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    • 庁内情報系システムの全面仮想化を実施 統合バックアップシステムも新たに構築し高信頼でセキュアなインフラ環境を実現

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    • お客様名

      岡山県真庭市

    • 業種

      地方公共団体

    • 導入製品

      Dell EMC UNITY 650F,
      Data Protection Suite for VMware,
      Data Domain DD6300,
      Avamar M1200 / NDMP アクセラレータ,
      Dell EMC PowerEdge R640,
      Dell EMC PowerSwitch S4148T/S3124T,
      Dell EMC Connectrix DS-6520

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    • 個別に構築されていた情報系システムを仮想統合したことで、庁内インフラの全体最適化を図ることができました。
      シンクライアントのレスポンスが約2倍に向上し、リモート業務にも耐えられる環境を構築できたほか、バックアップデータの容量を約1/220に削減するなど、業務面でも大きな成果が上がっています。

      岡山県真庭市
      総合政策部 秘書広報課
      主幹
      福本 貴信 氏

  • ■ 課題

     

    個別導入された情報系システムの仮想統合に着手

     

    岡山県北部エリア、中国山地のほぼ中央部に、県下最大の総面積を誇る自治体がある。真庭郡勝山町、落合町、湯原町、久世町、美甘村、川上村、八束村、中和村、および上房郡北房町の合併によって2007年に誕生した真庭市である。

    西日本最大級の木材集積地である同市では、豊かな森林資源を積極的に活用。バイオマス発電や木質構造材「CLT(Cross Laminated Timber:直交集成板)」などの産業を促進すると同時に、地域の歴史・文化や人材も活かした「里山資本主義」の実現を目指している。また、市北部の蒜山高原では酪農も盛んに行われており、観光目的でこの地を訪れる人も数多い。加えて、近年では、「SDGs未来社市真庭」のスローガンの下、持続可能な地域社会を目指す取り組みも推進中だ。

    その同市において、大きな課題となっていたのが、行政活動を支える情報系インフラの環境改善である。真庭市総合政策部 秘書広報課 主幹 福本 貴信氏は、以前の状況を「住基系などの基幹システムについては、当市でも既に他市町村との共同利用化を済ませています。しかし、各種の庁内業務を支える情報系システムについては、それぞれの部門ごとに個別の物理サーバー環境でシステムを構築していました」と振り返る。

    サイロ化したシステムが多数稼働することで、運用管理面でも様々な課題が生じていた。同市には専門の情シス部門が置かれておらず、福本氏が他の業務と共にITインフラの担当も受け持っている。このため、現場部門から障害対応の連絡や困り事の相談を持ちかけられても、多忙な中、まずはどのような環境か把握するところから始める必要があった。また、データバックアップも各部門で行われていたため、必要な作業が適宜実施されているか確認することも困難だった。

    「行政の効率化やITガバナンスの強化を進めていく上でも、こうした状況が続くことは望ましくありません。インフラ環境全体の最適化はもちろんのこと、ランサムウェアなどのセキュリティ脅威からもきちんとデータを保護できる仕組みが必要です。そこで、シンクライアント/ファイルサーバーが更新時期を迎えたことを機に、システムの全面仮想化に踏み切ることにしました」と福本氏は説明する。

  • ■ 解決のアプローチ

     

    最適なインフラ環境の実現にDell EMC製品が貢献

     

    新仮想化基盤の調達にあたっては、「行政システムに欠かせない高信頼性・高可用性」「大量のシステム/クライアントを快適に動作させられるパフォーマンス」「運用管理の簡素化」「統合バックアップ環境の実現」「コスト削減」などの点がポイントとなった。同市では、これらの要件を元に調達を実施。その結果、導入に至ったのが、Dell EMCの製品/ソリューション群である。

    まず、サーバーには、市場でも豊富な実績を誇る「Dell EMC PowerEdge R640サーバー」を採用。これに高性能オールフラッシュ・ストレージ「Dell EMC Unity F650」(以下、Unity)を組み合わせることで、多種多様なワークロードにも余裕で対応できる環境を実現している。なお、Unityはマルチプロトコルに対応したユニファイド・ストレージだが、同市でもこの特長を活かし仮想化基盤はBlock、ファイルサーバーはCIFSでの接続を行っている。

