• 「ひとり情シス」を悩ませたパソコン障害対応をVDIで省力化 PowerEdge VRTXでHA冗長構成に

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    • お客様名

      株式会社キャステック

    • 業種

      製造業

    • 導入製品

      DT仮想化統合ソリューション、VRTX

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    • 「サーバーは安い買物ではありません。
      データを残すためだけではなく何か新しいことにチャレンジするようにと注文しました」

      株式会社キャステック
      代表取締役
      飯島 雷一朗 氏

  • ■ 課題

     

    実質的には「ひとり情シス」パソコン障害対応に苦慮

     

    キャステックは創業1937年、ダイキャスト金型用コアピン・インサート類の製作に特化した企業。自動車のエンジンやミッションなどの製造に必要な金型のコア部品をオーダーメイドで製作している。自動車は大量生産されるが、これら金型部品は一点もの。キャステックは長年の実績から顧客が持つニーズを熟知し、高品質な製品を顧客に届けている。今では拠点を日本とアメリカに持ち、取引先を世界各地へと広げているところだ。短納期、高品質、高信頼性が強み。2018年6月に3代目代表取締役に就任した飯島雷一朗氏は「積層造成機(3Dプリンタ)を導入するなど、新技術も採り入れています」と話す。

    ITのエンジニアは4名。いわゆる「情シス」は主に石川良尋氏が担う。IT戦略の立案、インフラの構築や運用管理、パソコンの資産管理や障害対応まで。ただし専任にはしていない。万が一、石川氏が不在の時に困るからだ。残りの3名は主にアプリケーション開発を担当し、時には石川氏の代わりに情シスの役割を担うときもある。逆に石川氏もアプリケーション開発担当を兼務している。実質的には情シスは石川氏のみだが、石川氏の器用さとフォロー体制もあり、「ひとり情シス」が成立している状況だ。

    なおアプリケーション開発は少人数だが本格的。特に工程管理システムは30年前から自社開発している。CAM(コンピュータ支援製造)のプログラムが自社業務に最適化されていることもあり、自社で開発と保守を続けている。長年磨きあげたアプリケーションは競争力の源泉にもなっている。

    石川氏の手を煩わせていたのがパソコン障害対応や問い合わせ対応。パソコンは工場内に70台、オフィスなどに60台、合計130台ある。多いときは2日に1台が障害を起こしていた。石川氏はこう説明する。「工場内はオイルミストなどパソコンにはいい環境ではなく、HDDなどの部品に障害が起きやすい状況でした。工場のパソコンは工程の実績入力に用いているので、故障すると早く復旧しなくてはなりません。この復旧には半日から1日かかっていました。開発を中断して障害対応すると、自席に戻ってもすぐには開発の思考に戻れません。開発が佳境の時は、問い合わせには応じない時間帯を設けることもありました」。情シスと開発を兼任しているため、時間管理や生産性維持に苦労していた。

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    • 「パソコンの復旧で半日から1日かけていた作業が15分に。
      業務やアプリケーション開発を中断することがなくなりました」

      株式会社キャステック
      システム課
      係長
      石川 良尋 氏

  • ■ 解決のアプローチ

     

    デスクトップ仮想化ソリューション(VDI)PowerEdge VRTXでHA冗長構成化

     

    キャステックでは以前のシステム更改でサーバーを仮想化し、ファイルサーバー、データベースサーバー、アプリケーションサーバーを2台のESXに統合した。目的は主にリソース効率化だったものの、石川氏は「運用管理が楽になりました。特にアプリケーションのテスト環境を準備する時、仮想化してあるとすごく楽だと分かりました」と話す。

    仮想化のメリットを強く実感できたことで、石川氏は「それならパソコンもやろう」とデスクトップ仮想化統合ソリューション(VDI)に踏み切ることにした。VDIならパソコンの復旧も早くできる。今回のシステム更改では、パソコンはWindows10にアップグレードするのと同時に、全社でVDI化(VMware Horizon View使用)を進めることにした。

