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    PCの標準化で保守時間を4分の1に激減 捻出した時間で研究開発と戦略的IT活用の加速へ

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    • 世界的な「光」関連の電子部品・機器メーカーとして知られる浜松ホトニクス。同社では、PCの調達・保守・運用管理の工数削減を目指し、全社で利用するPCの「標準化」を推進している。いくつかの製品を検討した結果、主力デバイスとして選ばれたのが、デル製PCである。これにより、PCの保守作業が激減し、コア業務に多くの時間と人材を割ける体制を構築。研究開発と戦略的IT活用を加速させつつある。

    • 全社で20以上ものメーカーのPCが混在し、保守作業が煩雑化

      浜松ホトニクス株式会社
      情報ネットワーク室
      グループ長
      河西 良浩

      代表的な取り扱い製品として光電子増倍管やフォトダイオードをはじめとする光検出器のほか半導体レーザやランプ、LEDをはじめとする光源、それらをキーコンポーネントとしたカメラや画像解析装置、光計測装置などがあり、「光」を生かす技術で科学・医学・産業の発展に貢献する浜松ホトニクス。主力製品の1つである、微弱な光を検出する光電子増倍管は世界シェア約90%を誇る。

      また、同社は「健康経営優良法人2019(大規模法人部門)〜ホワイト500〜」に認定されるなど、「健康経営」を積極的に推進していることでも知られる。その考え方は、働き方改革という言葉が注目されるはるか以前、50年以上前から続いており、現在も働きやすい職場環境の創出に取り組んでいるという。

      「働きやすい職場環境を醸成することは、IT活用やPC選定を行う際にも、重要な指針となります。そのため業務に使うPCも、各事業部が自由に選び、調達できるようにしてきました」と同社の河西 良浩氏は述べる。

      ただ、その一方で課題もあった。「現場の要求に沿ってPCを導入してきたことで、全社で20以上ものメーカーのPCが混在していました。それぞれに仕様もサポート窓口も異なるため、故障やトラブルにスピーディーに対応することが困難になっていたのです」と同社の高見 準氏は振り返る。

    • 浜松ホトニクス株式会社
      情報ネットワーク室
      高見 準

      同社のPCの保守体制は大きく3階層で成り立っている。まず製造や研究開発を担当する「現場のエンジニア」が兼任する形で、職場のPCの保守管理などを行う。 次に兼任のエンジニアでは対応できない問題に、各事業部の「情報管理部」が対応。さらにここでも手に負えない故障やトラブルがあった場合は全社の情報系システム全般を統括する「情報ネットワーク室」にエスカレーションする形だ。しかし、これだけ多くのメーカーのPCが混在していると、兼任のエンジニア、情報管理部、情報ネットワーク室で保守・運用管理の負担が増大し、コア業務を圧迫。利用者側である従業員も度重なるPCトラブルで、たびたび業務が寸断されていたという。

      そうした中、Windows 7のサポート終了が2020年1月に迫り、Windows 7ベースで動作している社内の事務用PC約3000台をWindows 10ベースへと移行させることが急務になった。「そこで全社の事務用PCを『標準化』し、PCの調達・保守・運用管理の一元化を目指しました」と河西氏は語る。

    • 高品質サポートと迅速な供給力を評価しデル製PCを採用

      複数メーカーのPCを慎重に比較検討した結果、同社がPC標準機の主力に選んだのがデル製PCである。PC標準機として8機種中、5機種をデル製品の採用を決めた。

       

      具体的にはノートPC「Latitude」とデスクトップPC「OptiPlex」を採用。Latitudeは画面サイズが12インチ、14インチ、16インチの3モデル、OptiPlexは省スペース型とDVD搭載型の2モデルの中から選べるようにした(写真)。「メモリの増強やグラフィックボードの追加などにも対応し、ユーザーが求めるスペックを確保することで、『標準化』と『選択の自由度』の両立を図りました」と河西氏は話す。

      • ※Latitude 7290
      • 浜松ホトニクスが採用した「Latitude」と「OptiPlex」

      • パターン 機種
        ① デスクトップPC(省スペースタイプ1) OptiPlex 3060 MFF
        ② デスクトップPC(省スペースタイプ2)※HDD  
        ③ デスクトップPC(省スペースタイプ2)※SSD  
        ④ デスクトップPC(標準)※HDD OptiPlex 3060 SFF
        ⑤ デスクトップPC(標準)※SSD  
        ⑥ ノートPC1 ※16インチ Latitude 3590
        ⑦ ノートPC2 ※14インチ Latitude 7490
        ⑧ ノートPC3 ※12インチ前後 Latitude 7290
    • 法人向けのデル製PCは、リースまたはレンタルでの提供が可能だ。同社は最新PCをタイムリーに利用できる点を評価しレンタル方式を採用した。

