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    • デジタルアニメーション制作にDell EMC Isilonをフル活用ストレージの自動階層化も実現

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    • お客様名

      株式会社ポリゴン・ピクチュアズ

    • 業種

      映像制作

    • 導入製品

      Dell EMC Isilon H500,
      Dell EMC Isilon NL410

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    • 「デジタルアニメーション制作用ストレージには、極めて高い性能・信頼性・拡張性が要求されますので、現状ではIsilonが最も適していると思います。
      複数のモデルを組み合わせた自動階層化を行うことで、大容量データの保存コストも最小限に抑えられています」

      株式会社ポリゴン・ピクチュアズ
      システム部 副部長
      システム第3グループリーダー
      横山 義則 氏

  • ■ 課題

     

    より快適なデジタルアニメーション制作環境を目指して

     

    東京都・港区に本社を置くポリゴン・ピクチュアズは、世界有数の歴史と実績を誇るデジタルアニメーションスタジオである。「誰もやっていないことを 圧倒的なクオリティで 世界に向けて発信していく」のミッション・ステートメントの下、国内外から集結した400名規模のクリエイターが日々コンテンツの企画・制作に邁進。制作規模や体制、作品のクオリティなど、あらゆる面で日本のデジタルアニメーション業界をリードする存在となっている。

    その実力の確かさは、数々のアワードを獲得していることからも伺える。たとえば同社が制作を手がけた「Lost in OZ」は第44〜45回デイタイム・エミー賞の複数部門で、ノミネート&受賞を果たしている。また、2019年秋公開の最新作「HUMAN LOST人間失格」も、第23回ファンタジア国際映画祭 アニメ部門・今敏アワード特別賞を受賞している。近年では、マレーシアに合弁会社を設立するなど、制作体制のグローバル化も推進。また、「シドニアの騎士」「亜人」「ピングー in ザ・シティ」などの自社出資・プロデュース作品のライセンス事業も拡大中だ。

    こうした事業展開をしっかりと下支えすべく、同社ではデジタルアニメーション制作環境の整備・拡充も意欲的に推進している。同社 システム部 副部長 システム第3グループリーダー 横山 義則氏は「万一システムにトラブルが発生すると、クリエイターの制作業務にも大きな影響が生じてしまいます。そこで、設計段階から信頼性・可用性に配慮すると同時に、インフラに導入する製品についても、耐障害性や安定性に優れた製品を選ぶようにしています」と語る。

    そうした取り組みの一環として進めているのが、デジタルアニメーション制作用ストレージの集約・統合だ。かつては様々なストレージ製品を業務で利用していたが、障害対応などで苦労させられることも多かった。そこで、高い性能と信頼性、拡張性を備えたDell EMCのスケールアウトNAS「Dell EMC Isilon」(以下、Isilon)へ集約し、効率的に業務が行える環境を実現してきたのである。

    そして今回、同社では、このストレージ基盤の刷新に踏み切った。横山氏はその狙いを「作品の数や規模が年々拡大する中で、インフラへの要求も一段と厳しさを増しています。また、最近では、HDRなどの新たな映像技術も次々と登場しています。そこで、ストレージの性能や容量をさらに強化し、ユーザーがより快適に作業できるようにしたいと考えました」と語る。

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    • 株式会社ポリゴン・ピクチュアズ
      システム部
      システム第1グループリーダー
      椎名 拓 氏

  • ■ 解決のアプローチ

     

    Isilonの「SmartPools」で自動階層化を実現

     

    旧環境においては、制作業務用のメインストレージとして、「Dell EMC Isilon X200」が導入されていた。これに代わる新たな製品として選ばれたのが、同じIsilonの次世代モデル「Dell EMC Isilon H500」である。

    「メインストレージには100台を超えるレンダリングサーバーが接続されており、クライアントの端末も約500台に上ります。パフォーマンスも求められますし、データ移行のため長期停止も出来ません。最もスムーズなリプレースを考慮すると、isilon以外の選択は考えられませんでした。オールフラッシュモデルも検討しましたが、今回はITパートナーであるテクマトリックス(株)の提案もあり、性能が高くコスト面でも有利なH500を採用しました」と横山氏は語る。

