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    お客様の事例

    株式会社サンジゲン

    • デルの1Uラック型ワークステーションで3DCGアニメーション制作をスタジオの制約から解き放つ

      3DCGアニメーション制作の領域で業界を代表する一社であるサンジゲン。同社では、デルの1Uラック型ワークステーション「Dell Precision 3930ラック型」を活用し、3DCGアニメーション制作の現場に変革のうねりを巻き起こしつつある。遠く離れたスタジオに設置されたワークステーションを使い、ごく小さな端末とモニターだけで3DCGを駆使したアニメーション作りを進める。そのための環境を構築し、制作のロケーションを自由に選べる世界を実現しつつある。

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    • ビジネス課題

      2006年の設立以来、事業をハイペースで拡大させてきたサンジゲンでは、制作現場のスタッフ数や拠点数が増え続け、制作現場で使うワークステーションの台数も相当数に上るようになっていた。その中で、ワークステーションの保守・運用管理の合理化と、制作現場におけるスタッフの自由な移動を実現するための有効なソリューションを⻑く探していた。また、3DCG表現の高度化に伴い、作品データのサイズが一挙に膨れ上がり、ストレージ容量も逼迫(ひっぱく)していた。

    • 導入効果

      • Dell Precision 3930ラック型の導入でリモートワークステーション環境を構築。ワークステーションの保守・運用管理の一元化と遠隔地からの利用を実現
      • モニターと小さなシンクライアントによる3DCGアニメーション制作を可能にし、制作現場におけるスタッフの柔軟な配置・移動を実現
      • 制作現場のドラスティックな省電力化によって、制作スタジオの移転・新設時に電源増強などの特別な施策を打つ必要性を低減させ、場所選びの自由度をアップ
      • 1Uラック型の省スペース設計でありながら、ハイエンドGPUカードと画像転送用カードの2枚を内蔵できるDell Precision 3930ラック型の採用により、サーバールームでのワークステーション設置スペースも必要最低限に
      • Dell EMC Isilon H400の採用により、3DCGデータの増大に柔軟、かつ容易に対応できるスケーラブルなストレージ環境を実現
      • ディスクの故障時にも、ストレージのパフォーマンスを維持し、業務への影響を低く抑えた無停止での復旧を可能に
      • Dell EMC Isilon H400の重複排除により、制作中の作品データの容量を60%削減
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        「Dell Precision 3930ラック型は、リモートワークステーション環境の構築を目指す私たちのビジョンにピタリと合致した製品でした。導入後も、期待どおりのパフォーマンスを発揮し、安定稼働を続けてくれています」

        株式会社サンジゲン
        システム・開発部 部⻑
        ⾦⽥ 剛久 ⽒

    • 株式会社サンジゲンは東京に本社を置く3DCGアニメーションの制作会社だ。2006年の設立以来、3DCGを駆使しながらTV、劇場、オリジナルアニメーションなどの作品作りに携わり、事業を急ピッチで拡大させてきた。それに伴い、スタッフの数、スタッフが使うワークステーションの台数、そして制作現場が扱うデータ容量の全てがハイペースで増え続けた。そうした中で、同社は、“リモートワークテーション環境の実現”という、3DCGアニメーションの分野では、ほとんど例を見なかった取り組みに着手。デルの1Uラック型ワークステーション「Dell Precision 3930ラック型」を本社のサーバールームに配備し、2019年5月に開設した立川スタジオで働くスタッフが、遠隔から活用できる環境を整えた。また同時に、Dell TechnologiesのスケールアウトNAS「Dell EMC Isilon H400」を導入し、作品データの増大によって深刻化していたストレージの容量不足の問題も解決している。

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        株式会社サンジゲン
        システム・開発部 部長
        金田 剛久 氏

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        株式会社サンジゲン
        システム・開発部 システムチーフ
        中村 公栄 氏

    • 急拡大を続ける事業と組織

      セル画を使った日本のアニメーションに強い愛着を持つクリエイターが集まり、最新の3DCGを駆使しながら、作品を作り上げる。そうしたスタイルを一貫して守りながら、日本をリードする3DCGアニメーションスタジオの一つへと成⻑・発展を遂げてきたのが、サンジゲンである。セルルック(セル画調)、あるいは日本風とされる同社の作風は、多くのアニメファンからの支持を集め、かねてから数々の人気作・話題作に参加してきた。最近も、TVアニメシリーズ『BanG Dream!』(通称バンドリ)や、それに続くTVアニメ『アルゴナビス from BanG Dream!』、ゲームソフトとのタイアップTVアニメ『新サクラ大戦』などの人気作品を手がけている。

      2006年の設立当初、同社のスタッフ数は数名だったという。それが10年後の2016年には150名強へと拡大、2019年末時点には約250名に達し、同社が「創造部」と呼ぶ、3DCG・デジタル作画・コンポジット(*1)の担当セクションだけでも、約200名のスタッフを擁するに至っている。本社以外にも名古屋、京都、福岡にそれぞれスタジオを構え、2019年5月には、創造部のメインの拠点として立川スタジオ(東京)を開設している。

