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    一貫性を確保する:無秩序に拡大したマルチクラウドの複雑さを軽減するべき6つの理由

    マルチクラウドで広がる可能性と課題

    現代のビジネス環境では、パブリック クラウドとプライベート クラウドを組み合わせた複数のクラウド プラットフォームが活用されていることは間違いありません。実際、企業は平均で5つのクラウド プロバイダーを併用しています。このマルチクラウド戦略は柔軟性の提供という点で優れています。可用性、コスト、パフォーマンス要件が異なるアプリケーションの開発と運用であってもマルチクラウドなら必要な機能をすべて利用できます。

    ただし、Moor Insights & Strategy(MI&S)社は2019年12月のホワイト ペーパーで次のように指摘しています。「異種クラウド環境での運用における課題は、クラウド プラットフォームごとに別々のツール セットを使用するという状況に陥りやすいことです。特に、パブリック クラウドの場合はそれが顕著です」(「Dell Technologiesが提供する一貫性のあるハイブリッド クラウドによって実現される企業独自の柔軟性」参照)

    では、このような異種クラウドが増大すると、どうなるでしょうか。Moor Insights & Strategyのホワイト ペーパーによると、組織のIT部門がアプリケーションを管理する際の一貫性の確保が非常に困難になることが確認されています。このため、ポリシーの適用からセキュリティ、コンプライアンス、コスト管理、サービス レベルごとのメンテナンスまで、あらゆる面で妥協を余儀なくされる可能性があります。

    パブリック クラウドのメリット

    パブリック クラウドは、アプリケーション チームに卓越した俊敏性を提供します。開発者は一般的に、短期間の作業ですぐに使用できるコンピューティング能力を必要としています。また、パブリック クラウドは柔軟性も高いため、占有容量が一定ではないアプリケーションのコストを削減するとともに、最悪のシナリオにおいても高可用性を確保することができます。

    • 柔軟性と豊富な機能およびサービスにより、迅速にアプリケーションを開発できる
    • 容量の消費量の変動が激しかったり、予想が難しかったりするアプリケーションで節約できる
    • ディザスター リカバリーなど、特定のユース ケースのコスト効率が高まる

    プライベート クラウドのメリット

    パブリック クラウドに多くのメリットがある一方、プライベート クラウドもさまざまなユース ケースで最適な選択肢です。特に、パフォーマンス、制御、セキュリティ、コンプライアンス、コスト、場所に関して特定の要件を持つアプリケーションに最適です。

    例えば、プライマリー システム オブ レコードとして使用されるトランザクション負荷の高いシステムは、パブリック クラウドでは対応できないほど高いスループットと低いレイテンシーを必要とすることが一般的です。また、医療、行政、金融サービスなどにおけるアプリケーションでは、法令遵守のためにプライベート インフラストラクチャが必要とされています。

    • 特定の帯域幅とレイテンシー要件に対応する
    • アクセス、場所、および構成を完全に制御し、ポリシー、セキュリティ、コンプライアンス、データ主権の各要件に対応する
    • 容量の消費量を予測でき、アプリケーションのコストを最適化できる

    両方のメリット:ハイブリッド クラウド

    Moor Insights & Strategyのホワイト ペーパーによると、「パブリック クラウドとプライベート クラウドは非常に相補的な関係にあります。これらのオプションによって、実験開発から実稼働環境への移行や、予測不可能な容量ニーズから比較的一貫性のある占有容量への移行など、アプリケーション ライフサイクルのさまざまな段階に対応した特定用途向けのクラウド インフラストラクチャ ソリューションが実現します」。

    重要なのは一貫性

    しかし残念ながら、こうした柔軟性をすべて活用すると、予期せぬ結果として管理の複雑さが生じてしまいます。複雑になりすぎたマルチクラウド環境に苦労している組織は、至るところで見られます。

    企業がこのような複雑さにどのように対処しているかを調査するため、先頃、Enterprise Strategy Group社がパブリック クラウド インフラストラクチャと最新のオンプレミス プライベート クラウド環境を併用している大企業および中堅企業のIT導入決定者1,257名に対してグローバル アンケートを実施しました。ESGの調査結果によると、時間の経過とともに断片化が進むのは間違いないと見込まれており、多くの組織がポリシー、セキュリティ、コンプライアンス、コストの最適化を完全に管理できる一貫性のあるツール セットを必要としていることがわかりました。

    当然、調査対象の組織はクラウド管理のシンプル化に非常に大きな価値を置いていますが、高度な管理の一貫性を実現している組織はほとんどありませんでした。ESGは、クラウド管理ツールを統合しているかどうか、そうしたツールをオンプレミスで幅広く使用しているかどうか、パブリック クラウドとプライベート クラウドにわたってそれらのツールを使用しているかどうかを質問しました。この3つの基準をすべて満たしている組織は、わずか5%でした。

