• 動画配信サービス用ストレージ基盤をDell EMC ECSアプライアンスで構築 大容量・高性能環境を低コストで実現

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    • お客様名

      株式会社NTTぷらら

    • 業種

      電気通信事業

    • 導入製品

      Dell EMC ECSアプライアンスU2800、
      Dell EMC PowerEdge

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    • 「クラウドストレージからDell EMC ECSアプライアンスに切り替えたことで、大幅なコスト削減を実現できました。
      今後は映像配信サービスだけでなく、他のサービスに使用されているストレージを統合するための基盤としても活用していきたいですね」

      株式会社NTTぷらら
      技術本部
      ネットワーク管理部
      マネージャー
      大橋 峰延 氏

  • ■ 課題

     

    クラウドからオンプレミスへの転換を決断

     

    国内ISP事業者のパイオニア的存在として、インターネットの黎明期より高品質なサービスを提供し続けてきたNTTぷらら。インターネット接続サービス「ぷらら」や光サービス「ぷらら光」、IP電話サービス「ぷららフォン」など多彩なサービスを展開している。さらに、現在のビジネスの大きな柱となっているのが、約300万人もの会員数を誇る映像配信サービス「ひかりTV」だ。ここでは、ビデオサービスやテレビサービスといった映像系のサービスに加えて、ゲーム、音楽、電子書籍、ショッピングなど、幅広い分野にわたるサービスを提供。2014年には、国内初となる4K映像の商用配信サービス「ひかりTV4K」もスタートしている。

    「当社のサービスは、24時間・365日止まることなく動き続けていますので、サーバーやストレージ、ネットワークなどのインフラを預かる我々としても、細心の注意を払って各種システムの設計・構築を行っています」と語るのは、同社 技術本部 ネットワーク管理部 マネージャーの大橋峰延氏。ITと映像技術の両方に精通していることも、同社技術部門の大きな強みと続ける。

    その同社において、今回実施されたのが、映像配信サービス用ストレージ基盤の導入プロジェクトである。大橋氏はその背景を「元々従来の環境では、一部サービスの映像コンテンツの配信データを暗号化し、パブリック・クラウドで保存・管理していました。そのコスト負担が非常重くなっていたため、何とか改善したいと考えたことがきっかけです」と振り返る。

    新規サービスを短期間で立ち上げたい場合や、時期によって需要が激しく変動する場合などには、確かにパブリック・クラウドの活用も有効である。しかし、今回のケースでは、毎月のコンテンツ増加量もある程度予想の範囲に収まっていたとのこと。「こうしたシステムは、パブリック・クラウドに置くよりも、むしろオンプレミスで作った方が費用も安くなることが多い。そこで、クラウドからオンプレミスに舵を切ろうと考えたのです」と大橋氏は語る。

    また、ストレージ基盤を社内で構築・運用することで、事業継続性の強化や運用品質の改善につながるとの期待もあった。同社 技術本部 ネットワーク管理部 橋口 博文氏は「外部のサービスを利用するとなると、どうしてもブラックボックス化する部分が出てきてしまいます。その点、自分たちで作った環境であれば、細かい部分も全て把握できますし、責任を持って運用できます」と語る。

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    • 株式会社NTTぷらら
      技術本部
      ネットワーク管理部
      橋口 博文 氏

  • ■ 解決のアプローチ

     

    Dell EMC ECSアプライアンスが唯一の解決策に

     

    製品選定にあたっては、エンターテインメント系分野やエンタープライズ分野などで広く利用されているファイルストレージではなく、オブジェクトストレージであることが必須要件となった。「旧環境では、パブリック・クラウドのオブジェクトストレージサービスを利用していましたので、以前と同様にHTTPプロトコルでファイルの出し入れが行えるオブジェクトストレージ製品を選びたいと考えました。これなら現行のファイルアップロード用プログラムなどをそのまま流用できますし、システム改修等の手間も最小限に抑えられます」と大橋氏は語る。

