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    • 日経BP社の許可により、2019年7月30日~ 2019年10月28日掲載 の 日経 xTECH Active Special を再構成したものです。

    クリエイターたちがMacBookではなくモバイルワークステーションを選ぶ理由

    • MacBook Proを持ち歩くも性能面で制約があったモバイルワーク

      既に多くの企業が取り入れ始めている、モバイルデバイスを活用した働き方改革。モバイルデバイスをインターネットに接続し、クラウドサービスなどを活用すれば、どこでもオフィスと同様の環境で作業できるようになる。

      しかしクリエイターやエンジニアは、なかなかその恩恵を受けにくかった。映像制作や3次元CADといったアプリケーションを動かすには、デバイスに非常に大きな負荷がかかるため、モバイルワークで行えることが限られていたのである。

      Maxon Computer Japan
      宮田 敏英氏

      この問題を、最新のモバイルワークステーションで解決しているのが、Maxon Computer Japan(以下、Maxon)の宮田 敏英氏だ。Maxonはドイツを拠点に3次元CGソフトウエア「Cinema 4D」などを提供する企業。Cinema 4Dは映画「ブレードランナー2049」や、ハリウッド版「ゴースト・イン・ザ・シェル」の制作で利用されていることでも知られている。3Dアニメーションが素早く簡単に使えることや、プラグインの豊富さ、他社製品との強力な連携機能などが高く評価され、日本でもユーザーが急増しているという。

      「私は主にCinema 4Dのマーケティングを担当しているのですが、販促のためのビデオやチュートリアル、パンフレットなどの制作を日常的に行っています」と宮田氏は語る。高い処理能力が必要な映像制作は社内のタワー型のワークステーションで作業する一方で、顧客へのデモやサポートなどのために社外で活動するときには、MacBook Proを持ち歩いていたと振り返る。

      しかし、この環境にはいくつかの問題もあった。その1つが、MacBook Proでは一部のプラグインが動かなかったことだ。例えば、Redshift Rendering Technologies社が提供するGPUアクセラレーションレンダラーは、プロフェッショナル向けのGPUが必要になるため、MacBookでは外付けのeGPUを接続する必要がある。しかしeGPUはデスクサイドに置くように設計されており、重量も5kg近くあるため、持ち歩くのは現実的ではなかったという。

      また、購入してから5年が経過し、その間にOSのアップグレードを複数回行った結果、パフォーマンスの劣化も目立ってきたという。「そろそろ新しいマシンにしなければと思っていました。そこで思い切ってMacBook以外の選択肢にも目を向け、モバイルワークを行いやすい環境を整えていくことにしたのです」(宮田氏)。

    • モバイルワークステーションを選択した4つの理由

      こうした観点から宮田氏はパフォーマンスに優れたモバイルワークステーションに注目。最終的に選択したのが「Dell Precision 5500シリーズ」だった。その理由は大きく4点あると宮田氏は説明する。

      第1は持ち運びやすさ。筐体が薄型で持ちやすく、重量も1.8kgを切っている。「一般的なノートPCとほとんど変わりがありません。これなら顧客先や外出先に持ち歩いても大きな負担にはならないと考えました」(宮田氏)。

      第2は最新のプロフェッショナル向けGPUを内蔵できることだ。「その選択肢の1つにはNVIDIA Quadroもあり、これなら処理負荷の大きいレンダリング処理も問題なく動くと考えました」と宮田氏は述べる。

      第3はコストパフォーマンスだ。最新の第8世代インテル Coreシリーズを搭載でき、インテル Core i7やXeon 6コアプロセッサーも選択可能であるにもかかわらず、リーズナブルな価格設定になっている点を評価したという。

      そして第4がサポートである。「MacBookの修理は基本的にショップへの持ち込みが必要になりますが、デルは標準でオンサイト対応もしてくれます。ビジネスで使う場合には、この差は非常に大きいと思います」(宮田氏)。

