• 装飾

    カビの生えたデータ管理手法で企業は成長できない――脱却するための2つの方法

    クラウドを含めたあらゆる場所にデータが散在する、データの種類や量も膨大、データ保護の対策も必要だ――課題を乗り越え、データから価値を生むための環境を整える方法が誕生した。データ経営時代に、他社と差をつけるための鍵とは。

    • 最新のデータ保護・管理ニーズに応える「Dell EMC PowerProtect」

      企業にとって重要な取り組みとなるデータの保護や管理。データの質、量ともに膨れ上がり、セキュリティリスクが高まる一方で、従来通りのやり方で十分な対応ができないのは明らかだ。

      こうした課題に真正面から立ち向かっているのが、長らく世界のストレージとデータ保護市場をリードしてきたDell EMCだ。同社が提供するデータ保護製品「Dell EMC Data Domain」(以下、Data Domain)「Dell EMC Avamar」は、データ保護とバックアップ製品市場においてデファクトスタンダードの地位を占める。それでもユーザーが直面するデータ保護や管理の課題を解決するためには新たなアプローチが必要だった。

      Dell EMC トリッチー・プレムクマー氏

      Dell EMCのトリッチー・プレムクマー(Trichy Premkumar)氏(Principal Systems Engineer)は、新たなアプローチの鍵を握るのは「多次元の拡張性」「ソフトウェア定義(Software Defined)」という2つのコンセプトだという。

      「これからのデータ保護および管理のニーズを満たすには、スケールアップとスケールアウトを同時に実現する多次元の拡張性が求められます。ユーザーが求める導入や運用の要件に柔軟に対応できるよう、『Software Defined』であることも重要です」(プレムクマー氏)

      2つの主要コンセプトの下、同社が一から開発したのが、2019年5月に発表されたばかりの新製品「Dell EMC PowerProtect」(以下、PowerProtect)だ。多次元の拡張性とSoftware Definedを掲げて開発されたこの製品は、ソフトウェア製品「PowerProtect Software」とアプライアンス製品「Dell EMC PowerProtect X400」(以下、PowerProtect X400)という2つの製品群を持つ。

      前者は、これまでDell EMCが提供してきたData Domainのハードウェアと組み合わせて利用できるため、旧製品に対する投資を無駄にせず、最小限の投資で新製品へとステップアップできる。後者は、PowerProtect Softwareを専用ハードウェアにセットアップして提供する、いわゆるコンバージド型アプライアンスだ。

      ユーザーは、ニーズに応じてソフトウェア、ハードウェアなど、異なる提供形態から自社にマッチしたものを選べる。

    • ソフトウェアによって多彩な機能を実現

      ソフトウェアとしてのPowerProtectには、ユーザーが今日のデータ保護の課題に柔軟に対応できるよう、さまざまな工夫が凝らされている。例えば「パブリッククラウドサービスとの連携機能」もその一つだ。

      PowerProtectには「Cloud Tier」と呼ばれる機能が標準装備されており、同製品に保管されるバックアップデータの中で長期間にわたって保管されたものを自動的にパブリッククラウドのストレージサービスに移行し、アーカイブデータとして保管する。

      PowerProtectとパブリッククラウドサービスを組み合わせることで、DR(災害対策)の備えを強化するという活用も可能だ。PowerProtectに保管した仮想マシンのイメージファイルをパブリッククラウドのDRサイトにコピーし、本番データセンターが何らかの問題でダウンしてしまった場合に、DRサイトにコピーしてあった仮想マシンをパブリッククラウド側の形式に合わせて起動して事業を継続させる。

      「セルフサービス」機能も特筆すべき要素だ。ここでいうセルフサービスは、アプリケーションのユーザーが、システム管理者にわざわざ依頼することなく、使い慣れた管理ツールを介して好きなときにデータのデータバックアップを取れることを指す。プレムクマー氏によれば、こうしたニーズは近年急速に高まっている。

      「クラウドサービスの利用が増え、データがさまざまな場所に散在するようになると、システム管理者が社内の全てのデータのバックアップを集中管理するというやり方は現実的ではなくなっていくでしょう。アプリケーションのユーザーにバックアップの権限を適切に移譲する必要があります。PowerProtectなら、現場のユーザーが使い慣れたアプリケーションの管理ツールを通してバックアップを管理できるため、作業分担がスムーズに運びます」(プレムクマー氏)

      例えば「Oracle Database」のユーザーは使い慣れたRMANユーティリティーを使ってPowerProtectのデータのバックアップを管理でき、「Microsoft SQL Server」のユーザーが普段使っているSQL Server Management Studio(SSMS)を使ってバックアップを制御できる。

      ただし、現場担当者に全ての作業を任せてしまうと、場合によっては社内のデータ管理のガバナンスが低下する恐れもある。PowerProtectは、アプリケーションや対象データごとにバックアップ頻度や保持期間をはじめとしたポリシーを設定し、自動的に強制適用させられる。これにより現場にバックアップ権限を委譲しつつも、データ保護や管理のポリシーを抜け漏れなく適用し、ガバナンスやセキュリティレベルを確保できる。

