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    お客様の事例

    沖縄科学技術大学院大学

    • 第2世代AMD EPYCに最適なPowerEdgeで世界的な科学研究を支援する

      沖縄科学技術大学院大学(OIST)は、学内のすべての研究者や学生が利用する計算基盤として第2世代AMD EPYCプロセッサーを搭載したPowerEdge C6525サーバーを採用した。

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    • ビジネス課題

      沖縄科学技術大学院大学の科学計算及びデータ解析セクションでは、すべての研究者や学生が利用する共通計算基盤をHPCクラスタで提供し、研究にかかるさまざまな計算をサポートしていた。常により高い計算能力を求める中、大学の成長・拡大により、研究分野、研究者、学生が増え、より高性能なCPUとサーバーを使ってコア数を増やしたシステムを構築する必要に迫られていた。

    • 導入効果

      • 第2世代AMD EPYCの性能を最大限に活用できるC6525を採用
      • 増え続ける研究分野、研究者、学生に対して、高性能なHPCクラスタを提供
      • 約7倍のCPU コアを実現し、大規模な計算や複雑な計算を可能に
      • 最新のiDRACとOSSの連携でBIOS設定・アップデート等の自動化
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        「第2世代AMD EPYCプロセッサーがリリースされましたが、CPUの性能を最大限に引き出すシステムがなければ意味がありません。
        さまざまなサーバーを検討し、PowerEdge C6525サーバーが最適であると判断して導入しました」

        沖縄科学技術大学院大学(OIST)
        科学計算及びデータ解析セクション
        セクションリーダー
        博士(工学)
        タユフェール・エディ 氏

    • 世界最高水準の研究をサポートするハイクオリティな計算環境を提供

      • 沖縄科学技術大学院大学(OIST:Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University)は、世界最高水準の科学技術の研究大学になるという高い目標を追求している大学院大学である。物理学、化学、神経科学、海洋科学、環境・生態学、数学・計算科学、分子・細胞・発生生物学などの多彩な研究分野があり、5年一貫制博士課程を置いている。教員と学生の半数以上(2020年5月時点の博士課程学生の外国人率は85%)を海外から採用し、教育と研究は全て英語で行うといった特徴もある。また、2019年6月にはイギリスのシュプリンガー・ネイチャー社が発表した質の高い論文の割合が高い研究機関ランキングで第9位となっている。日本国内の大学や研究機関でこのランキングのトップ10に入ったのは、OISTだけである。

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    • OISTでは、各研究グループが必要なものを個別に揃えるのではなく、すべての研究者と学生に共通する優れた施設と支援サービスを提供する研究支援ディビジョンを設けている。研究支援ディビジョンには、エンジニアリングや機器分析などのさまざまなセクションがあるが、科学計算及びデータ解析セクション(SCDA:Scientific Computing & Data Analysis Section)は、科学計算のための研究コンピューティング環境やストレージ、ソフトウェア、及び利用者へのトレーニングからデータの可視化まで、幅広いサポートを提供している。

      「計算能力の高い計算基盤をキャンパスワイドで提供することで、共同研究を行いやすくなるというメリットもあります。あらゆる研究分野で計算能力が必要となってきている中で、SCDAでは常に計算能力を向上させ、ハイクオリティな環境を提供することを考えており、これまで何度もHPCクラスタのアップデートを行ってきました。しかし、OISTは常に拡張し、研究者や学生の数も増え続け、2022年9月までに新たに第5研究棟の新営も行われています。増え続ける利用者や研究ニーズの多様化に対応するため、SCDAでは2019年に第4世代となるHPCクラスタを構築する検討を始めました」と沖縄科学技術大学院大学 科学計算及びデータ解析セクション セクションリーダー 工学博士のタユフェール・エディ氏は説明する。

    • 第2世代AMD EPYCの能力を引き出せるPowerEdgeサーバーを採用

      限られた予算の中で計算能力を高めていくために、どれだけ多くのノード数とCPUコア数を実現できるかが課題だったとエディ氏は説明を続ける。「新たなシステムを導入するにあたって、サーバーを提供する複数のハードウェアメーカーだけでなく、複数のCPUメーカーとも何度も話をして、ロードマップを聞いたり、ベンチマークテストの結果を聞きながら検討を繰り返していきました。情報収集する中で、AMDが第2世代AMD EPYCをリリースするという情報に注目し、AMDからも情報をもらっていました。以前、第1世代のEPYCを搭載したサーバーを検証したこともありましたが、第2世代AMD EPYCプロセッサーは7nm(ナノメートル)プロセスで製造され、パフォーマンスなどにも期待できると考えていました。たとえば、海洋シミュレーションなどでは並列計算なども多いのですが、こういった複雑な計算でも威力を発揮してくれるのではないかと期待していました」。