    数字が証明:一貫性のあるクラウドに期待される効果

    オンプレミス、プライベート、パブリック クラウド インフラストラクチャにわたって一貫性のあるインフラストラクチャ管理における価値について質問したところ、期待している効果として以下の回答が挙げられました。

    19%
    平均でのコストの削減
    30%
    平均での停止の削減

    無秩序に拡大したマルチクラウドの複雑さを軽減するべき6つの理由

    マルチクラウド管理の複雑さに直面している組織のために、クラウド管理ツールを統合してシンプルにするべき6つの理由とメリットを挙げます。

    1一貫性を高めてITの運用効率を促進

    運用タスクに費やす時間を最小限に抑えることができれば、ITは、ハイブリッド クラウドに対する戦略的な取り組み、デジタル トランスフォーメーション プロジェクトでの基幹業務部門との連携、イノベーションや競争上の差別化を推進するための新たな方法の検討など、より価値の高い仕事に従事できます。

    では、基本的なタスクを最適化するにはどうすればいいでしょうか。1つの方法は、管理者が必要とする管理コンソールの数を最小限に減らすことです。ツールの切り替えを減らすことで、管理者は異なるインターフェイスと機能の違いに悩まされることなく、生産性を迅速に高めることができます。ツールを少なくすると、関連するトレーニング サービスやコンサルティング サービスのリソースも減らすことができます。

    ESGの調査によるデータもこれを裏付けています。回答者の78%が、クラウド管理の一貫性が向上すると運用の効率化とシンプル化が進むと答えています。節約された人時間を定量化すると、平均で1週間あたり70.5時間という回答が得られました。これは、フルタイム社員の約2人時間に相当します。

    78%
    一貫性が向上すると、管理効率が向上し、運用がシンプルになると回答した人の割合。

    2一貫性を高めて効率的な開発を実現

    インフラストラクチャ環境の一貫性を高めることは、ITチームの支援だけでなく、開発チームの支援にもつながります。

    ESGの調査によると、ほぼすべてのIT導入決定者が、一貫性が向上すると開発効率も向上すると考えています。97%が、1つの環境を対象に開発するだけでよくなるので、開発者の負担が軽くなると回答しています。また96%が、開発者がコードを本番稼働環境にプッシュしやすくなると述べています。過半数の組織(56%)が、クラウド間の一貫性を高めることで毎日コードをプッシュできるようになると考えています。

    こうした一貫性の向上により、アプリケーションの要件に基づいてオンプレミスでもパブリック クラウド インフラストラクチャでも、任意のインフラストラクチャにコードを柔軟にデプロイしつつリリースを迅速化でき、後日デプロイ先を変える必要が生じたときも、アプリケーションをリファクタリングする必要がなくなります。

    56%
    クラウドの一貫性を高めることで、毎日コードをプッシュできるようになると回答した人の割合。

    事例:レウミ銀行

    ハイブリッド クラウドでのバンキングがビジネスを変革

    レウミ銀行では、Dell Technologiesによって構築されたハイブリッド クラウド モデルを採用し、従来は数週間を要する本番環境へのコード移行が数時間で完了できるようになりました。

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    3一貫性を高めてリスクを低減

    クラウド インスタンスを適切に構成し、パッチが効率的に適用されるようにしておくことは、不正アクセスやデータ ロスを回避するため、また、攻撃に関連するダウンタイムを最小限に抑えるために重要です。異なるプラットフォーム上で実行されるクラウド インスタンスの数が増加すると、適切なセキュリティと構成を維持するのが難しくなります。

    解決策としてパブリック クラウド ベンダーを1つに整理することも考えられますが、これには、インフラストラクチャの価格変更、SLAの修正、コンプライアンスの遵守義務に伴う問題、単一ベンダーのテクノロジー ロードマップへのロックイン、その他さまざまな「単一障害点」のリスク要因にさらされるおそれがあります。

    別の解決策は、クラウド インスタンスの管理を単一のインターフェイスに統一して、管理者にとっての可視性を高め、構成やパッチ適用の死角をなくすことです。ESGの調査では、回答者の約4人に3人(74%)が、一貫性の向上によってリスクが軽減され、セキュリティが強化されることに同意しています。

    4人のうち3人
    クラウド管理の一貫性がリスクを軽減し、セキュリティを強化すると回答した人の割合

    4一貫性を高めてワークロード モビリティーを向上

    ESGの調査によると、5社のうち4社以上が、テクノロジー関連の取り組みの上位5位の中に、必要な場所に自由にワークロードを配置できることを挙げています。また、ほぼ同数(74%)が、インフラストラクチャの一貫性を高めることはクラウドのオンボーディングと移行に役立つと認識しています。