    ちなみに、今回のH500の導入に先立ち、同社では大容量データの保存に適した「Dell EMC Isilon NL410」の導入も行っている。同社 システム部 システム第1グループリーダー 椎名 拓氏は「ストレージ統合をさらに進めていくのが狙いです。以前はレンダリング後のデータやユーザーの作業中データなどを別のストレージに置いていましたが、これらもIsilonに集約すれば、環境のシンプル化/最適化を図ることができます」と説明する。

    Isilonには、データの価値や利用頻度に応じて適切な階層に自動再配置する「SmartPools」という機能が用意されている。同社でもこの機能に着目し、旧X200とNL410を組み合わせて活用していたのだ。

    「今回もこの仕組みをそのまま継承しており、H500とNL410による自動階層化を行っています。あまりアクセスされなくなったデータをNL410側に配置することで、効率よくデータを保存することが可能。また、H500を導入したことでパフォーマンスも上がりましたので、かなりの処理能力を必要とする開発業務用ツールなども、Isilon上に置けるようになりました」と椎名氏は続ける。

    なお、旧X200からのデータ移行に際しては、テクマトリックスの支援も活用して、InfiniBandスイッチを用いた内部データ転送を実施。これにより、大量の作品データを短期間で、かつ無停止で移行することができた。「他社製品だとどうしても一度システムを止める必要があるため、各制作プロジェクトとの停止調整などが必要になります。その点、Isilonなら、現場の作業を継続したままデータを移行できる。これも大きなメリットですね」と横山氏は語る。

  • ■ 成果

     

    大幅な性能向上と省スペース/省電力化に成功

     

    H500による新メインストレージは、2019年2月より本番稼働を開始。横山氏はその効果を「CPU使用率が以前と比較して如実に下がるなど、ストレージの性能が飛躍的に向上したことを実感しています。ネットワーク環境については以前と変わっていませんが、今後こちらも強化すれば、ユーザー側でも違いを感じられるはず。また、容量についても、H500とNL410を合わせて優に1PBを超える容量を確保。重複排除機能の効果も大きく、約30%程度のデータを削減できていますので、空き容量不足を心配する必要もなくなりました。」と語る。

    もう一つ見逃せないのが、大幅な省スペース/省電力化を果たせた点だ。「性能・容量を大幅に改善できた一方で、ストレージの台数は以前のX200×14ノードから、H500×8ノードへと減りました。これに伴い、ラックスペースも28Uから8Uへと1/3以下に減少。管理工数や障害点を減らすという面でも、ハードウェアの台数が少なくて済むのはありがたいですね」と椎名氏は語る。

    今後の拡張についても、全く不安は感じていないとのこと。横山氏は「Isilonは製品ラインナップも充実していますので、現行のNLに代えて次回は『Aシリーズ』を導入するといったことも考えられます。このように、用途や目的に応じて適切な製品を選べるのもIsilonの良さですね」と語る。

    また、Isilonのアプリケーションも、効率的なストレージ運用に寄与。「制作業務を進めていく中では、大量のキャッシュファイルが残ったままになっているケースもあります。その点、専用管理ツールの『InsightIQ』を使えば、こうした不要なデータを早期に発見できます。また、クォータ管理機能である『SmartQuotas』の容量監視機能を利用し、各制作プロジェクトのストレージ利用状況を見える化するといったことも行っています」と横山氏。ユーザーが誤ってデータを消してしまった場合などに備えて、「SnapshotIQ」も活用しているとのことだ。

    なお、マレーシアの合弁会社においても、先頃既存ストレージに代えてIsilonの導入を決定。横山氏は「作品制作に関わる重要なストレージには、やはりIsilonを採用するべきだと強く薦めました」と続ける。

    さらに将来的には、クラウドの活用も推進していく考えだ。横山氏は「オンプレミスの制作環境が無くなることはありませんが、クラウド連携やマルチクラウドの活用を進めていくことも非常に重要です。それだけに今後のIsilonの進化にも、大いに期待しています」と展望を述べた。

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