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    お客様の事例

    ヤンマーパワーテクノロジー株式会社 / ヤンマー情報システムサービス株式会社

    • 最先端の高性能エンジン開発環境を vGPUで提供して開発効率を向上

      ヤンマーパワーテクノロジーでは、最新鋭のエンジン開発のためにデル・テクノロジーズのPowerEdgeを導入し、vGPU/VDI 環境や計算専用のサーバクラスタを構築している。

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    • ビジネス課題

      物理ワークステーションでエンジンのモデル作成、解析、結果処理などを行っていたヤンマーパワーテクノロジーでは、NVIDIA vGPU の発表とともに作業の効率化などを求めてスモールスタートでVDI 環境を運用していた。その後、VMwareのvGPU対応が発表されると、VMwareにVDI 環境を統一する検討をはじめ、そのインフラとなる高性能サーバーを探していた。

    • 導入効果

      • 複数の高性能エンジン開発プロジェクトを並行させながら成功に導いた
      • これまで8人までしか同時に行えなかった作業を20人+αで行える
      • 自席でモデル作成、解析、結果評価が可能となり、データ転送などの手間もなくす
      • リモートワークに対応でき、設計者やエンジニアの在宅勤務を可能に
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        「いくつかの候補の中でも、デル・テクノロジーズは我々のCAE解析環境を一から見直す提案を行ってくれました。
        おかげで、これまでは考えていなかった開発効率を大きく向上できる環境を構築することができました」

        ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
        小形事業部開発部
        開発マネジメント部主幹
        上里晃一 氏

    • 物理ワークステーションの課題を 解決するテクノロジーを模索

      1912年に創業したヤンマーは、1933年に世界で初めてディーゼルエンジンの小形実用化に成功した産業機械メーカーで、産業用エンジンを柱に、農業機械や建設機械、マリンエンジン、エネルギーシステムなどのさまざまな分野に事業を拡大し、グローバルに展開している。産業用エンジンの開発・生産を担うヤンマーパワーテクノロジーは、ディーゼルエンジンのマザー工場と位置付けられているびわ工場を中心に、主要部品の鋳造から組立まで一貫した生産を行い、独自に発展させてきたヤンマー生産方式を徹底し、年間2,000 機種以上に及ぶ多品種エンジン生産を可能としてきた。

      「産業用エンジンには、耐久性や信頼性、整備性はもちろんのこと、高度な環境性能、さらにはコンパクトかつ高出力なものが求められるようになっています。このような市場要求に対応するため新規開発した高出力産業用ディーゼルエンジン4TN101(105kW)および4TN107(155kW)を2018年4月に発表しました。また、ガスエンジンやハイブリッドエンジン、デュアルフューエルエンジンなどのさまざまなニーズも生まれてきています。我々は、2019年1月に液化石油ガス(LPG)を燃料とした産業用ガスエンジン4TN88G(45.0kW)と4TN98G(63.0kW)の2 機種を開発し、今後はLPGとガソリンを切り替えて利用できるBi-fuel 仕様の追加も予定しています。また、トヨタ自動車と覚書を締結し、MIRAI 用燃料電池ユニットと高圧水素タンクをマリナイズして使用する船舶用燃料電池システムを開発し、2020年度内を目標に実証試験を開始し、実用化を目指すなど、新しい技術へも積極的に挑戦しています」とヤンマーパワーテクノロジー株式会社小形事業部 開発部 開発マネジメント部主幹の上里晃一氏は説明する。

      高品質なエンジンを開発するには実機による試験評価はもちろんのこと、設計初期段階からのCAEによる解析も重要だと上里氏は説明を続ける。「エンジンの開発では、構造、機構、振動、音、熱、流体、燃焼など様々な物理現象を対象とした解析評価が必要であり、評価項目が多く計算負荷も高いためマシンパワーが必要となります。以前は、1つのエンジン開発プロジェクトを終えてから新たなプロジェクトに移行するスタイルだったので、解析業務は数台の物理ワークステーションで賄えていました。しかし、多種多様なエンジンを開発することが求められてくる中、物理ワークステーションを増強していった結果、設置スペースやファン騒音、発熱などの問題が顕在化していくことになりました」。