    回答者は、複数のクラウドにわたるインフラストラクチャ管理の一貫性が高まると、アプリケーションを実行する場所を変更するのにかかる時間が平均で35%短縮されると考えています。つまり、あるクラウドから別のクラウドにワークロードを移行する(またはオンプレミスに戻す)作業に通常3か月かかる組織の場合、丸々1か月、作業期間を短縮できることになります。

    クラウド管理の一貫性の向上により、クラウド移行の推定作業時間は平均で35%短縮できると考えられている
    35%
    クラウド移行の推定作業時間の短縮

    事例:イリノイ州

    ハイブリッド クラウドにより5年間で2,600万ドルを節約

    イリノイ州では、市民により良く効率的なサービスを提供するためにデジタル窓口を設置しました。

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    5一貫性を高めてコストを削減

    アプリケーションがよりポータブルになるにつれて、組織はワークロードの実行場所をリアルタイムで調整できるようになり、クラウド間の経済的条件の変化(パブリック クラウド プロバイダーが料金を値下げする、テクノロジーの更新によりオンプレミスの運用コストが劇的に低下するなど)をうまく活用できるようになります。

    こうした技術的な影響はコストに直接影響します。ESGの調査によると、10人のうち約7人の回答者が、クラウド管理の一貫性が向上すると全体的なコストが減少し、平均で19%節約できると予測しています。

    10人のうち7人
    クラウド管理の一貫性が高まれば全体的なコストが減少すると予測している回答者

    6一貫性を高めてビジネスの敏捷性を向上

    データとソフトウェアは、企業の「秘伝のソース」となることがよくあります。例えば、自動車メーカーがIoTを利用した予測メンテナンス アルゴリズムでダウンタイムを削減したり、石油/ガス企業が人工知能を利用して資源埋蔵の予測精度を上げたりしています。テクノロジーのイノベーションは、ビジネスのイノベーションを推進します。

    クラウド管理の一貫性を高めることで期待されるテクノロジー上のメリットは、ビジネスの敏捷性も高めることです。アプリケーション開発者がコードをプッシュする頻度が増えることで、新しい機能を迅速にリリースできるようになります。IT運用チームは、インフラストラクチャの日常的な障害修正タスクに煩わされることがなくなり、基幹業務部門と共同作業に取り組むことができます。

    ESGの調査によると、回答者は、管理の一貫性の向上により、リリース サイクルや製品サイクルを平均で6.1週間短縮し、1年に正味5.2個の新しい製品またはサービスを市場展開できると見込んでいます。クラウド管理の一貫性は、組織のイノベーションを一変させる可能性を秘めています。

    予測されるリリース サイクルおよび製品サイクルの短縮期間
    6.1週間
    (平均)

    事例:Baillie Gifford社

    ITサービスの提供を迅速化

    資金管理サービス会社がハイブリッド クラウドをどのように活用しているのかをご覧ください。

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    一貫性のあるクラウドの運用モデルは変革の切り札

    最先端の統合型クラウド管理とオーケストレーションを導入している組織は、セキュリティから俊敏性、コスト削減まで、既に大きな利益を得ています。ESGの調査によると、期待を上回るペースで得られたメリットもあるということです。

    クラウドへの移行に取り組んでいる組織は、移行に乗り出したばかりで失敗を恐れている段階であっても、運用をシンプル化してクラウドの効率性と効果を高めるために、一貫性のあるインフラストラクチャ管理環境に移行する最適な方法について綿密な分析を行う必要があります。

    プライベート インフラストラクチャから大手パブリック クラウド(AWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platform)まで、複数のクラウド環境にわたって一貫性のあるインフラストラクチャと運用を提供できるのは、Dell Technologies Cloudだけです。さらに、サブスクリプション/リースまたは使用量ベースで4,200以上のクラウド パートナーのサービスを活用できます。当社は、無秩序に拡大したクラウド管理で多くの組織をサポートしてきた実績があります。皆様の組織でもお手伝いさせていただきます。

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    • 免責事項:Dell Technologies、VMware、Intel Corporationの委託によるESG Research Insightsのホワイト ペーパー『クラウドの複雑さに立ち向かう:混沌としたマルチクラウド環境の管理を統一してシンプルにするべき理由』(2020年2月)。11か国の1,257人のIT導入決定者を対象として、パブリック クラウドとモダン オンプレミス プライベート クラウド インフラストラクチャの両方にわたって一貫した運用管理をベンチマーキングした調査結果に基づいています。実際の結果は異なる場合があります。レポート全文:https://www.delltechnologies.com/en-us/cloud/analyst-reports/solutions/cloud-complexity-imperative.htm