• 装飾

    「高レベルの容量効率で高性能なストレージ」を低コストで実現するには

    ファイルサーバやNASによるデータ管理には運用性や拡張性の面で課題が多い上、データの活用もしにくい。運用管理に手間が掛からず、かつ容量効率と性能、拡張性を解決する手段はないものか。

    • 爆発的に増え続ける非構造データと管理の課題

      IoT(モノのインターネット)、画像認識、音声認識など、最近は、膨大な量の非構造化データを扱うシーンがある。非構造化データは一般的なリレーショナルデータベースでは扱いにくいため、ワークステーションのローカルストレージか従来型のファイルサーバやNASに格納するのが一般的であった。

       一般にファイルサーバやNASは、ある程度のストレージ容量を確保し、それらを切り分けて使う製品だ。容量を増やす場合はディスクやサーバを増設すればよい。だが増設すれば管理対象が増えるため、どのデータがどこに格納されているのかが分かりにくくなる。また、ワークロードごとにドライブを割り当てるため、ディスク使用率にばらつきが生じ、非効率である。さらに、拡張できるのはたいていディスク容量のみで、性能を上げることは難しい。

       拡張の作業にも大きな課題がある。一般的には、ディスクを増設するためには一度停止させる必要がある。小規模であればシビアに考える必要もないだろう。だが、規模が大きくなれば、各部門と調整が必要な場合もある。どのデータをどこに格納しているのかを正確に把握する必要もある。

       耐障害性も重要だ。一般的なファイルサーバやNASは、RAID技術を用いてディスクの障害に備える。ただ「RAID 6」であっても最大で2台のディスクの同時障害までしか対応できず、データ復旧は管理者が手作業で実施する必要がある。復旧作業中もデータアクセスは可能だが、パフォーマンスが低下する恐れもある。

       こうした旧来のファイルサーバやNASが抱える課題を解消し、データ活用を推進するために有用な手段となるのが、スケールアウトNAS「Dell EMC Isilon」シリーズ(以降、Isilon)である。

    • Dell EMC Isilon H5600

    • 拡張性と効率に優れた最先端のスケールアウトNAS

      Dell EMC 吉武 茂氏

      Isilonは、現代のファイルストレージに必要な「容量効率と拡張性」「耐障害性」「性能」「マルチプロトコル対応」といった点に優れ、シンプルに運用できるスケールアウトNASである。従来のNASとは大きく異なる特徴を幾つも実装している。

      一般的なNASは、ボリュームを追加するたびに管理対象が増える。利用率も不均衡になりがちで効率が悪く、物理ディスクの60%も使えればよい方だ。最適化するには煩雑な作業が必要で時間もかかる。Dell EMCの吉武 茂氏(UDS事業本部 事業推進部 シニア 市場開発担当マネージャー)はIsilonの機能性について次のように説明する。

       「Isilonは、クラスタ全体を1つのボリュームとして扱う技術を採用しています。ノードを追加するたびにボリューム全体が拡張され、データは自動的に再配置されるため、最適化の作業は不要です。ダウンタイムも発生せず作業は1分以内に自動で完了します。平均的な利用率は物理ディスクの80%以上にも達します。『SmartPools』といった自動階層化機能も実装しており、クラウドストレージを活用した階層化も実現可能です」(吉武氏)

       Isilonは耐障害性も高い。ディスクの許容障害数やノードの許容障害数がそれぞれ決められており、設定により最大4重障害まで許容できる。縮退運転時には負荷を均等に分散させてパフォーマンスの劣化を最小限に食い止める。一般的なNASにありがちな物理ディスクベースのホットスペアとは異なり、Isilonは空き領域をスペアとして利用可能な「バーチャルホットスペア」技術を用いている。つまり空き容量がある限り修復し続けられる。

    • 容量効率と拡張性において、一般的なNASとIsilonを比較した場合

    • 拡張性というとストレージ容量ばかりが注目されがちだが、Isilonは性能も同時に拡張できる。一般的なNASの場合、同一システムでNASコントローラー自体を増設できないため、ディスク容量を増やしても性能が増強されることはない。性能を向上させるには、上位モデルのコントローラーに切り替えることになる。その場合はアクセスパスの変更やデータ移行が必要になるため、高コストになりがちだ。Isilonは、NASコントローラーとディスクが一体化し、ノードを追加するたびにクラスタの性能が向上する。ノード自体に数種類のモデルがあり、利用目的に応じて性能重視のモデルを増強したり、容量重視のモデルを混在させたりもできる。

