• 装飾

    事例で分かるバックアップの工数、コスト削減術

    3日かかるバックアップが7分に? 担当者が目を疑うほどの結果をなぜ出せたか

    いざというときに備えて取るデータバックアップ。常にIT担当者に付きまとうのは「ちゃんとバックアップが完了しているか」「途中で止まっていないか」といった不確実性だ。

    • 使い勝手が良くシンプルなバックアップ運用を実現できると評価を得ているのが、Dell EMCが2017年7月から提供を開始したデータ保護専用コンバージドインフラ「Dell EMC Integrated Data Protection Appliance」(IDPA)だ。特に2018年7月にエントリーモデルとして提供を開始した「IDPA DP4400」は、驚異的なスタートダッシュを見せ、グローバル市場では2019年1~3月期には前期比で770%、4~6月期には同550%増というIDPAビジネスの成長を下支えしたという。

      驚くのは日本市場での売り上げ推移だ。2019年5月に「IDPA DP4400」の最小構成のストレージ容量を24TBから8TBに変更したことが追い風となり、デル テクノロジーズによれば「案件ベースで対前年比約10倍、総売り上げで同約6倍と急成長している」という。2020年はさらにその勢いを加速させる見込みだ。

    • なぜこれほどの人気を呼んでいるのか。デル テクノロジーズの西頼大樹氏(DPS事業本部 事業推進担当部長)は、データ保護の分野でもコンバージドインフラが提供する使い勝手やシンプルさのニーズが高まってきたからだと考える。

      「われわれが2018年に実施したバックアップ環境の更改に関するユーザー調査を見ると、バックアップで重視する項目のトップ3は、コスト、運用管理性、シンプルさでした。回答割合は、コストが62%だったのに対して運用管理性は60%、シンプルさは44%でした。こういった調査ではコストに回答が集中する傾向が強いのですが、コストだけでなく導入や変更管理が簡単であり、多くの機器を必要としないシンプルさを重視する傾向はますます高まっています」(西頼氏)

      デル テクノロジーズ 西頼大樹氏

       IDPA DP4400は、サーバとストレージハードウェア、バックアップソフトなどさまざまな部品を組み合わせて構成する従来型のバックアップシステムとは一線を画す製品だ。1つの筐体の中にサーバとストレージ、バックアップソフトを統合し、機器の導入や設定、容量設計、運用管理などの手間を大幅に削減している。

       「重複排除によるデータの大幅な削減、管理リソースを減らすことによるボトルネックの削減、ソフトウェアの統合による運用・変更管理の削減が可能です。保管したデータの検索や分析、クラウドへの長期保存や災害対策といった近年のニーズにも対応できます」(西頼氏)

    • 大きな成長の兆しを見せるデータ保護コンバージドインフラ(出典:デル テクノロジーズ)
    • バックアップ機能をコンバージドインフラとして2Uサイズの筐体に統合

      IDPA DP4400は、「インテル Xeon スケーラブル・プロセッサー」を搭載した2Uサイズの「Dell EMC PowerEdge R740xdラックサーバ」に、

      • バックアップソフトウェア「Dell EMC Avamar」
      • バックアップストレージ「Dell EMC Data Domain」とそのオプションである分散重複排除エンジン「Data Domain Boost」
      • バックアップストレージ「Data Domain」
      • 検索と分析ソフトウェアの「Data Protection Search」「Data Protection Advisor」
      • クラウドへの長期保管と災害対策機能「DD Cloud Tier/DRオプション」
      • システム管理製品「Application Configuration Manager」「IDPA System Manager(Data Protection Central)」

      などを統合したアプライアンスだ。

       「ストレージ容量は最小8TBから、最大で96TBまで拡張できます。クラウドへの階層化に対応しており、階層化された容量を含めると論理的には1台で300TB近くのバックアップデータを管理できます。使いやすい統合管理UIも提供しているので、AvamarやData Domainに慣れたユーザーはもちろん、これまでDell EMCのソリューションを利用したことのないユーザーにも高い支持を頂いています」(西頼氏)

       AvamarやData Domainは高い重複排除率を誇ることで知られる製品だ。さらにDell EMCとして、50対1の重複排除率を保証する品質保証プログラム「Future-Proof Loyalty Program」の対象製品でもある。西頼氏によると、「そのくらい自信を持って提供できるソリューションである証」だという。

       こうしたIDPA DP4400のメリットを、ユーザー企業はどのように感じているのだろうか。新規ユーザーとしてIDPA DP4400を導入し、「使いやすさ」「シンプルさ」によって劇的な成果を挙げているのが阪大微生物病研究会だ。

    • どのバックアップアプライアンスでも解消しない……阪大微生物病研究会の悩み

       阪大微生物病研究会は、ワクチンの研究・開発、生産・供給を担うバイオスペシャリティファーマであるBIKENグループを構成する一般財団法人だ。本部を大阪に置き、東京と香川の観音寺に事業所を設置している。ワクチンの研究・開発および供給と臨床検査事業、また微生物病に関する学術研究の助成・奨励をしている。

       

      香川県観音寺市にある阪大微生物病研究会 観音寺研究所 瀬戸センター外観
    •  ワクチンの生産拠点は観音寺研究所にあり、ITシステムの運用管理は観音寺研究所 瀬戸センターの経営企画部システム課が担う。佐々木 寛氏(観音寺研究所 瀬戸センター 経営企画部システム課 課長)は、「システム課は、インフラからネットワークの敷設、電話設備、会議室のAV機器関連、メールなどの業務系システムまで、幅広い領域での運用管理業務を担当しています。少ない人数で多くの業務を担当していることもあり、最近では機器や機能をデータセンターに集約し、標準化やルールづくりを進めています」と担う役割について話す。

