• 「Dell EMC VxRail」を新たに採用し ネットワーク系サーバ群を仮想統合 コスト削減と運用効率化に成功

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    • ハイパーコンバージド製品の導入は今回が初めてのケースとなりますが、代理店ではなくDell EMCと直接会話することによりVxRailを納得して導入することができました。構築や運用においては、手間が掛からない上に、突発的なシステム構築ニーズにも即応できて助かっています。

      JNC株式会社
      システム部長
      福井 博文 氏

  • ■課題

     

    ネットワーク系サーバ群の環境改善に挑む

     

    1906年の創業以来、百年以上にわたって日本の化学産業をリードし続けてきたJNC。化学技術開発のパイオニアでもある同社では、カザレー法による合成アンモニアの製造に世界で初めて成功したほか、塩化ビニル樹脂やオクタノール、高度化成肥料などの製品についても、国内同業他社に先駆けて提供を開始している。

    「現在は機能材料、エネルギー、加工品、化学品の4分野で事業を展開しており、テレビやスマートフォンに欠かせない液晶材料、高級紙おむつ等に使用される不織布、各種石油化学製品など、幅広い分野にわたる製品を製造しています」と説明するのは、同社 システム部長の福井 博文氏。創業事業であった電力事業についても、熊本県を中心に13ヶ所の水力発電所を展開。クリーンエネルギーの供給を通して、社会への貢献を果たしているとのことだ。

    また、ビジネスのグローバル化にも意欲的に取り組む同社では、事業活動を支えるICTインフラの強化も積極的に推進。基幹業務システムのクラウド化や生産拠点向け仮想化基盤の構築など、様々な取り組みを進めてきた。

    こうした中、大きな課題となっていたのが、社内の情報通信を司るネットワーク系サーバ群の環境改善である。福井氏は取り組みの背景を「これらのサーバ群は依然として物理環境で稼動していた上に、冗長化を行っていたため、台数的にもそれなりの規模になっていました。一足先にクラウド/仮想化を行った他の業務システムでは、既に運用管理に手間の掛からない効率的な環境が実現できています。ネットワーク系サーバについても、早急に同様の環境へ移行していきたいと考えていました」と語る。

    物理サーバを扱うことによる問題も多かったとのこと。同社 システム部 次席 栗原 孝之氏は「特に面倒だったのが、障害発生時の原因切り分けです。ハード/ソフトを個別に組み合わせた環境では、それぞれのベンダーとの連絡や調整などにも苦労しなくてはならない。もっと簡単に使える仕組みに変えていきたいという思いは強かったですね」と振り返る。

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    • JNC株式会社
      システム部
      次席
      栗原 孝之 氏

  • ■解決のアプローチ

     

    「Dell EMC VxRail」でシンプルな環境を実現

     

    こうした課題を解消すべく、同社では新たな環境の実現に向けた検討作業を開始。「当社では『クラウドファースト』を基本としていますので、最初はネットワーク系サーバ群をクラウドに置くことも考えました」と福井氏は明かす。しかし、一つの製品との出会いが、その考えを大きく変えることとなった。その製品とは、Dell EMCが提供するハイパーコンバージド・インフラストラクチャ「Dell EMC VxRail」である。

    福井氏はVxRailに着目した理由を「安定稼働はもちろんですが、導入や運用管理の労力を軽減したいという目的もあり、これが適切なコストで実現できるのであれば、別にクラウドにこだわる必要はありません。VxRailは、ハード/ソフトが検証済みの状態で提供されるアプライアンス製品ですし、インフラ廻りの構築や後々の運用に手間が掛かるようなこともない。これならクラウドでなくとも、我々が望むシンプルなインフラ環境が実現できるのではと感じました」と説明する。