    • Isilonの性能向上を示すグラフ

    • データ活用という点ではマルチプロトコル対応にも注目したい。一般的なNASは、「SMB」(Server Message Block)や「NFS」(Network File System)、「FTP」(File Transfer Protocol)のみの対応にとどまっているのが大半だ。Isilonは「SMB」「NFS」「FTP」の他、「HDFS」(Hadoop Distributed File System)、「OpenStack Swift」「REST」(REpresentational State Transfer)など幅広いプロトコルに対応し、さまざまなアプリケーションから利用しやすいという利点がある。

       運用面では無償の管理ツール「InsightIQ」が提供されている。運用開始時点からの性能情報やファイル情報などを確認したり、容量予測を把握したりできる他、クライアントの接続状況までも可視化する。小規模な管理体制であっても、運用工数を削減し、万全なデータ管理を実現できるというわけだ。

    • さまざまなプロトコルに対応するIsilon

    • 最先端のビジネスを支える最新のIsilon

      Dell EMC 矢ヶ部 謙一氏

      Isilonはさまざまなアップデートが施され、データ活用を推進したい企業にとって、ますます見逃せないNASへと進化し続けている。バージョンアップされたストレージOS「OneFS 8.2」と新モデル「Isilon H5600」によって、これまで以上のスケーラビリティとデータセキュリティ、そして今後の企業にとって重要なクラウド連携が強化されている。

      Dell EMCの矢ヶ部 謙一氏(UDS事業本部 SE部 アドバイザリーシステムエンジニア)は「OneFS 8.2はクラスタ容量が最大1.75倍に増強されました。従来は1クラスタ当たり最大144ノードでしたが、最大252ノードまで拡張されたためです。クラスタ全体で最大58PB、1580万IOPS、トータルスループットは毎秒945GBまで増強することが可能です」と説明する。

       これまでも、Isilonはクラウド連携機能が注目されてきたが、「Amazon Web Services」や「Microsoft Azure」に加え、新たに「Google Cloud Platform」や「Alibaba Cloud」などにも対応した。これにより、クラウド階層化の拡張を幅広い環境で実現できるようになった。スナップショットの取得やクオータ管理の他、容量使用状況レポートもIsilonで確認できる。

       データ活用で最も重要なセキュリティもアップデートされている。特に暗号化は強化ポイントの一つで、Hadoopで扱う「HDFS TDE」やWindowsで標準的に利用される「SMB 3」の暗号化に対応した他、遠隔暗号化バックアップを実現する「Isilon SyncIQ暗号化」機能を搭載した。また、ロールベースのアクセス制御機能「RBAC」(ロールベースアクセス制御)も強化し、論理的に分割したアクセスゾーンごとにロールを指定できるようになった。これにより、共同利用がより安全なものになった。

       バックアップ機能も強化され、「NDMP Data Backup Option」としてファイバーチャネルのインタフェースを追加できるようになった。コンプライアンスの事情などでテープライブラリなどが必須の組織にとって、NASから直接バックアップを取得できるのは利便性が高い。

       ハードウェアのアップデートも見逃せない。Isilon H5600は、「高密度」「大容量」「高性能」を実現したバランスの良い筐体だ。

       「自動車産業やIT産業、ライフサイエンス、エンターテインメントなど先端技術を扱う事業者は、シミュレーションデータや画像、映像などサイズの大きい非構造データを大量に扱い、しかも頻繁に生成、更新します。こうしたビジネスでは、密度や容量、性能だけでなく低コストで実現しなければなりません。当社は、こうした企業の要望を積極的に取り入れながら、Isilon H5600を開発しました」(矢ヶ部氏)

       既存モデルと同様の4U筐体に4ノードを搭載し、最大で80基の10TB SATAドライブを搭載できる。パフォーマンスに優れたインテル「Xeon」プロセッサと256GBのメモリ、2基の40ギガビットイーサネット(GbE)クラスインターコネクトを搭載し、ファイルサービス用には40GbEもしくは10GbEを2ポート装備できる。安価なアーカイブモデルのIsilon A2000と同等の容量を実現しながら、パフォーマンスにも優れたモデルだ。

       Dell EMCは“データは資産である”と捉え、データを管理、活用するための幅広いストレージ製品を開発する。その中でもIsilonは真のスケールアウトNASであり、最新のOneFS 8.2を搭載したIsilon H5600は、最先端のビジネスを支えるストレージシステムと言えるだろう。

    • この記事は TechTarget Japan (http://techtarget.itmedia.co.jp)に2019年6月に掲載されたコンテンツを転載したものです。https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1906/27/news01.html