      しかし、エディ氏は、高速なCPUがリリースされるだけでなく、それをしっかり活用できるサーバーがなければ意味がないと説明する。「高速なCPUがリリースされるだけでなく、最適な形でしっかりとCPUを使えるシステムがあり、期待しているパフォーマンスを実現できることが重要です。実際に研究を行うためのシステムを必要としているので、プロトタイプではなく、実用的なサーバーで、熱処理や電源効率などの問題も解決でき、しっかりとしたサポートが受けられることなども重視していました」。

      2019年11月に競争入札を行い、導入するサーバーを決めることとなっていたSCDAは、それ以前から第2世代AMD EPYCプロセッサーを搭載するサーバーの情報を収集し、複数のメーカーからさまざまな提案を受けていたが、最終的にPowerEdge C6525サーバーを採用している。「ロードマップなどから将来的に第2世代AMD EPYCプロセッサー搭載のサーバーが出てくることがわかっていましたが、まだ実機や検証機がなかったため、各メーカーと話をしながら、マザーボード、CPU-メモリ間のスピード、熱処理や冷却、消費電力などの対応も確認していきました。それらの中で、最も第2世代AMD EPYCの性能を引き出すのは、PowerEdge C6525だと判断し、導入することに決めました」。

      OISTのSCDAでは、2020年1月に第2世代AMD EPYCプロセッサーを搭載したPowerEdge C6525を456台導入し、2カ月間のデル・テクノロジーズによる検証を経て、3月からHPCクラスタの構築を開始し、7月に構築を終えている。沖縄科学技術大学院大学 科学計算及びデータ解析セクション HPC及び研究用コンピューティング エンジニアの田仲康司氏は、導入から構築を次のように振り返る。「SCDAは、わずか5人のチームでさまざまな研究計算サポートを提供しており、今回のHPCクラスタの構築はほぼ私一人で行いました。新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、物理作業以外はすべてリモートで行いましたが、その際はiDRACのおかげで大変助かりました。緊急事態宣言による自粛のときにもiDRACが大活躍してくれました。リモートコンソールやBIOSの設定変更だけでなく、ハードウェアのトラブルシュートからサポートリクエストまで、すべてリモートでストレスなく進めることができました。また、デル・テクノロジーの営業はHPCのことをよく理解しており、率先してテクニカルサポートと我々の間に入って一緒にサポートしてくれて助かっています。我々の事情をよく知らないテクニカルサポートと直接やり取りすると、最初からの説明が必要になったりと、スムーズなやり取りにならない場合もありますが、彼らが間に入ってくれることでスムーズなサポートを受けることができ、非常に助かっています」。

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        沖縄科学技術大学院大学(OIST)
        科学計算及びデータ解析セクション
        セクションリーダー
        博士(工学)
        タユフェール・エディ 氏

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        沖縄科学技術大学院大学(OIST)
        科学計算及びデータ解析セクション
        HPC及び
        研究用コンピューティングエンジニア
        田仲 康司 氏

    • 約7倍のコア数を提供して計算能力を大幅に向上

      「PowerEdge C6525で構成されたHPCクラスタを提供するようになってまだ2か月なので、研究者や学生から明確なフィードバックは貰っていないのですが、計算能力やリソースが足りないといったクレームが目に見えてなくなっているので、みんな喜んでいると思います。スムーズに利用してもらえ、研究者や学生が行いたい計算をストレスなく行える環境を提供できていますね。サポートする我々としても、問い合わせが少なくなって楽になり、運用や設定の調整などに集中することができます」とエディ氏は説明する。

      また、田仲氏も次のように話を続ける。「以前の環境では、計算リソースが増え続けるニーズに追いつかず、、研究者や学生が行いたい計算が順番待ちしている状態でした。今回の導入で、コア数も約7倍に増え、大規模な計算もストレスなく迅速に実行できるようになりました。ストレージもAll Flashになっているため、ランダムにデータアクセスがあるような機械学習の計算なども高速に処理することができます」。