    また栗原氏も「元々当社では、無用なリスクを避けるために、なるべく実績のあるソリューションを導入する方針を取っています。その点VxRailは、社内でも既に活用しているVMwareの技術をベースとしているため、こうした面でも特段の不安を感じずに済みます。使い慣れたVMware環境がすぐに利用できる上に、運用も従来と同じ管理画面で行えるというのは非常に魅力的でしたね」と語る。

    さらに、もう一つの大きな決め手となったのが、ハードウェア内蔵ディスクのプール化とSSDのキャッシュ利用を可能にする「VMware Virtual SAN」(vSAN)」機能が搭載されている点だ。「将来的には、生産拠点向けに構築した仮想化基盤の更新も考えなくてはなりません。もし、vSANで、こうした業務システムに必要なパフォーマンスが確保できるのなら、そちらの環境のシンプル化にもVxRailを役立てることができます」と福井氏は語る。

    これらの長所を高く評価した同社では、最終的にVxRailの採用を決断。1台の「Dell EMCVxRail」を新たに導入し、十数台に及ぶネットワーク系サーバ群の仮想統合に着手した。

  • ■成果

     

    構築期間を1/3に短縮しラックスペースも大幅削減

     

    事前の検証作業やテストなどが不要というVxRailのメリットは、実際の構築作業でも早速発揮されることとなった。「従来は、物理サーバの調達からOS等の導入、アプリケーションの細かい調整など、いくつものステップを踏む必要がありましたので、新しい環境が稼動するまでに約一ヵ月半を要していました。しかし今回のVxRailについては、概ね2週間程度と従来の1/3位の期間しか掛かっていません」と栗原氏。本番稼動開始後の信頼性にも全く問題はなく、安定的に動作を継続しているという。

    また、大量の物理サーバ群を2UサイズのVxRailに集約したことで、インフラコストの大幅削減にも成功。福井氏は「純粋なハードウェア分のスペースだけで約20U、放熱対策のために空けていたスペースなども含めると、約30U程度のスペースを削減できました。これをデータセンタの利用料金に換算すると、年間250万円以上の費用が節約できた計算になります」語る。

    システム構築面での工夫としては、VxRail内の環境を既存物理サーバとの共通セグメント、仮想サーバ用セグメント、DMZ用セグメントの3つのセグメントに分けて運用している点が挙げられる。福井氏はその狙いを「たとえば最初の物理サーバ共通セグメントについては、今回の統合対象以外の細々とした物理サーバの移行用に活用していく予定です。昔から動いているシステムの中には、他の業務システムと連携しているようなものも多いので、サーバ名やIPアドレスが変わってしまうとトラブルの原因になる可能性もあります。そこで今後の移行を容易にするために、同一セグメント内で動かせるようにしてあるのです」と説明する。

    こうしてサーバ台数がさらに増えてくると、性能や容量が不足することも考えられるが、そうした際にはVxRailの柔軟な拡張性が威力を発揮。栗原氏は「個別の物理サーバ群で構築された環境に後から手を加えるのは大変ですが、VxRailは筐体を追加していくだけで簡単にスケールアウトできるので安心です。スモールスタートで導入を開始し、後から必要に応じて拡張していけるのは、コスト面でも運用面でも大変メリットが大きいですね」とにこやかに語る。

    vSANの活用については、まだまだこれからが本番だが、そこに掛ける期待も大きいとのこと。福井氏は「製造業はコスト要求が厳しいので、各種の業務システムもそれぞれ要件にあった環境に置くことが求められます。その点、vSANの実力が確かめられれば、現在クラウド上に置いている基幹業務用サーバの一部を、もう一度社内に引き戻すという選択枝も持てるようになります」と語る。

    さらには運用を受託している関連子会社のシステムの集約などにも活用し、グループ全体に成果を広げていきたいとのこと。「クラウド、ハイパーコンバージドそれぞれの良さを最大限に活かすことで、より最適なインフラを実現していきたい」と抱負を語る福井氏。VxRailが活用される場面も、ますます広がっていきそうだ。

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