• ストレージ基盤の性能が約7倍向上3Dアニメーション製作の効率化にDell EMC Isilonが貢献

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    • お客様名

      東映アニメーション株式会社

    • 業種

      映像制作

    • 導入製品

      Dell EMC Isilon H500、
      Dell EMC Isilon A200

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    • 「年々加速する作品の大容量化に対応していく上でも、
      働き方改革のための生産性向上を進めていく上でも、
      ストレージ基盤が果たす役割は非常に大きい。
      アイシロンはその期待にしっかりと応えてくれています。
      今後はクラウド連携などの機能も活用していきたいですね」

      東映アニメーション株式会社
      製作本部 デジタル映像部
      テクノロジー開発推進室 課長
      兼 経営管理本部 情報システム部 課長
      山下 浩輔 氏

  • ■ 課題

     

    3Dアニメーション製作用ストレージの再構築に着手

     

    1956年の会社創立以来、60年以上にわたり数々のアニメ作品を世に送り出し続けてきた東映アニメーション。これまでに製作してきた作品の本数は、実に劇場版242本、テレビ作品222本、総話数にして12,683本にも上る(2019年3月末現在)。その歩みは、まさに日本アニメの歴史と言っても過言ではない。2017年には、創業の地である東京・大泉学園に新アニメーション製作スタジオ「大泉スタジオ」を新たにオープン。ここにはミュージアムも併設され、連日多くのファンで賑わっている。

    同社 製作本部 デジタル映像部 テクノロジー開発推進室 課長 兼 経営管理本部 情報システム部課長 山下 浩輔氏は「近年ではアニメーション業界でも一段と業務のIT化が進んでおり、企画から製作、納品までのプロセスで一切紙を使わない、フルデジタル作画化も進んでいます。製作業務を支援する我々としても、現場が快適に業務をこなせるよう、積極的な改善提案を行っています」と語る。

    特に最近では、4KやHDRなどの新しい映像技術も次々と登場している。これに伴って、作品の規模や容量も年々増大。山下氏は「数年前には、一作品あたりのファイル数が100万ファイルを超えると、ちょっと多すぎではないかと話していたものです。ところが現在の作品では、1000万ファイルを突破することも珍しくない。データ容量についても、以前の約50TBから約150TBへと3倍に増えています」と語る。

    また、同社 製作本部 デジタル映像部 プロダクションマネージメント室 課長代理 兼 プロデューサー 野島 淳志氏も「大泉スタジオへの移転後は、デジタル映像部も120席規模から200席規模へと大幅に増えました。しかも、働き方改革の一環として、短時間で効率よく業務を行うことも求められています。こうした変化に対応していく上でも、ハイパフォーマンスな製作環境が欠かせません」と語る。

    こうした中、今回実施されたのが、3Dアニメーション製作に用いられるストレージ基盤の再構築である。山下氏はその背景を「旧ストレージが更新時期を迎えたことが直接のきっかけです。ただ、大泉スタジオではネットワークも10Gに強化されましたし、今後の作品数増加に耐えられるだけの性能や容量も確保したい。そこで、より最適なストレージ基盤を構築したいと考えました」と説明する。

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    • 東映アニメーション株式会社
      製作本部 デジタル映像部
      プロダクションマネージメント室
      課長代理 兼 プロデューサー
      野島 淳志 氏

  • ■ 解決のアプローチ

     

    優れたパフォーマンスを評価し、新型Isilonを採用

     

    新ストレージの選定にあたり、同社ではまず綿密な事前検証に着手。ベンダー各社から借り受けた評価機を実際の製作環境に設置し、作品の実データを用いた性能テストを実施した。

    その結果採用されたのが、Dell EMCのスケールアウトNAS「Dell EMCアイシロン」(以下、アイシロン)である。「元々旧環境でもアイシロンを利用していましたが、今回評価した『Dell EMC Isilon H500』と『Dell EMC Isilon A200』は、以前の機種と比較しても約6〜7倍の性能が出ていました。これは凄いと感じましたね」と山下氏は語る。ちなみに、候補に挙がったある他社製品は、全てのテストパターンでアイシロンに性能が及ばず。また、別の製品も、大量の少容量ファイルを読み込む処理でアイシロンに完敗という結果に。まさに文句なしのトップ評価であった。

