• 仮想通貨取引システムのインフラを「Dell EMC VxRail」で新規構築 ビジネススピード向上とコスト削減に寄与

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    • お客様名

      シンプレクス株式会社

    • 業種

      情報サービス業

    • 導入製品

      Dell EMC VxRail

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    • 「Dell EMC VXRailを採用したことで、仮想通貨ビジネスに欠かせないスピードと、金融システムに求められる信頼性を同時に確保することができました。
      VxRailが今回のプロジェクト要求を実現する最終兵器でした」

      シンプレクス株式会社
      金融フロンティアグループ
      アソシエイトプリンシパル
      須崎 健太郎 氏

  • ■ 課題

     

    仮想通貨取引システムの短期構築が課題に

     

    法制度改正やFintech技術の進歩により、大きく変化しつつある金融業界。個人・法人の多様な金融ニーズに応えていくためには、今までにない新たなサービスをいち早く展開することが求められる。こうした金融関連企業の取り組みを強力に支援しているのが、「高度な金融工学」「豊富な金融業務知識」「最先端IT技術」を融合した先進的な金融ITサービスを提供するシンプレクスである。

    同社 金融フロンティアグループ アソシエイトプリンシパル 須崎 健太郎氏は「当社には、金融とITの両分野に精通した社員が数多く在籍しており、上流のコンサルティングから開発、保守・運用に至るまで一気通貫のサービスをご提供できます。既に多くの銀行や証券会社、保険会社などにご活用頂いているほか、これから金融サービスに参入される方々のビジネスもしっかりと支えていきたいと考えています」と語る。

    金融サービスを支える情報インフラには、極めて高いレベルの性能・信頼性が求められる。また、他の業種と異なり、監督官庁である金融庁への説明責任も果たさなくてはならない。そこでサービス基盤の導入にあたっては、「できるだけシンプルに作ることを心がけている」(須崎氏)とのこと。加えて、近年では、導入スピードの向上にもこれまで以上に力を入れているという。

    その代表例とも言えるのが、2018年1月にリリースされた仮想通貨取引ソリューション「SimplexCryptoCurrency」である。このソリューションには、同社が長年にわたり培ってきたノウハウを結集。一般投資家向け取引システムに求められる高度な耐障害性・信頼性を備えているほか、仮想通貨ビジネスを支える豊富な機能、ノウハウが実装されている。これにコンサルティングや保守・運用などのサービスを組み合わせることで、仮想通貨交換事業のビジネス基盤の早期構築と、安定的なシステム運営を支援している。

    ただし、そのインフラを構築する上では、様々な苦労もあったとのこと。須崎氏は「これまで当社が手がけてきたサービスでは、インフラ導入に一年程度の期間を要することも少なくありませんでした。しかし、仮想通貨ビジネスの世界は非常に変化が速く、こうしたスピード感ではとてもお客様のご要望を満たせません。インフラ領域を担当する我々としても、かつてないスピードで導入に取り組む必要に迫られたのです」と振り返る。

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    • 日本ビジネスシステムズ株式会社
      イノベーションサービス統括本部
      データプラネットソリューション本部
      プラットフォームソリューション部
      マネージャー
      久保 彩乃 氏

  • ■ 解決のアプローチ

     

    Dell EMC VxRailを採用し、わずか2ヶ月で環境を構築

     

    この問題を解決する上で大きな効果を発揮したのが、Dell EMCのハイパーコンバージドインフラストラクチャ製品「Dell EMC VxRail」(以下、VxRail)だ。

    実は今回のVxRail導入、同社にとっては第2フェーズの取り組みとなる。同社では、様々な金融サービスをSaaS形式で提供しているが、以前はそのインフラをすべて物理環境で構築していた。「金融機関向けのサービスである以上、システムの独立性や安定性、安全性などをきちんと確保したいというのがその理由です。しかし、サイロ化したシステムが増えたことで、様々なムダも目に付くようになっていました。実際にCPU利用率などを調べてみても、ピーク時ですら5%に達しないような状況でした」と須崎氏は明かす。こうしたインフラ環境の最適化を図り、メンテナンスコストの削減やデリバリー時間の短縮を実現するための切り札として、既にVxRailを導入していたのである。