      また、ヤンマーパワーテクノロジー株式会社小形事業部 開発部 陸用第三技術部の杉本正人氏も、当時を振り返って次のように話す。「解析データが各ワークステーションに乱雑に保存され無管理状態でした。またログイン状態で放置されることがあり、作業途中で離席しているのか、ワークステーションが空いているのかを判断できない事が問題でした。また解析計算を行うためには、自席のPCからワークステーションにデータを転送し、作業するために離れた場所にあるワークステーションに移動する手間もあり、効率的にできないかと悩んでいました」。

      ワークステーションの画面を転送するような仕組みを試してみたが、導入には至らなかったというヤンマーパワーテクノロジーでは、2013年にNVIDIA GRID vGPUが発表されたことを機に、vGPUによるVDI環境の導入検討を開始する。

    • 開発環境を一から見直す 提案力の高さでPowerEdgeを採用

      ヤンマー情報システムサービス株式会社システムエンジニアリング部ものづくりITグループの松田亮氏は次のように話を続ける。

      「2014 年vGPUをテスト・検証していき、ある程度使えるという確証が得られたため、2015年からは既存の物理ワークステーション4 台に、4 台分のVDI を提供するvGPU 環境を追加しスモールスタートで運用を開始しました。しかし、当時のvGPUはCitrixしかサポートしておらず、我々としてはサーバー仮想化などで使い慣れているVMwareが利用できないかと考えていました」。

      2015年にVMware HorizonでvGPUが利用できることが発表されて以降、上里氏、松田氏は物理ワークステーションを排し、2つのハイパーバイザーを併用してvGPUを使ったVDI 環境を提供し、将来的にはVMware Horizonへ統一することを検討し始める。「2016年から、高出力ディーゼルエンジンおよびガスエンジンを同時並行で開発することになりました。短期間で開発を成功させるためには、多くの解析評価により品質、性能を担保する必要があります。4台のワークステーションと4台分のvGPUでは能力不足と考え、増強のためVMware HorizonによるvGPU環境を構築することにしました」。

      VDI 環境を稼働させる高性能サーバーを探していた同社では、複数の候補を検討し、最終的にデル・テクノロジーズのPowerEdgeを採用しているが、その理由を上里氏は次のように話している。「デル・テクノロジーズの担当者と解析業務の内容と必要なマシンリソースについて議論を重ねた結果、モデル作成、計算、結果処理を同じワークステーションで行うことが効率的かを見直すための提案をしてくれました。確かに、計算時はGPUのパワーは不要で、モデル作成時にはCPUパワーが余ってしまいます。この提案が、コンピューティング環境を再定義するきっかけとなり、CAE解析業務のあるべき姿を一から見直すことができました。モデル作成や結果処理などはvGPU環境で行い、計算はサーバーで実行する構成としました。計算専用のサーバーは2016年に導入/ 運用開始し、2017年にサーバーを追加しクラスタ構成としています」。

      また、松田氏も次のように話を続ける。

      「他のベンダーは、技術的な質問をすると、それぞれ専門の担当者に聞かないと満足な回答を得られず、また、複数の分野にまたがった質問をすると社内へ持ち帰ってからの回答という事が少なくありませんでした。デル・テクノロジーズは、どんな質問をしても、担当者が適切なアドバイスも含めてレスポンス良く回答してくれるので、任せても安心できるという信頼感につながりました。今回、解析アプリケーションの要件でLinuxを初めて利用することになったのですが、これらに関する質問にも的確に答えてもらい助かりました。計算サーバーをクラスタ化する際にもリソース配分などの有益な情報を共有して頂き、最適なソリューションを提供して頂いたと思っています。また、プロサポートを利用した際、ソフトウェアやハードウェアの垣根を作らず、円滑にサポートしてくれるのも満足しています」。