    サーバーはHA冗長構成にすることとVDI導入を要件とした。最終的に要件とコスト面でフィットしたのがコンバージドインフラとなるPowerEdge VRTX。5Uのシャーシにサーバー、ストレージ、ネットワーク、管理機能がコンパクトに収まり、システム管理はシンプルで効率的に行える。前回のシステム更改で導入したサーバーラックはそのまま、中身を入れ替えた。特別な冷却装置は必要ないため、サーバーは倉庫の一角で稼働している。

    Dell EMCを選んだ理由として、飯島氏は「前のシステム更改もDell EMCさんに任せました。この5年間、サーバーでは1度たりとも障害は起きていません。これは大きな実績です。今回も続けてDell EMCさんに任せようと思いました」と話す。

    また今回のシステム更改では、キャステックはDell EMCのコンサルティングサービスを利用した。これは情報システム戦略の立案だけではなく、プロジェクトの進捗管理もカバーしている。石川氏は「スケジュールや作業のチェックポイントがきちんと管理され、月に2回のミーティングでプロジェクトの進捗を確認しました。すごく分かりやすく、満足しています」と話す。先述したように、石川氏は「ひとり情シス」だ。普段から運用管理とアプリケーション開発を抱えている。もしシステム更改の作業を石川氏が全てやるとなると、普段の業務が回らなくなってしまう。そこでシステム更改のプロジェクト管理タスクをコンサルティングサービスが担うことで、石川氏に多大な負担を背負うことなく安全に進めることができた。サーバーのシステム更改プロジェクトは2018年2月から3ヶ月間で完了し、クライアントのVDI化は段階的に進めている。

  • ■ 成果

     

    半日から1日かかるパソコン復旧作業が15分に 働き方改革にも

     

    今回の得られた効果で最も顕著なのがパソコン復旧作業の短縮だ。これまでパソコンに障害が起きると、復旧するまでに半日から1日費やさなくてはならなかった。VDI化した今では15分もあれば環境を再構築できる。工場内はシステム更改とは別に、粉塵対策を強化したこともあり、システム更改後はまだパソコンでハードウェア障害が起きていないという。「ひとり情シス」の石川氏の肩に大きくのしかかっていたパソコン障害対応は大きく減り、石川氏は「開発作業を中断することがなくなりました。まだ成果としては形に出ていませんが、開発に集中できるようになりましたので、今後アプリケーションの質向上に貢献できると期待しています」と話す。

    VDIにすることで、ユーザーに使い勝手が変わるなどの影響は出ていない。一般的にVDIではストレージIOに負荷がかかることもあり、PowerEdge VRTXのストレージはオールフラッシュを採用することで性能を高めている。石川氏によると「厳密にはアプリケーションの表示が一瞬遅くなりますが、ユーザーから苦情が出るほどではありません」。飯島氏は「システム更改を経ると何かが変わる可能性があるのに、いい意味で何も変わりませんでした。同じ運用と使い勝手を継続できてよかったです」と話す。

    VDIはまだ目に見えない将来のメリットも含まれる。セキュリティや安全性を確保しつつ、ワークスタイルにも自由度を与えることができる。システム更改の前後で期せずして、遠方に引越する社員や再就職を希望する元社員がいて、今ではこの2人がVDIで在宅勤務をしているという。VDI導入で貴重な社員の雇用を守ることができた。キャステックでは企業内保育を実現するなど福利厚生や次世代への取り組みに積極的で、埼玉県の「多様な働き方実践プラチナプラス企業」に認定されている。

    全体を振り返り、飯島氏は「サーバーは決して安い買物ではありません。ゴーサインを出す前に、サーバーを『データを残すだけのもの』にするのではなく、何か新しいことにチャレンジするようにと注文しました」と言い、石川氏は「今回はサーバーのHA冗長構成とVDIが実現できてよかったです。現在はまだ社内システムのほとんどがオンプレミスですが、今回のシステム更改ではクラウドサービスに移行しやすい環境になれたと思います」と話す。現在だけではなく将来に向けた柔軟性にも目を向けている。

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