    同社 製作本部 デジタル映像部 テクノロジー開発推進室 システムアドミニストレーター 都築 勲氏は「こうしたパフォーマンスの高さに加えて、アイシロンには重複排除などの3Dアニメーション製作に適した機能が備わっています。作品規模が大きくなると、データ容量をどう抑えるかが重要な課題になってきますので、この点も決め手になりました」と語る。

    また、アイシロンを採用することで、大量のデータ移行をスムーズに進められるというメリットもあった。「ストレージ導入を行っている最中にも作品の製作は続いていますので、現場のデザイナーの作業を止めてしまうわけにはいきません。その点、アイシロンなら、稼働中の環境に新しいノードを追加し、データ移行後に旧ノードを撤去するだけで移行が完了します。おかげで、今回はユーザーに全く気付かれることなく、無停止で新ストレージへの移行が行えました。作品製作のマネジメントを行う立場としても、非常に助かりましたね」と野島氏は語る。

    なお、今回のアイシロン提案は、旧環境に引き続きテクマトリックス(株)が担当。都築氏は「テクマトリックスは高い技術力と手厚いサポート体制を有していますので、パートナーとして非常に安心感が高い。今回の導入では原因不明のトラブルにも直面しましたが、テクマトリックスの支援のおかげで、無事アイシロン以外の問題であることが究明できました」と高く評価する。

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    • 東映アニメーション株式会社
      製作本部 デジタル映像部
      テクノロジー開発推進室
      システムアドミニストレーター
      都築 勲 氏

  • ■ 成果

     

    業務効率化や働き方改革に寄与。クラウド/AIの活用も視野に

     

    システム構築面での工夫としては、製作業務に携わるデザイナーはH500、レンダリングサーバーはA200と、使用するストレージをあえて分けている点が挙げられる。「レンダリング作業を行う際には、約200台のサーバーが一斉にストレージにアクセスします。同じストレージを使うとデザイナー側の作業に影響が生じるおそれがありますので、あえて両者のアクセス先を分けてあります」と野島氏は説明する。

    H500/A200による新ストレージ基盤は、2019年6月より本番稼働を開始しているが、これにより同社の業務にも様々なメリットが生まれている。「まず一点目はパフォーマンスの大幅な改善です。旧環境ではピーク時のスループットが約12Gpsでしたが、先日チェックしてみたところ約85Gpbsと7倍以上にアップしていました。ストレージの性能強化が図れたことで、レンダリング時間の短縮なども図れると見込んでいます」と山下氏。同じ作業をより短時間でこなせるようになれば、働き方改革の取り組みにも大きな効果が期待できる。

    また、都築氏も「ストレージの容量不足が解消された点も大きいですね。旧環境では空き容量が逼迫してきており、ユーザーに不要なファイルを消してもらうなどの対応が必要でした。しかし現在では、H500/A200合わせて約1.5PBの容量を確保。重複排除機能の活用により、約30%程度の容量削減も図れていますので、デザイナーにも製作作業に集中してもらえます」と語る。

    今回のストレージ更新と並行して進めていたNetflixオリジナルアニメシリーズ「聖闘士星矢:Knights of the Zodiac」の製作でも、大きな効果があったとのこと。野島氏は「この作品はフル3D CG作品なのでデータ容量も非常に大きい。全話分作り終わる前にストレージが一杯になったらどうしようかと心配していたのですが、H500/A200を導入したことで無事乗り切ることができました」とにこやかに語る。


    「聖闘士星矢: Knights of the Zodiac」
    NETFLIXにて2019年7月19日(金)独占配信スタート
    © Masami Kurumada / Toei Animation

    このように性能・容量を改善できた一方で、ラックスペースを以前の約1/3に削減するなど、大幅な省スペース/省電力化も実現。山下氏は「運用管理ツールの『InsightIQ』を活用することで、IT部門の業務負担軽減も図れています。かつてはストレージ利用状況調査に約6時間程度掛かっていましたが、現在ではあっという間に終わります」と語る。

    さらに、将来的には、クラウドやAIの活用も推進していく考えだ。「会社の重要資産である作品データを確実に保護するという面でも、働き方改革をさらに進めていくという面でも、クラウドの活用は避けて通れません。そこで、アイシロンのクラウド連携機能である『CloudPools』の導入も検討中です。また、当社には60年分の作品が蓄積されていますので、AIを用いて必要なシーンを即座に検索できるような仕組みも作っていきたいですね」と山下氏は展望を述べた。

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