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    スペシャリストが明かした、本当に必要なデータ保護の在り方とその道しるべ

    データ資産とその活用が今後のビジネスを左右するといわれる今、データをどのように保護し、管理するかが喫緊の課題だ。業界のスペシャリストが、企業が抱えるデータ保護の実態とあるべき姿に近づくヒントを解説した。

    • 日本企業が抱えるデータ保護の課題

      2019年5月29日、ヒルトン東京(東京・新宿)でDell EMC主催のセミナー「Dell EMC データ保護Power Breakfast」が開催された。

      EMCジャパン 西頼大樹氏

      セミナーの冒頭に登壇したEMCジャパンの西頼大樹氏(DPS事業本部 シニア ビジネス ディベロップメント マネジャー)は、同社が世界18カ国、11業種にわたる従業員250人以上の公的機関および一般企業のIT意思決定権者2200人を対象にしたアンケート調査の結果を紹介し、企業が抱えるデータ保護の課題を次のように説明した。

      「調査対象となった日本企業のうち、48%が『次々と出現する新しいテクノロジーに対応できるデータ保護ソリューションが不足している』と回答しています。この傾向は、海外の企業より日本企業の方が顕著に表れています」(西頼氏)

    • データ保護を取り巻く日本企業の課題

    • かつて企業におけるデータバックアップの対象といえば、リレーショナルデータベースとファイルが大半を占めていた。しかし今、バックアップ対象となるシステムやアプリケーションの種類は、NoSQLやHadoop、仮想化イメージ、コンテナなど多種多様で、データが発生する場所もエッジやオンプレミス、クラウドとさまざまだ。

       次世代のデータ基盤やアプリケーションで発生する大量のデータを確実かつ効率的に保護するには、旧来のバックアップ/リストア製品は必ずしも十分とは言えない。先ほど紹介したユーザー調査の結果は、このことを如実に表しているといえるだろう。

    • データを価値あるものに――バックアップデータに対する新たな活用ニーズ

      Dell EMCは、新たなテクノロジーをいち早くキャッチアップし、次世代アプリケーションに対応したデータ保護ソリューションをタイムリーに提供してきた。「Dell EMC Data Domain」(以下、Data Domain)「Dell EMC Avamar」といった業界を代表するバックアップ製品はその一例だ。例えばData Domainのオプション機能である「DD Boost」は2017年にHadoopに対応し、2018年には各種NoSQLデータベースを支えるLinuxディストリビューションにも対応した。ただ将来的には、より広範なNoSQLデータベース製品やSaaS、コンテナ製品などへの対応も取り組む必要がある。

       今後も既存バックアップ製品の機能を強化する方針だが、Dell EMCは時代の変化とその速度を考え、一方で全く別のバックアップ製品戦略も進めてきたという。

       「Dell EMCは、これまで新たな技術が登場するたびに既存製品の機能を拡張してきましたが、一方で新技術に柔軟かつ素早く対応できるソフトウェアベースのバックアップ製品を開発する道も模索してきました。そこで、既存製品と競合するものではなく、新しい時代とマッチする全く新しいデータプラットフォームという選択肢を提供する決断に至ったのです」(西頼氏)

    • 日本企業が抱えるデータ保護の課題

      Dell EMC ヤン・チー・ワイ氏

      続いて登壇したDell EMCのヤン・チー・ワイ(Yeong Chee Wai)氏(データプロテクション部門 APJプリセールス統括ディレクター)も、新たなアーキテクチャを持つバックアップ製品の必要性を別の観点から力説する。

      「バックアップデータは、いざというときのデータ復旧のためだけに保管されてきましたが、今や多くのユーザーはデータに分析処理を施したり、開発やテストに利用したりすることで、ビジネス的な価値を引き出したいと考えています。これに伴ってバックアップ製品にも、今までにはない機能が求められています」(ヤン氏)

       ヤン氏によれば、新時代のバックアップ製品には、より高いレベルのスケーラビリティが求められるという。ここでいうスケーラビリティとは「ディスク容量の拡張性(スケールアップ)」だけでなく、同時にデータの処理能力を柔軟に拡張(スケールアウト)できることを指す。ストレージ容量とデータ処理能力の双方のスケーラビリティによって、初めてデータを価値に変えるための環境が整う。

