけでなく広い製品ポートフォリオを持つDell EMCブランドにも魅力を感じていると水野氏は語る。

      「当社はHCI製品のプロモーションにも注力していますが、システム基盤の集約に合わせたバックアップの統合も提案できるデル テクノロジーズとの協業は、提案の一本化につながります。これにより、当社のようなパートナー企業の提案工数の削減や、ユーザー企業における検討のシンプル化も実現できると考えています」(水野氏)

      ダイワボウ情報システムはこの蓄積したノウハウを生かし、ユーザー企業への提案を進めていく考えだ。「『ダイワボウ情報システムの営業部員が日常的に利用している』という経験が、ユーザー企業の課題解決の一助となるよう、IDPA DP4400の情報提供を継続していきます」(脇坂氏)と意欲を見せた。

       

    • この記事は TechTarget Japan (http://techtarget.itmedia.co.jp)に2020年4月に掲載されたコンテンツを転載したものです。https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/2004/28/news03.html

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