      *1 : コンポジット:3DCGデータや実写映像などの複数の素材を合成することを指す。

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      作品例/『BanG Dream! 3rd Season』

    • VDIからリモートワークステーションへ

      このように事業と組織がハイペースで拡大を続けるなか、同社のIT部門であるシステム・開発部では、2012年ごろから、制作現場の各所に導入された多数のワークステーション(のリソース)をサーバールームで集中管理し、現場のスタッフが使う端末をシンクライアント化することを検討していたという。主眼は制作現場での“人の移動を楽にする”という点にあった。

      「当時から、制作現場のスタッフの数は猛スピードで増えていて、現場では人の席移動やレイアウト変更が頻繁に発生し、レイアウト変更に伴うLAN工事や配電工事のコストもかさんでいました。そこで、スタッフによる移動の手間や移動に伴うコストを最小限に抑えられるソリューションとして、現場のワークステーションをシンクライアント化する検討を始めたのです」と、システム・開発部 部⻑の⾦⽥ 剛久⽒は振り返る。

      シンクライアント化のソリューションとして、⾦⽥⽒が最初に注目したのはVDIだ。ただし、検証を重ねた結果、VDIを3DCGアニメーション制作の業務に適用するのは至難との結論に至ったという。VDIには相応の期待をかけていたのですが、3DCGやコンポジットのソフトウェアを動作させたところ、“映像と音声とのタイミングがズレ”る“データの欠損を伴わないロスレスの圧縮ができない”など致命的な問題がいくつか見つかり、結局、活用を断念せざるをえませんでした」(⾦⽥⽒)。

      VDIの活用を断念した、⾦⽥⽒が次に実現を目指したのはワークステーションとシンクライアントをLANで直結する“リモートワークステーション”環境だ。そして、その環境づくりに最適な製品として、デルの1Uラック型ワークステーション「Dell Precision 3930ラック型」に巡り合ったという。「リモートワークステーションの環境は、ワークステーション本体を1つの場所に集積していくわけですから、本体は省スペース設計であることが必須です。加えて本体には、GPUカードと画像転送用カードの2つが内蔵できなければなりません。その要件に合致していたのがDell Precision 3930ラック型で、この製品のほかに有力な選択肢は見当たりませんでした」(⾦⽥⽒)。

    • 専用線で結ばれた本社と立川スタジオにリモートワークステーションの環境を適用

      Dell Precision 3930ラック型の採用に乗り出したシステム・開発部では、1台の実機を検証用に導入し、3DCG制作用の「Autodesk 3dsMAX」やコンポジットソフトウェア「Adobe AfterEffects」などを動作させ、LAN経由でシンクライアントから利用するというテストを行った。結果、Dell Precision 3930ラック型は、3DCG制作やコンポジット業務などの実務に十分耐えうる性能を発揮することが確認されたという。

      この結果を受けて、システム・開発部がDell Precision 3930ラック型の本格導入に乗り出そうとしていたとき、立川スタジオの開設が決まり、本社にいた創造部のスタッフの大多数が、立川スタジオに移ることになった。それに伴い、本社と立川スタジオを10Gbpsの専用線で結ぶことになったという。というのも、本社の創造部は、本社内のサーバールームにあるレンダリングファームやストレージに対してLAN経由でアクセスしており、それと同様の利便性を立川スタジオに移ったスタッフに提供するには、立川スタジオと本社とを専用線で結ぶのが最善の方法だったからである。そして、この専用線の存在が、結果的にDell Precision 3930ラック型の本格導入を後押しすることになった。

      「リモートワークステーションの環境を、3DCG制作やコンポジットの実務に適用しようとした場合、そのネットワークはレイテンシー1ms程度の低遅延を実現しうることが条件でした。この条件を満たしながら、遠隔地間を結ぶことのできるネットワークは専用線しかありません。その意味で、専用線で結ばれた本社と立川スタジオは、リモートワークステーション環境が適用しやすい環境だったということです」(⾦⽥⽒)。

      こうして、Dell Precision 3930ラック型の本格導入に乗り出したサンジゲンでは、リモートワークステーションの最初の適用業務としてコンポジットを選択し、コンポジット担当者用に20台のDell Precision 3930ラック型を導入、本社のサーバールームに配備した。これにより、立川スタジオのコンポジット担当者は、手元にあるシンクライアントから、Dell Precision 3930ラック型にリモートでアクセスし、活用することが可能になった。結果として、コンポジット担当者は、スタジオ内での席移動が容易に行えるようになったほか、何らかの事情によって、本社オフィスで仕事をしなければならなくなった場合も、シンクライアントを携行していれば、本社のモニターを使ってコンポジットの作業を行うことができるようになった。

      また、20台のワークステーションがサーバールームに集中配備されたことで、保守・運用管理の面でも相応のメリットが生まれていると、システム・開発部のシステムチーフ、中村 公栄⽒は話す。