    「当時VxRailを選んだ最大のポイントは、VMware製品のバージョンやファームウェアなどの整合性がすべて検証済みの状態で提供されるという点です。こうした整合性チェックには非常に多くの工数が掛かる上に、なおかつ完璧に行うのは至難の業です。インフラ導入を円滑に進めていく上で、このようなことに煩わされずに済むのは非常に大きい。また、Dell EMCの製品ということで、バックアップなどストレージ周辺機能の発展性にも期待しました」と須崎氏は説明する。

    同社では、この時の取り組みを通してVxRailの機能や効率性を高く評価。今回のSimplexCryptoCurrencyのインフラにも、迷わずVxRailを選んだのである。

    実際の環境構築に際しては、同社のITパートナーである日本ビジネスシステムズも大きく貢献。同社の久保 彩乃氏は「とにかくスピードの速さが求められるプロジェクトでしたので、当社でも万全の支援体制を準備。当社保有の検証機による事前検証に加えて、設計・開発業務の綿密なスケジューリング、既存環境との迅速な連携、当社キッティングセンターでの事前セットアップなど、あらゆる手を尽くして納期短縮を図りました」と振り返る。

    こうした努力が見事に実を結び、2017年9月には最初のステージング環境が稼働を開始。ちなみにプロジェクトが立ち上がったのは同年7月のこと。仮想通貨ビジネスを支える新たなインフラ環境を、わずか2ヶ月で構築することに成功したのだ。

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    • 左より、日本ビジネスシステムズ株式会社(JBS)イノベーションサービス統括本部 データプラネットソリューション本部 プラットフォームソリューション部 白川 真秀氏、 シンプレクス株式会社 須崎氏、 JBS 営業本部 金融営業部 営業2課 大橋 美紀氏、 JBS 久保氏

  • ■ 成果

     

    スピード感が飛躍的に向上。コスト削減にも大きく貢献。

     

    大手仮想通貨交換業者の基幹システムとして早速採用されるなど、SimplexCryptoCurrencyはビジネス面でも順調な立ち上がりを見せている。また、VxRailの導入メリットも、様々な場面で発揮されているとのこと。須崎氏は「まず一点目として、サーバーの集約率が飛躍的に向上した点が挙げられます。現在は10台の『Dell EMC VxRail E460』で約600台のサーバを稼働させていますが、性能的にも全く問題ありません。これにより、大幅な省スペース化/コスト削減が実現できました」と語る。

    ちなみに、SimpleCryptoCurrencyは、同社のFXサービス向けシステムの構成を踏襲しているが、同規模のシステムで比較すると1/3以下のラック数で済むという。この結果、データセンタ費用の削減にも成功。システム構築費用と開発期間についても、それぞれ約40%ダウン、約1/4に短縮と大幅に改善している。

    「導入後に一度VxRailのリソース拡張を実施していますが、これも非常に効率的に行えましたね。従来型の環境で同様の作業を行う場合と比較して、約1/5程度の工数に抑えられました」と須崎氏は語る。

    さらに大きいのが、アプリケーション実行環境のデリバリー速度が飛躍的に向上した点だ。今回のプロジェクトでは、VMwareの自動化ツール「VMware vRealize Automation」やオープンソースの構成管理ツール「ansible」などを活用し、大量の業務サーバを自動作成する工夫も盛り込まれている。これにより、新たなサービスの開発などをより迅速に行えるようになったのだ。

    「おかげでアプリケーション開発者の感覚も昔とは変わってしまい、『今日の夕方までにサーバが欲しい』といった要望が来るようになりました」と苦笑する須崎氏。しかし同時に、「とはいえスピードを妨げる制約が無くなったのは、当社のビジネスにとって良いことだと考えています」と続ける。

    同社ではこうした成果をさらに拡げるべく、VxRailの活用を推進していく考えだ。「今後は、ニーズが高い仮想通貨取引システム用環境の強化・拡充に加えて、まだ物理環境上で稼働しているシステム群をVxRailによるプライベート・クラウドへ集約する検討も進めていきます」と展望を語る須崎氏。また、久保氏も「当社でも今回の経験を最大限に活かし、VxRailによるソリューションを積極的に展開していきたいと考えています」と語った。