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    • また、松田氏は、商用版の管理ソフトウェアでは機能面、コスト面で最適なものが見つからなかったため、OSSを活用してジョブ管理、リソース管理、ライセンス管理を一元的に行える仕組みを作り、解析VDIクライアントや計算用サーバーの稼働状況を一目でわかるようにしている。これらの仕組みを構築する際にもデル・テクノロジーズのアドバイスが非常に役立ったことも明かしてくれた。

      一方で、20 種類以上のCAEソフトウェアを利用している小形事業部では、多くのソフトウェアが仮想環境での動作を保証していないため、vGPU環境に統一する際にすべてのソフトウェアの動作検証が必要で多くの手間がかかったといい、これらの作業は杉本氏を中心に行っていったという。「使いやすさや計算結果の見やすさを中心に検証していき、不足しているところは独自に作り込んでもらいました。20種類以上のソフトウェアが毎年バージョンアップするので、検証作業はバージョンアップのたびに入念に行う必要があり、平均すると月に1回以上は検証作業が発生していくことになります。導入すれば終わりではなく、利用可能な状態を維持していくために、継続的な検証やメンテナンス作業を行っていくことが重要だと考えています」と杉本氏は話している。

      2016年から複数のハイパーバイザーを併用してvGPU環境を提供してきたヤンマーパワーテクノロジーだったが、管理運用工数を削減するために2019年にはVMware Horizon へ統一し、現在は20台分のVDI 環境を提供しているという。「導入したシステムは、大きなトラブルもなく運用できています。本稼働中にネットワーク機器の障害が発生し、冗長構成が想定通りの動作をせず、ハングアップしてしまうという問題が発生した際も、直ちにデル・テクノロジーズが責任を持って対処し、問題解決してくれました。原因追求だけでなく、恒久的な再発防止策まで提案してくれた事に、信頼できるベンダーであると改めて感じました」と松田氏は話してくれた。

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        「vGPUを使ったVDI 環境が提供されることで、自席から物理ワークステーションへの移動や、モデルのデータを1時間以上かけて転送する手間がなくなり、効率的に解析業務を行っていくことができるようになりました」

        ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
        小形事業部開発部
        陸用第三技術部
        杉本正人 氏

         

    • 開発効率や生産性を向上させて リモートワークにも対応

      「新たなvGPU環境の最も大きな成果は、スケジュールの遅延なく、複数の高品質なエンジンの開発を並行して成功させることができたことですね。以前の環境のままであったら、解析などが間に合わず、プロジェクトを進めていくことが非常に困難だったと思います」と杉本氏は説明する。また、開発効率や生産性が向上したことも続けて話してくれた。「自席からデータを転送し物理ワークステーションに移動することがなくなり、必要なときに自席から解析を行うことができるようになったことは大きいメリットですね。大規模モデルではデータの転送に1時間以上かかることもあり、短時間で気になる箇所を簡易的に確認するために解析を行ってみるといったことは以前はできないことでした。すべてのワークステーションをVDIで利用でき、データもストレージで一元管理できるので、データ転送が不要で、必要な時にすぐに解析することができます」。

      以前は、物理ワークステーション4台と4台分のvGPUで、たとえば8つの解析業務が行われると他の作業を行うことができなくなっていたが、現在は20台分のvGPUが提供され、計算専用サーバーも用意されているため、20+αの作業を同時に行うことが可能となっている。

      また、新型コロナウイルスの感染拡大でリモートワークが注目されていく中、設計者やエンジニアであっても在宅で作業できるような環境を提供できることも大きなメリットになっていると松田氏は説明する。