      利用者からは「以前よりも格段にパフォーマンスがあがった」と喜ばれてるとエディ氏は話す。「たとえば、構築後のテスト期間にトゥベール先生(衝撃波・ソリトン・乱流ユニット 、イミル・トゥベール准教授)が圧縮ナビエ-ストークス方程式(*)の計算でベンチマークを行ったところ、前世代のHPCより7倍以上もスピードアップしました。また、1ノード当りの比較では約6倍の性能に達しています。この結果はリアル・ワールド(彼らが実際に研究で行う計算)の比較なので、我々にとって本当に意味があります」。

      (*)流体解析の方程式

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        「学内のすべての研究者や学生がストレスなく計算を行って、研究に集中できるためのインフラを提供できたと思っています。
        デル・テクノロジーズはテクニカルサポートの対応もスムーズですし、ハード、ソフト共に使いやすく、OSSなどとも連携しやすい管理ツールを提供してくれるのもいいですね」

        沖縄科学技術大学院大学(OIST)
        科学計算及びデータ解析セクション
        HPC及び研究用コンピューティングエンジニア
        田仲 康司 氏

    • オープンソース(OSS)を積極的に活用してiDRACと連携させ運用効率を向上

      運用面では、デル・テクノロジーズが提供する管理ツールが役に立っていると田仲氏は説明する。「iDRACは、ハードウェア障害が発生したらすぐに知らせてくれるので、障害から交換までの時間を最短にすることができます。また、OpenManage Server Administrator(OMSA)を使って、iDRACのコンソールを見なくても、さまざまなことができ、数百台のノードに対してパラレルにコマンドを打つだけでヘルスチェックできるところも気に入っています。新しいiDRAC 9になって、Redfish APIが使え、OpenManage Ansibleモジュールなども使えるので、もう少し勉強してBIOSやファームウェアアップデートの自動化なども進める予定です。SCDAでは、OSのプロビジョニングからスケジューラーまで、OSSを使って構築し、セクション内やユーザーに向けてもOSSの活用を推奨しているのですが、欲しい機能をOSSと連携して実現できるようにしてくれるのは、非常にありがたいです」。

      エディ氏も、iDRACについて、次のように評価してくれた。「以前からiDRACを使っていましたが、新しいiDRAC9は非常に進化して、使いやすくなっていますね。実質的に我々2人で運用管理を行っている状態なので、RedfishやAnsibleと連携できることで自動化の幅が広がれば非常に助かると思います。今後もiDRACの機能進化や使いやすさ向上に期待したいと思います」。

      一方で、新たなHPCクラスタの効果が見えてくるのはこれからだと考えていると、エディ氏は説明する。「SCDAは、OIST内すべての研究グループへ計算資源を提供しています。したがって、その計算能力を上げることだけでなく様々な分野へ柔軟に対応することが我々の使命となります。そのための指標は、質の高い論文の数が増えてくることでしょうね。多くの質の高い論文が発表されることによって、OISTが世界からより高い評価を受けることができるようになればよいと考えています」。

      また、田仲氏は、SCDAが高性能なHPCクラスタを構築し、その能力を高め続けることの意義を次のように話してくれた。「海外から来られる研究者や学生も多く、研究フィールドも多様であるOISTで、すべての研究者や学生が使えるコンピューティングリソースを提供するというのは、非常に大きなチャレンジであり、やりがいのある仕事だと思っています。SCDAはHPCクラスタだけでなく、研究データ用のストレージについても共通リソースとして提供しています。すべての研究グループへストレージと計算リソースを集約的に提供することで、コラボレーションや共同研究を容易に行えるようにし、ユーザーが研究に集中できるような環境を作っていくことが重要です。高性能なHPCクラスタやストレージをSCDAが提供して、トレーニングやデータ可視化のサポートまで幅広くサポートしている環境があるからこそ、世界中から優秀な研究者が集まってきて、高度な研究を進めていけるのだと思っています」。

      OISTでは、今後も科学技術に関するさまざまな研究分野で高度な研究を行い、沖縄の地域振興に貢献しつつ、分野にまたがる共同研究や世界中の研究機関とのコラボレーションを続けて、世界有数の研究機関として活動を続けていく。

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      お客様名 : 沖縄科学技術大学院大学

      業種 : 研究機関

      場所 : 日本/沖縄