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    教育現場向けのPCとして、Chromebook が注目される理由とその選び方

    • 文部科学省が具体的な方策を公開、安価な端末展開も重要な課題に

      教育現場におけるICT化に向けた動きが、本格化している。文部科学省は2017年12月に「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」を公表していたが、新たに具体的なガイドラインとして「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(最終まとめ)」が、2019年6月に発表されたのだ。

      その中には、新時代に求められる教育、教育現場でICT環境を基盤とした先端技術・教育ビッグデータを活用することの意義、近未来の教育のイメージなどが盛り込まれている。さらに注目したいのは、ICT環境整備について取り組むべき課題も明記されている点だ。

      ここで挙げられている課題は、大きく3つある。1つ目が「先端技術」で、具体的な方策として学校現場における先端技術利活用ガイドラインの策定が挙げられている。2つ目は「教育ビッグデータ」であり、教育データの標準化と学習履歴などの利活用が検討されている。

      そして最後の3つ目が「学校ICT環境」であり、幼稚園・保育園から高等学校までの教育機関に学術情報ネットワーク「SINET」を開放するとともに、安価な端末の展開やクラウド活用の積極的推進が掲げられている。端末については、全国平均5.6人に1台程度(2018年3月時点、文科省、新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(最終まとめ)より)だったものを、5年以内の工程表を示すことで、机や椅子のようにパソコンを配備すること、最終的には生徒一人ひとりに用意されるべきものとして目標が据えられている。

      この目標を達成するために注目が高まっているのが、Chromebook™ である。それではなぜ Chromebook が注目されているのか。海外の教育現場ではどのような状況なのか。そして具体的に、どのような製品を選択すべきなのだろうか。

    • なぜ教育現場で Chromebook が選ばれるのか。米国では既に6割のシェアに

      デル・テクノロジーズ株式会社
      クライアント・ソリューションズ統括本部
      クライアント製品マーケティング本部
      フィールド・マーケティング・マネージャー
      飯塚 祐一氏

      Chromebook とは、Google 開発のオペレーティングシステム「Google Chrome OS™ 」を搭載するノートパソコンの総称。その最大の特徴は、クラウドとの接続を前提に設計されていることだ。そのため低価格化が可能であり、常に最新のソフトウエアにアップデートされる。また起動が高速であることや、データをクラウド上で管理するため端末管理やアカウント管理が容易なことも大きなメリットだといえる。

      「教育向け端末は世界的に見ると多様化する傾向がありますが、米国の状況を見ると Chromebook が約6割を占めています。今後は日本でも米国と同様の流れになっていくと考えられます」と語るのはデルの飯塚 祐一氏だ。

      その理由として飯塚氏は、先に触れた「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(最終まとめ)」にある、デバイス要件に関する記述を挙げる。その具体的な内容は以下の通りだ。

    • 教育用デバイスに対する要件

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      「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(最終まとめ)」に記述されている教育用デバイスへの要件。いくつかの要件が挙げられているが、Chromebook ならこれらをクリアしやすい
    • いくつかの要件が挙げられているが、Chromebook であればこれらをすべてクリアできる。特に注目したいのが、起動やスリープからの復帰時間が15秒以内であること、4~5万円で購入できること、端末管理やアカウント管理が可能なことだ。これらは前述の Chromebook の特徴に合致する。

      また、 Chromebook で使える Google のクラウドサービスの利便性も利用者から高く評価されている。Google は教育機関向けに特化した「G Suite for Education™」を提供。これによって、アクティブラーニングや反転授業、校務の効率化などを実現しやすくなっている。

      既に Chromebook は、複数のベンダーから様々なモデルが提供されている。では実際に製品選定する場合には、どこに注目すべきなのか。それは7つの要件の最後に挙げられている「耐衝撃性能」だ。

    • 「文具のように扱える」ことを目指し堅牢性を徹底的に追求

      この要件を高いレベルでクリアできる製品の1つが、デルが2019年3月に発表した「Dell Chromebook 3100 2-in-1」「Dell Chromebook 3100」「Dell Chromebook 3400」の3モデルである。

       

      デルが2019年3月に発表した教育向けの Chromebook 。これら3モデルに共通するのは「文具のようなIT」を実現するための、極めて高い堅牢性だ
    • 「デルがこれらの製品開発で目指したのは『文具のようなITツール』の実現です。一般的なノートパソコンやタブレットは「精密機器」として扱う必要があるが、教育現場ではこのような製品は適合しません。振り回したり、落としたり、濡れた手で触ったり、外に置きっぱなしにしたりと、子どもたちが端末をどのように扱うかは、大人の予想を常に超えてきます。これに対応するには、一般的な製品をはるかに超えた堅牢性が必要なのです」と飯塚氏は話す。