      「システム・開発部は6名体制で、うちIT機器の保守・運用管理の担当者は3名だけです。その人数で本社を含めて、全国5カ所の拠点に配備された多数のワークステーションの面倒を見るというのはなかなか大変なことです。今回、サーバールームに集中配備されたワークステーションは20台ですが、少なくとも、それらのセットアップやトラブル対応のために、本社と立川スタジオを行き来する必要はなくなり、保守のための移動時間が“ゼロ”にできました。今後、リモートワークテーションの適応範囲を押し広げていけば、さらなる効率化効果が見込めます」

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      サンジゲンのサーバールームに設置されたDell Precision 3930ラック型(上)、Dell EMC Isilon H400(下)

    • 「Dell EMC Isilon H400」で3DCGデータの急激な増大に対応

      サンジゲンでは、Dell Precision 3930ラック型によるモバイルワークステーション環境の構築と同じタイミングで、制作中の作品データを保存・管理するストレージをDell TechnologiesのスケールアウトNAS「Dell EMC Isilon H400」へと切り替えた。理由の一つは従来ストレージがリース切れのタイミングを迎えたことだ。もう一つの理由は、3DCGアニメーションの高精細化や表現の高度化によって、一つの作品の制作中に使用されるデータ容量が従来の2~3倍に跳ね上がり、容量を柔軟に拡張できるストレージが必要とされたことだった。Dell EMC Isilonは、コントローラーと複数のディスクが一体化されたノードによって構成されるNAS製品で、ノードの追加でデータ容量と性能を容易に拡張できる。また、万が一のディスク障害時にもデータを保護し、無停止での故障ディスクの交換も可能とする。そうしたDell EMC Isilonへの⾦⽥⽒の評価は高い。

      「Dell EMC Isilonで特に優れているのは障害に対する強さです。これまで使ってきたRAIDストレージも、システムを止めることなく故障ディスクの交換が行えましたが、交換後のシステム再構築中はストレージの性能がかなり悪くなります。それに対して、Dell EMC Isilonでは、ディスク故障が発生してもデータは保護されますし、故障ディスクの交換時も高いパフォーマンスを維持したまま稼働を続けます」(⾦⽥⽒)。

      また、Dell EMC Isilonの重複排除の仕組みも有効に機能しているようだ。

      「3DCGアニメーションの作品作りでは、3DCGのチームが作成したデータを、コンポジットのチームが使うなど、同じデータを複数の担当者が使いながら作業を進めるのが通常です。そのため、Dell EMC Isilon のようにキャパシティの大きなNASによって各チーム(セクション)のストレージを1つにまとめると、重複排除が有効に機能するわけです。当社の場合、およそ60%のデータ容量削減が実現されています」(⾦⽥⽒)。

      ちなみに、サンジゲンでは4ノード構成・240TB容量のDell EMC Isilon H400を導入したが、作品データは増大を続け、2020年内にはストレージ容量が不足することが予想されるという。そのため、ノードの追加導入もすでに視野に入れているようだ。

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        「Dell Precision 3930ラック型やDell EMC Isilon H400によって、制作現場が使うITリソースの保守・運用管理の効率性は大幅に向上しています。IT機器の保守・運用管理を担う社内の人的リソースに限りがある中で、この変化は大きな意味を持つと感じています」

        株式会社サンジゲン
        システム・開発部 システムチーフ
        中村 公栄 ⽒

    • スタジオの移転先・新規開設の 選択肢を広げる

      以上のとおり、サンジゲンではDell Precision 3930ラック型とDell EMC Isilon H400の導入により、サーバールームのITインフラを増強したが、一方で、立川スタジオにはサーバー系の設備は一切設置していない。これは、リモートワークステーション環境の構築がそうであるように、制作現場で使うITリソースは可能な限り本社のサーバールームに集中させ、スタジオ側のIT装備は可能な限り軽くするという考え方によるものだ。

      「制作現場のIT装備が“重たいまま”─つまりは、多数のワークステーションやサーバーを抱え込んだままであると、スタジオの移転・新設のたびに特別な電源工事や空調工事が必要とされ、コストがかさんでいく可能性が膨らみます。また、電力供給の問題から入居可能なテナントの選択肢も狭められてしまうでしょう。そのような状況を変えるには、やはりスタジオ側のIT装備はできるかぎり軽くする必要があるわけです」(中村⽒)。

      サンジゲンではリモートワークステーション環境の適用範囲を3DCG担当のスタッフへと段階的に押し広げていく計画だ。また、その際には、IDCのように電源や空調、セキュリティがすべて整えられるデータセンターに本社のサーバールームにあるIT機器を移設し、ITインフラの可用性を高めるとともに、保守・運用管理負荷のさらなる低減を図ることも検討している。

      「リモートワークステーションの環境を押し広げることで、立川スタジオの働く環境の自由度は一層高まり、フロアレイアウトの変更も気軽に行えるようになります。しかも、ワークステーションの保守・運用管理も工数も大きく減らせます。私たちがITで目指していることは業界ではまだ一般的とは言えませんが、方向性には間違いはないと確信しています」(⾦⽥⽒)。

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      お客様名 : 株式会社サンジゲン

      業種 : 映像情報制作・配給

      場所 : 日本/東京