      大きな決め手になったのが、サポート力である。デルのサポートサービスの拠点は、自社運営の川崎本社と宮崎カスタマーセンターだ。約450人の正社員が中心となって顧客の問い合わせに対応する。宮崎カスタマーセンターは2005年11月の開設から培った長年のノウハウに加え、サポートスタッフによる客先訪問活動、各種教育プログラムやベテランスタッフによる勉強会などを実施し、技術力と問題解決力の向上に努めている。

      「サポートセンターが国内にある安心感に加え、オペレーターの対応が丁寧で迅速かつ高品質。技術力の高い人を配置してくれているため、再現性の低い問題でもしっかり対応してくれます。ほかのメーカーでは答えられない問い合わせにも的確なレスポンスが得られます」と高見氏は評価する。

      製品供給能力の高さも大きな選定ポイントになった。「他社と比較し、デルの調達のリードタイムは半分以下で済みます。また大きなロットではなく、数台単位でPCが必要になったときにも、きめ細かく対応してくれるので大変助かります」(高見氏)。

      またいくつかの事業部は以前からデル製PCを標準PCとして利用し、製品の信頼性とサポート品質を高く評価していた。デル製PCを全社のPC標準機に選定する上で、これまでの実績と評価が採用を後押ししたという。

    • PCの標準化で、年間約2万5000時間の保守工数削減にメド

      標準化の対象になるPCは、全社で約3000台だ。そのうち約1000台は従来機を継続利用し、Windows 10へのアップデートで対応する。残り2000台のうち、約1500台をWindows 10搭載のデル製PCに入れ替える計画だ。2018年10月から2019年1月にかけて、約500台のデル製PCを先行導入。今後も順次入れ替えを進めていく。

       

      デル製PCを全社の事務用PCの標準機とする運用が始まったことで、PCの保守・運用管理は大幅に効率化される見込みだ。「まず製品の安定性が高く、故障やトラブルが少ない。そういった問題が発生してもサポートサービスがしっかりしているので、短時間で解決に導いてくれます」と高見氏は話す。

       

      万が一、復旧できなかったとしても、レンタル方式にしたことで、すぐに新しいPCに交換することが可能だ。「デル製PCを全社に展開すれば、年間約2万5000時間かかっていた保守工数を約4分の1まで削減できると期待しています」と河西氏は語る。

       

      PCを利用する従業員の満足度も高い。「製品の安定性・信頼性が高く、サポートサービスも的確でスピーディーだからでしょう。トラブルや故障によって現場の業務がストップすることも少なくなり、兼任の現場エンジニアが対応に割いていた時間も減少しました」(高見氏)。

       

      もちろん情報管理部や情報ネットワーク室にとってもPCの調達・保守・運用管理はコアな業務ではない。情報管理部はPC以外の現場のIT環境もサポートしなければならず、情報ネットワーク室は情報系システム全般の開発や保守を担っている。

       

      最近はAIやIoT、クラウドなど新たなテクノロジーの注目が高まり、情報ネットワーク室に求められる役割も次第に変わってきているという。情報をいかに活用するか。これが重要なミッションになりつつある。「新たなテクノロジーで何ができ、どんなことが可能になるのか。PCの保守・運用管理工数が大幅に減ることで、企画や考えることに、より多くの時間を費やし、新しいことにチャレンジしやすくなる。これこそが、全社PCの標準化による最大のメリットです」と河西氏は強調する。

       

      「デルはグローバルなPC/サーバーベンダーとして、多くの企業のデジタル変革に貢献しています。製品の提供とサポートに加え、先進事例やその中で培ったデルの知見など有意義な情報の提供に期待しています」と河西氏は話す。

       

      デル製PCを主軸に、全社PCの標準化を実現した浜松ホトニクス。今後も同社はPCの調達・保守・運用管理の工数削減効果を価値に変え、積極的なIT活用戦略で、さらなる成長を目指す構えだ。

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    • 日経BP社の許可により、2019年4月23日~ 2019年6月11日掲載 の 日経 xTECH Special を再構成したものです。