       さまざまな種類のアプリケーションが利用されるようになるにつれ、それぞれのアプリケーションオーナー、すなわちアプリケーションのユーザーである従業員が「自らの手でバックアップをコントロールしたい」というニーズも高まっている。

       「アプリケーションオーナーの多くが、好きなタイミングでバックアップしたいと考えています。同時に、新たにバックアップ専用ツールの使い方を学びたくないという声もあります」(ヤン氏)

       こうしたニーズに応えるには、アプリケーションオーナーが普段使い慣れたツールを使い、バックアップできる仕組みが必要だ。だが、アプリケーションやデータを使う現場の利便性が向上する半面、システム全体のガバナンスやセキュリティが犠牲になる危険性がある。

       アプリケーションオーナーにバックアップの裁量を渡すと同時に、IT部門がインフラ全体のデータ保護の状態を一元的に監視できる手だてが必要だ。これからのバックアップ製品には、相反するように見える2つの要件を高いレベルで両立できる機能が求められている。

    • 次世代型データ保護・管理プラットフォーム「Dell EMC PowerProtect」

      「Dell EMC PowerProtect」(以下、PowerProtect)は、上述のニーズを満たすために新たに開発された新製品だ。2019年4月29日から5月2日にかけて米ラスベガスで開催された「Dell Technologies World 2019」で発表され、注目を集めている。

       PowerProtectは、Dell EMCが提供してきた製品とは全く別ラインの、完全に新しいバックアップ製品だ。Data Domainなど以前から提供するバックアップストレージと組み合わせて利用できるソフトウェア製品「PowerProtect Software」と、あらかじめハードウェアとセットアップされた状態で提供されるコンバージド型アプライアンス製品「PowerProtect X400」という2つの形態で提供される。

       最大の特長は、柔軟なスケーラビリティにある。PowerProtect X400は、1台の筐体ごとに容量を64~96TBまでスケールアップできると同時に、筐体を追加するスケールアウトによって処理性能もリニアに向上できるデータ保護専用ハイパーコンバージドアプライアンスだ。ストレージ構成は、全てをSSDで構成する「オールフラッシュモデル」と、HDDとSSDを混在させた「ハイブリッドモデル」があり、ユーザーの要件に応じて選べる。

    • PowerProtectのストレージ容量と処理性能のスケーラビリティ

    • さまざまなアプリケーションと連携し、各アプリケーションの管理ツールを介してPowerProtectのバックアップ処理を制御できる。アプリケーションオーナーにセルフサービス型の利便性を提供すると同時に、IT部門によるインフラ全体の一括管理とガバナンスをサポートする機能も備える。インフラ全体で共通のデータ保護ポリシーが適用されているかどうかを常時監視し、適用されていなければ強制的に対処できる。

       SaaS型で提供されるPowerProtectの管理コンソールを通じてアプライアンスの使用状況を可視化したり、機械学習技術をベースにデータ配置やパフォーマンスを自動的に最適化したり、将来必要となるストレージのキャパシティーを予測したりする機能も提供する。

       こうした機能は全て、既存のバックアップ製品の延長線上ではなく、最新のソフトウェア技術を使って一から設計し、開発したからこそ実現したものだ。ヤン氏は、PowerProtectは今後も進化を続けると言う。

       「PowerProtectはマイクロサービスの設計思想を採用し、新機能をアジャイル的に追加できます。こうした強みを生かして、今後も継続的に現れる新しいテクノロジーに対応したデータ保護機能を素早く実装し、お客さまに届けていきたいと考えています」(ヤン氏)

       Dell EMCは、従来のポートフォリオへの投資と並行して、PowerProtectという全く新しい枠組みの製品を拡充する道を選択した。これによって、企業のデータ保護を全面的にサポートしつつ、データを価値に変えるために必要な環境も提供できる。データ経営時代を歩む上で心強いパートナーだ。

    • Dell EMCが提供する新しいデータ保護製品のポートフォリオ

    • この記事は TechTarget Japan (http://techtarget.itmedia.co.jp)に2019年6月に掲載されたコンテンツを転載したものです。https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1906/25/news01.html