    • 宮田氏が日常的に持ち歩いているDell Precision 5500シリーズ

      薄型の筐体にワークステーションの処理能力を凝縮、重量は1.8kgを切っている。プロフェッショナル向けGPUを内蔵可能でレンダリング処理にも威力を発揮する

      またCinema 4Dのユーザーの中に、Windows PCやWindowsワークステーションを使っている人が多いことも、採用を後押ししたという。

      「既にWindowsユーザーの割合は、クリエイターの中でも増えてきています。これは、3D CGアニメーションの制作といった負荷の大きいクリエイティブワークを行うには、Windowsのほうが適していると考える方が多くなってきたからではないでしょうか。お客様の中にはクリエイティブワークを社内で行う一方、社外ではWindowsのモバイルPCを使う方も少なくないようです」(宮田氏)

    • 処理性能が大幅に向上、DPOも性能最適化に貢献

      Dell Precision 5500シリーズを使い始めることで、様々な業務がストレスなくこなせるようになったという。

      「GPUとしてNVIDIAを内蔵させたPrecisionにしたことで、Redshiftのレンダリング処理をはじめ、すべてのプラグインが高速に動くようになりました。CPUも現在は6コアのモデルを使っており、体感スピードも格段に向上しています。これならわざわざ会社に戻ることなく、どこででもビデオ編集や3D CGアニメーション制作が行えます。お客様先でデモを行うときも軽快な操作が可能なので、Cinema 4Dの印象もよくなっているのではないでしょうか」(宮田氏)

      パフォーマンス向上に貢献しているのは、スペックの変化だけではない。Dell Precisionシリーズには「Dell Precision Optimizer(DPO)」というソフトウエアが無償提供されている点も大きい。これは、使用するアプリケーションの性能を最大化するために、自動的にマシンの各種設定をコントロールしてくれる機能だ。またDPOのPremium版では、AIによってユーザーごとのアプリケーション使用状況を学習した上で、パフォーマンスを最適化することも可能になっている。

      Dell Precision Optimizer(DPO)の画面例

      パフォーマンスに影響を与える各種設定項目を、アプリケーションの特性に合わせて最適化できる。Premium版ではAIでユーザーごとの使用状況を学習した上で、最適化を行うことも可能だ

      「DPOをONにすることで、レンダリング処理のスピードは17%程度向上します。処理時間の長い3D CGアニメーションのレンダリングでは、この差は業務効率にかなり大きく影響するのです。また、パフォーマンスが安定し、処理完了時間が予測しやすくなるのも大きなメリットだと感じています」(宮田氏)

    • 最新モデルの「Dell Precision 5540」にも大きな期待

      こうしたメリットに加え、このモバイルワークステーションにはもう1つの大きな魅力があると宮田氏は指摘する。

      「それはデザインです。筐体はアルミの削り出しで作られており、非常にシャープで洗練された見栄えになっています。やはりクリエイティブ業務に携わる者としては、デザインにもこだわりたい。また、ディスプレイを開くと、キーボードの周辺がカーボンファイバーの最上級素材でカバーされています。ここがアルミ素材だと手を置いたときに冷たく感じ、寒い時期に使うのがつらいのですが、これなら長時間でも快適に使えます」

      またデルは2019年7月に「Dell Precision 5500シリーズ」の最新モデル「Dell Precision 5540」の販売を開始しているが、この新モデルにも期待をしているという。

    • デルが2019年7月に販売を開始したDell Precision 5540

      最新のプロセッサーとより高性能なGPUを選択できるようになった。またオプションで、AMOLED(有機EL)ディスプレイにすることも可能だ

      「5540はこれまで以上に高性能なNVIDIA Quadro® T2000を選択できるため、Redshiftのレンダラーをさらに高速に動かせるはずです。最近ではお客様と打ち合わせしながらその場でCinema 4Dで映像を作ることも増えていますが、スペックが上がることでこの作業もさらにスムーズになるでしょう。最近のCinema 4Dユーザーの中には映像制作を専門に行うところだけではなく、製品プロモーション部門が自分たちで映像を作ってYouTubeなどに上げ、これをSNSで拡散していくケースも増えています。このようなお客様にはフットワークの軽さを訴求することで、アプローチしやすくなります」(宮田氏)

      宮田氏の活用シーンでも分かるように、「ワークステーションは社内で使うもの」という常識は、既に過去のものになったといえる。軽量かつスタイリッシュ、そしてGPUも内蔵可能なモバイルワークステーションが、手軽な価格帯で入手できる時代となった。これを使えば、オフィスに縛られていたクリエイターやエンジニアも働き方改革を実現することが可能になるだろう。

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