      「環境を構築し始めたころは、グループ内のセキュリティポリシーなどの関係でVDIを使ったリモートワークは利用できておりませんでしたが、新型コロナ感染拡大に伴い、緊急措置として在宅勤務が必要となった際、円滑に必要なサービスを提供することができたのはよかったですね。インターネット環境があってVPN経由で社内ネットワークへ接続することができれば、在宅でも会社と遜色ない環境で解析業務ができます。今回のシステムを通して、ユーザーはローカルにデータを残せなくなり、セキュリティ面も向上しました。また、専用ストレージでユーザーデータを一元管理し、DR目的として毎晩、遠隔地へバックアップデータの複製を行っていますので、事業継続性の向上にも貢献できていると感じています」。

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        「デル・テクノロジーズは、技術的な質問、複数の分野にまたがった質問をしても、担当者がアドバイスも含めて的確な回答をすぐに行ってくれます。
        プロサポートを利用することで、丁寧なサポートを受けられることにも満足しています」

        ヤンマー情報システムサービス株式会社
        システムエンジニアリング部ものづくりIT グループ
        松田亮 氏

    • VDIの活用を広げ、利用状況を 投資の判断材料にしていく

      • 今後は、リモートワークだけでなく、さまざまな形でVDI環境を活用していきたいと上里氏は話す。「会議で解析結果などを交えて議論するときには、これまでは事前に複数視点の解析結果の図を用意していましたが、現在ではPCとプロジェクターがあれば、リアルタイムに結果を見ることができ、会議の効率も上がっています。今後は、社内遠隔拠点との解析結果の共有や、客先でのレビューにも活用するといった使い方も検討しています。そのためには、運用ルールなどをしっかりと決めていくことが重要と考えています。また、構築したVDI環境をベースにさらに活用範囲を広げ、今後も続くことが予測されるコロナ対策や、災害などの際の業務継続性を支えていくことも考えていく必要があると思っています」。

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        写真左より、上里晃一 氏、杉本正人 氏、松田亮 氏

    • また、最後に松田氏は次のように話してくれた。「計算用サーバーや解析VDI 環境をサーバー室に置き、監視ソフトウェアも作成しているため、以前よりトラブル発生時から復旧までに要するリードタイムが短くなり、非常に助かっています。また、ハードウェアやソフトウェアの利用状況を把握する目的で、ユーザー使用ログを集計して、定期レポートとして提供していますので、今後、どこに投資していくべきかの判断材料として活用することもできるようになりました」。

      一方、上里氏は今後の展望を次のように語り締めくくった。「一通りエンジン開発に必要な環境を整えることができましたが、まずはこの環境を維持していくことが課題と考えています。また、今後は運用していく中で明確になった改善点などを整理し、さらに完全な環境となるようにしていきたいと思います。今後のデル・テクノロジーズのサポートや提案にも、大きく期待しています」。

      ヤンマーパワーテクノロジーは、地球環境や社会への貢献も進めながら、今後も高品質な小形エンジンを確かな技術で開発していく。


    • ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
      ヤンマーは、1912年に大阪で創業し、1933年に世界で初めてディーゼルエンジンの小形実用化に成功した産業機械メーカー。現在は産業エンジンを軸に、アグリ、建機、マリン、エネルギーシステムなどの事業をグローバルに展開し、顧客の課題を解決するソリューションを提供している。
      2020年4月に組織再編を行い、ヤンマー株式会社のエンジン事業を管轄する主要部門が「ヤンマーパワーテクノロジー」と社名変更した。

       

      ヤンマー情報システムサービス株式会社
      ヤンマーの情報システム部門が1986年に機能分社化を行い設立された、ヤンマーグループ唯一のソフトウエア会社。ヤンマーグループで培われた生産管理・販売管理・経営管理までの一貫した情報処理の経験と技術、ノウハウを基軸に、ヤンマーグループの情報システム分野の機能会社としての役割を果たす。

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      お客様名 : ヤンマーパワーテクノロジー株式会社 / ヤンマー情報システムサービス株式会社
      業種 : 製造業
      場所 : 日本/大阪