    また、バックアップについては、圧縮・重複排除機能を備えたバックアップストレージ「Dell EMC Avamar」(以下、Avamar)、「Dell EMC Data Domain」(以下、Data Domain)、並びに「Dell EMC Avamar NDMPアクセラレータ」と、必要なソフトウェアを一体で提供する「Dell EMC Data Protection Suite」を採用し、大量のシステム/データを効率よくバックアップできる環境を実現。さらにその他にも、SANスイッチ「Dell EMC Connectrix DS-6520」や10GbEスイッチ「Dell EMC PowerSwitch S4148T/S3124T」など様々なDell EMC製品が活用されている。

     「他社ハイパーコンバージド・インフラストラクチャ製品なども候補に挙がりましたが、導入費用が高額になってしまう点がネックになりました。また、その他の提案も、複数ベンダー製品の組み合わせとなるため、運用管理の簡素化という面で懸念が残りました。仮想化基盤やバックアップに求められる機能をすべて一社で提供でき、なおかつコスト面でも競争力のある提案を行ってくれたのは、Dell EMCだけでしたね」と福本氏は振り返る。

  • ■ 成果

     

    大幅な性能・信頼性向上とリソース有効活用を実現

     

    こうして導入された新仮想化基盤は、2020年1月より本番稼働を開始。外部公開サイト用コンテンツ管理システムやシンクライアント、ファイルサーバーなど、優先度の高いシステムから段階的に移行を進めている。

    既に様々な業務改善効果も見え始めている。特にストレージ環境の改善により、日々の業務に使用するVDIの操作速度が向上している。これにより、徐々に導入しつつあるリモート業務にも生産性を落とすことなく、対応できるようになっている。福本氏は「シンクライアントのレスポンスが劇的に向上したと考えています。以前は重たいアプリケーションを利用すると、待ち時間が発生するケースも多く、ユーザーからも不満の声が挙がっていました。しかし現在では、処理時間が半分程度に短縮されており、はっきりと体感できるくらいの違いがあります。オールフラッシュのUnityを導入した甲斐がありましたね」と満足げに語る。

    また、懸案であったバックアップについても、大幅な運用改善に成功。仮想化基盤上に移行したサーバーは、自動的にAvamar/Data Domainのバックアップ対象となるため、現場部門の手を煩わすことなく確実に短時間でバックアップを実施できる。同時に、ランサムウェアなどの被害に遭った際の速やかなデータ復旧を可能にできるのも同ソリューションの魅力の1つだ。なお現在は日次でバックアップを行っており、21世代分のデータを保持しているとのことだ。

    さらに、ここで見逃せないのが、圧縮・重複排除機能の効果である。本番稼働開始から約2ヶ月の時点で、バックアップデータの容量は約1.5PBに達している。しかし、実際に使用している容量は約7TBと、実に約220倍もの圧縮・重複排除率を達成。なお、この効果は、類似した環境が多数存在するVDIで特に大きく発揮されている。働き方改革や事業継続性の強化に向けて、リモートワークの需要が一段と高まる中、これを支えるVDIに最適なバックアップ基盤が実現できたのだ。福本氏は「これだけリソースを有効に活用できれば、今後どんどんシステムを追加しても全く問題なく対応できます」と語る。

    加えて、インフラの信頼性・安定性も大きく向上。旧環境では、単体サーバーで構築された部門システムなどに障害が発生した場合、復旧までに長い時間を要するおそれもあった。しかし、現在では仮想化基盤で高い可用性や耐障害性が担保されている。「消防署のシステムなど『止められないシステム』も多いので、こうした環境が実現できたことは大きい。マルチベンダー環境のように障害原因の切り分けで苦労する心配もありませんし、Dell EMCの『Secure Remote Support』による遠隔監視も行ってもらえますので、安心感は格段に高まりました」(福本氏)

    同市では、今後も既存システムの移行を順次進めていくが、これが完了した暁にはラック4本分の機器が削減される予定だ。これに伴い、電気代も年間数十万円下がると見込まれている。全庁的な省エネの取り組みにも、大きく寄与しているのである。

    「今回は情報系システムが対象ですが、数年後にはインターネット分離のために導入したサーバー群も更新時期を迎えます。そうしたものを収容するインフラとしても、今回の基盤を活用していければ」と展望を語る福本氏。その取り組みを、Dell EMCもしっかりと下支えしていく。

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