      阪大微生物病研究会 佐々木 寛氏

       そうした統合化と標準化の取り組みの一貫として推進したのがバックアップ基盤の統合だ。阪大微生物病研究会は、2007年からテープバックアップからディスクバックへの移行と、VMware製品によるサーバの仮想化を進めてきた。2014年には仮想マシンで稼働可能なバックアップソフトウェア製品を導入。業務システムを構成していた約60台の仮想マシンのイメージバックアップを日次で取得する方式でデータを保護してきた。

       問題となったのは、運用期間が長くなるにつれてデータが増加し、バックアップが終わらない、うまくバックアップできないといったケースが増えていたことだ。同研究所の長谷川 貴也氏(経営企画部システム課)は、当時の状況について次のように振り返る。

      阪大微生物病研究会 長谷川 貴也氏

       「メールシステムのアーカイブデータは、1つの仮想マシンイメージで6TBを超えることもあります。それらをバックアップソフトでイメージバックアップしようとすると、バックアップを取り終えるまでに3日かかることもありました。統合管理ツールがなかったため、バックアップが完了したかどうかを一つ一つコンソールを立ち上げて確認する必要がありました。出社してすぐに日次バックアップが問題ないことを確認する作業は、物理的にも心理的にも大きな負担でした」(長谷川氏)

       こうした現場の悩みを解消するために、国内で高いシェアを持つ2つのバックアップアプライアンスを使った検証を実施した。しかし満足できる結果は得られなかったという。頭を抱えているときにデル テクノロジーズから提案されたのがIDPA DP4400だった。

    • 「3日かかっていたものが7分に」担当者も信じなかった検証結果

       PC以外でDell EMCの製品を導入検討するのは初めてということもあり、佐々木氏や長谷川氏はデル テクノロジーズの担当者から「これなら今の問題を解消できますよ」と聞いても半信半疑だったという。

       「まずは検証用のデモ機を借りて120GBほどのデータをバックアップしてみたのですが、わずか3分で終わり、圧縮後のサイズも25分の1になるなど信じられない結果が得られました。最初は設定ミスや取得ミスがあるのではないかなどと疑っていたのですが、検証を繰り返しても同じ結果でした。効果を実感してからは、導入はスムーズに進みました」(佐々木氏)

       IDPA DP4400がもたらす効果は3つあったという。1つ目は、重複排除や圧縮によるデータの削減と省スペース化だ。

       「サーバ60台分の仮想マシンイメージの実データ量は1PBですが、圧縮と重複排除によって10TB弱に収まっています。また、3日かかっていた6TBの仮想マシンイメージのバックアップの取得は7分で完了するようになりました。この結果を見て、手順に何か間違いがあったのではと何度も確認しましたが、間違いなく実際に得られた結果でした」(佐々木氏)

       データセンターはハウジングで利用しているため、2Uのラックスペースに収められることがさらに直接的なコスト削減にもつながった。

       2つ目は、サーバやストレージ、バックアップソフトウェアの運用管理が1つのコンソールで実現できるため、運用負荷が大幅に減ったことだ。

       「出社してコンソールを開けば仮想マシンの一覧が表示され、何時にバックアップが始まり何時に終了し、容量の削減効果はどのくらいかなどが一目で確認できるようになりました。また、サーバのバージョンアップやパッチの適用に掛かる手間もほとんどなくなり、トラブルシューティングも容易になりました。感覚的には作業負荷は4分の1から5分の1に減っています」(長谷川氏)

       3つ目は運用スタイルの標準化だ。デル テクノロジーズのサポートを受けながら「どのバックアップをどう取るか」をポリシーとして定義した。これにより専門的な知識がなくても誰でもバックアップ運用ができるようになったため、現在はバックアップ運用の一部を外部にアウトソーシングしているという。

    • 一番の効果は「技術はIT部門の仕事を大きく変える」ことに気付かせてくれたこと

       佐々木氏によると、今後3年間でサーバ60台のバックアップデータをIDPA DP4400を中心とした新しいバックアップ基盤に集約する計画だという。今回の導入によって得られた工数削減率やコストの削減額を算出し、経営層の承認も得られたという。

       「今回の取り組みで実感したのは、技術によって劇的に状況が変わるということです。IDPA DP4400に出会っていなければ今も運用負荷が高いままでしたし、バックアップ基盤を集約するといった発想も生まれなかったと思います。データが削減され、運用負荷が下がることで、仕事の在り方は大きく変わります。それに気付かせてくれたことが一番の成果かもしれません」(佐々木氏)

       このように、IDPA DP4400によって劇的な業務改善効果を実感した阪大微生物病研究会は、今後はレプリケーション機能を活用した災害対策などにも用途を広げる考えだ。また、サーバ基盤についてもハイバーコンバージド環境を構築しながら、標準化や効率化を進めていくという。最後に、佐々木氏と長谷川氏は「それに向けてデル テクノロジーズからも新しい技術の提案や提供を期待しています」と口をそろえた。

    • この記事は TechTarget Japan (http://techtarget.itmedia.co.jp)に2020年3月に掲載されたコンテンツを転載したものです。https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/2003/13/news02.html

  • ご不明な点は
    お気軽にお問合せください
    専門的なアドバイスの提供から複雑な問題の解決まで、お客様を確実にサポートします。