    ちなみに今回のプロジェクトで注目されるのが、そのデータ規模の大きさだ。導入対象となったサービスでは、実に22億ファイルを優に超える映像データを取り扱うという。当然、新ストレージに対しても、これに余裕で対応できるだけの容量やパフォーマンスが求められた。

    「加えて、選定のポイントとなったのが、24時間・365日の連続稼働に耐え得る高信頼性と、サイト間をまたいだ冗長化が可能であるという点です。旧環境でも、パブリック・クラウドの複数リージョンにデータを置いてサービスの信頼性・可用性を確保していましたので、新環境でもこれと同じことができることが必要でした」と橋口氏は語る。

    こうした要件をすべてクリアできる製品として、新たに採用されたのが、Del l EMCのオブジェクトストレージ「Dell EMC Elastic Cloud Storage(以下、ECS)アプライアンス」である。「他ベンダーの製品もいろいろチェックしたものの、どの製品もどこかに不十分な点がありました。最終的に当社のニーズを完全に満たせたのは、ECSアプライアンスだけでしたね。もちろん、オープンソース・ソフトウェアや汎用サーバーを組み合わせて自前で環境を構築する手もありますが、規模の大きさや後々のサービス・サポートを考えるとこれもあまり現実的とは言えません。事実上、ECSアプライアンス以外の選択肢はありませんでした」と橋口氏は語る。

    また、大橋氏も「ECSアプライアンスは、Amazon S3互換の機能を備えていますので、これまでと使い勝手が大きく変わるような心配もありません。Dell EMCのエンジニアからもかなり詳しい説明を受けましたので、これなら安心してサービスに適用できると判断しました」と語る。

  • ■ 成果

     

    大幅なコストを削減に成功。
    ストレージ統合への活用も視野に

     

    ECSアプライアンスによる新ストレージ基盤は、2019年1月より無事本番稼働を開始している。具体的な製品としては、8ノード構成の「Dell EMC ECSアプライアンス U2800」を2セット導入。これを東西のデータセンターに分散配置してレプリケーションを行うことで、万一片側のセンターに大規模障害などが発生した場合も、問題なくサービスを継続できるようにしている。また、合計3PBの容量が確保されているほか、Dell EMCの推奨に基づき、ECSアプライアンスの前段にキャッシュサーバー用の「Dell EMC PowerEdge」を2台ずつ配置している。

     「データの件数と規模が大きいだけに、旧パブリック・クラウドからのデータ移行などには少々手間が掛かりました。ただ、Amazon WebServicesのSDKなどもそのまま使えますので、それ以外は特に導入で苦労するようなこともありませんでしたね。ECSアプライアンスのパフォーマンスも期待通りで、現在は約2~3Gbps前後のスループットを余裕で確保できています」と大橋氏は語る。

    また、最大の懸案であったコスト削減についても、大きな成果が上がっている。「ECSの安価なストレージコストもさることながら、ISP事業者でもある当社では、既存のネットワークを活用することで、クラウド利用時よりもネットワーク費用を低く抑えることができます。これにより、トータルで劇的なコスト削減が実現できました」と橋口氏は語る。その効果は非常に大きく、ECSアプライアンスの導入に掛かった費用を、わずかな期間で回収できてしまうほどだという。

    このようなメリットを高く評価した同社では、今後もECSアプライアンスの活用を推進していく考えだ。「容量にもまだまだ余裕がありますので、今後はストレージ統合用のインフラとしても使っていきたい。ECSアプライアンスはHTTPだけでなくNFSなどのプロトコルもサポートしていますので、既存のファイルアップロード用スクリプトなどもそのまま利用できます。今回のような大容量動画データだけでなく、画像データやWeb用コンテンツなどの小規模データも集約して、さらなる最適化を図っていきたいですね」と大橋氏は展望を述べた。

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