    • クラウドでAI技術を活用しながら利用状況を集中管理

      PowerProtectのソフトウェアは、マイクロサービスアーキテクチャに基づいて設計されているため、新たな機能を素早く柔軟に追加できることも特長だ。またDell EMCは、PowerProtectのソフトウェア開発にアジャイル開発手法を採用し、今後新たな技術が登場した際にも、対応する新機能を素早く開発、実装しユーザーに提供できるという。

      PowerProtect自体を管理する機能は、SaaS型のクラウドアプリケーションで提供される。管理者は、SaaSアプリケーションが提供する管理コンソール画面を通じて、PowerProtectが実施するバックアップ処理のパフォーマンスやストレージの利用状況などを一望できる。それだけでなく、自社の稼働パフォーマンスや利用状況が全ユーザーの平均値と比べて、優れているのか劣っているのかを可視化するという。

      「世界中のPowerProtectユーザーから収集したデータを基にベンチマークを取っており、その平均値と比べて自社のPowerProtectのパフォーマンスが高いのか低いのかを判断できます」(プレムクマー氏)

    • PowerProtectの管理コンソール画面
    • 加えて、AI(人工知能)技術を活用することで、PowerProtectの未来の利用状況まで予測できるという。例えば、ディスクの利用状況を過去からさかのぼって分析し、「半年後にディスク領域が枯渇する」といったような警告メッセージを管理者に自動的に通知できる。プレクマー氏は、これらの情報を基に、将来の利用計画や投資計画を適切に立てられるようになると話す。

      Dell EMC トニー・レオン氏

      Dell EMCのトニー・レオン(Tony Leung)氏(Advisory Technical Architect)によると、PowerProtectには他にもAI技術を使った機能が搭載される。

      「PowerProtectを搭載したコンバージド型アプライアンスであるPowerProtect X400は複数のノードでクラスタを構成できますが、ユーザーがどのノードにアクセスすれば最もパフォーマンスが出るかをAIが自動的に判断して、適切なロードバランシングを図ります。ただしユーザーは、全てのノードに対して単一のネームスペースでアクセスでき、AIによる最適化処理は全て透過的に行われます」(レオン氏)

    • スケールアップとスケールアウトの「多次元」で拡張可能

      ソフトウェアと専用ハードウェアがセットアップされた状態で提供されるアプライアンス製品「PowerProtect X400」は、スケールアップとスケールアウトの双方が可能で、極めて高い拡張性を誇るという。

      「PowerProtect X400には、ディスク領域が全てSSDで構成された『オールフラッシュ』モデルと、SSDとHDDが混在した『ハイブリッド』モデルがあります。オールフラッシュモデルは1台のノード当たり最小で64TB、最大で112TBまでストレージ容量をスケールアップできます。その上でノードを最大4台まで増やすことで、最大448TBまでスケールアウトできます。追加ノードにはディスクだけでなくCPUやメモリも搭載されているので、容量だけでなく処理性能もリニアにスケールできるのが大きな特徴です」(レオン氏)

      ハイブリッドモデルは、1ノード当たり64~96TBまでスケールアップ可能で、ノード数を4台まで増やした場合は合計384TBまで拡張できる。これらの数値はあくまでも実効容量だ。PowerProtectにはData Domain譲りの高効率なデータ圧縮・重複排除技術が採用されるため、アプリケーションが利用できる論理容量はこれよりはるかに大きくなる。オールフラッシュモデルの場合は、最大で22.4PB程度まで利用できるという。

    • PowerProtectの多次元の拡張性
    • 2019年内には、ノードを最大10台まで追加できる機能が加わる予定で、実現すればさらに高い拡張性を備えることになる。同時に、冗長性や可用性の面でも万全の備えを講じているのが同製品の強みだとレオン氏は述べる。

      「コントローラーノードの内部構造は完全に冗長化され、データを保管するノードもクラスタ内で同時に2台壊れても処理を続行できるよう設計されています。導入や運用のしやすさにも配慮しています。導入に必要な作業は最低限のネットワーク設定のみで、運用フェーズでのソフトウェアアップグレードの自動化なども計画されており、最小限の手間で運用できるアプライアンスになります」(レオン氏)

      今後もDell EMCは、常に最新の技術トレンドやユーザーニーズに対応できるよう、継続的にPowerProtectの機能強化を進めるとしている。今後IBM Db2、SAP ERPといったアプリケーションへの対応の他、Office 365のようなSaaSやハイパーコンバージドインフラ(HCI)の代表製品「Nutanix」の仮想化ハイパーバイザー「Acropolis」への対応も予定しているという。

      単なるバックアップ製品の枠を超えた広範なデータ管理機能を備えるPowerProtect。企業が今後データ活用を強化する上で頼もしい味方になってくれそうだ。

    • この記事は TechTarget Japan (http://techtarget.itmedia.co.jp)に2019年6月に掲載されたコンテンツを転載したものです。https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1906/25/news02.html