      そのためこれらの製品は、筐体の縁にゴム素材を採用。落下した場合でもショックを吸収し、本体を保護するようになっている。また、ディスプレーを保護するフレームも、通常はシングルフレームであるところを、あえてダブルフレームを採用し、画面部分を持って本体を振り回しても壊れないようにしている。もちろんディスプレー部分と本体部分をつなぐヒンジの堅牢性も高い。

      そしてその堅牢性を、徹底したテストで検証している点も、注目すべきポイントだ。

      「例えば一般的な落下テストは高さだけが明記されていますが、デルでは床の硬さをいくつか想定して、2つのテストを実施しています。例えば、床をベニヤ板としてテストした場合、約1.2メートルの異なる角度から26回の落下に耐えうる試験を実施しています。さらにMIL規格とは別に教育現場を想定し床をスチール板として約76センチの高さから、異なる角度での落下テストを実施しています」(飯塚氏)

      ノートパソコンをハードに使うとキーボードが壊れ、キーキャップが外れることも少なくないが、これへの対策も行われている。キーキャップを手で外すことのできないような「リテンションキーキャップ」が採用されているのだ。

      これなら子どもたちが自由に使っても、そう簡単には壊れないだろう。だからこそ「文具のように」扱うことが可能なのである。

    • 故障した場合にはデルエンジニアによるオンサイトサポートも可能

      堅牢性という意味では、防滴構造を採用していることも大きなポイントだ。約340mlの液体がキーボード部分にかかっても、本体内を通過することなくキーボード部分の受け皿で遮断するようになっているのだ。受け皿に溜まった液体は、そのまま流すことが可能。これなら理科実験室や技術家庭実習室でも利用できる。

      そして教育現場でニーズの高い背面カメラも用意。利便性にも配慮した設計になっているのだ。

    • Dell Chromebook for Education の特徴

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    • もちろん物理的な機械である以上、壊れることもある。その場合はデルならではのサポート体制が生きてくる。デルは教育用端末でも、企業向けと同様のサポートプランを提供。「デル プロサポート」を採用することで、デルのエンジニアが出張して故障部品を交換するオンサイトサポートを受けられるからだ。教育現場で子どもたちに使ってもらう端末数は膨大な数になるが、このようなサポートがあれば最小限の予備機を用意するだけで、安心して運用できる。

      さらに飯塚氏は「ラインアップに3モデルあることも、デルの特徴です」と付け加える。

      まず標準モデルに位置付けられるのは Dell Chromebook 3100 。一般的なノートパソコンと同様にクラムシェル型となっており、11.6型HD(1366×768ドット)液晶ディスプレーを採用している。

      Dell Chromebook 3100 2-in-1 は、Dell Chromebook 3100 を2-in-1型にしたものであり、ノートパソコンと同様の使い方のほか、タブレットとしても利用可能。カバーガラスにはCorning製「Gorilla Glass NBT」を採用し、引っかき傷が付きにくくなっている。

      そして Dell Chromebook 3400 は、14型フルHD(1920×1080ドット)液晶ディスプレーを搭載したクラムシェル型製品。これは主に教師による利用を視野に入れたものだという。

      「これら3モデルを発表してから、問い合わせの数は以前の10倍になりました」と飯塚氏。私立学校はもちろんのこと、既に様々な自治体の公立校への導入案件も急速に増えているという。このような端末をいかに使いこなしていくかが、今後目指すべき教育の大きな眼目の1つとなるだろう。

    • 新たに追加された、世界初の「Latitude Chromebook Enterprise」の販売開始

      従来の Chromebook とは別に、2019年9月3日にデル法人モデルLatitudeブランドに Chrome OS を搭載したモデルが加わった。教育市場が盛り上がりをみせる中、先生の働き方改革は急務だ。さらに、学習塾、大学生などについても、デバイスとクラウドの利活用など多くの課題を抱えている。こうした課題に対して、解決できるソリューションの1つが、Google とのパートナーシップによる世界初の自社ブランド Chrome Enterprise ソリューションとなる、「Latitude 5400 Chromebook Enterprise」、「Latitude 5300 2-in-1 Chromebook Enterprise」だ。

      最大の特徴は、ファンクションキーやデリートキーの配置。インテル® Core™ i7まで搭載でき、かつ従来のパソコンのように豊富な構成、サービスが選択できることだ。もちろん、クラウドデバイスらしくLTEにも対応している。

      今後、教育の大きな目となる、Chromebook に加えて、Latitude Chromebook Enterprise を加えることで、さらなる選択肢をユーザーに提供することは、今後注目すべきポイントとなるだろう。

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      ※ Chromebook、Google Chrome OS、G Suite for Education は Google LLC の商標です。

    • 日経BP社の許可により、2019年10月15日~ 2020年1月14日掲載 の 日経 xTECH Active Special を再構成したものです。