• お客様の事例

    麻生建築&デザイン専門学校

    • 3D CADから解析・VRまでを一気通貫で支える端末環境を構築学生の世界コンペ受賞に貢献

      建築分野とデザイン分野を融合した専門教育を展開している麻生建築&デザイン専門学校では、教育に用いる3D CADソフトを稼働させる端末としてデル・テクノロジーズ(以下、デル)のDell Precisionワークステーションシリーズを採用。3D CADによるモデリングのほか、解析、VRなど多彩な用途で学生の作品作りをサポートし、ダッソー・システムズの主催するコンペティション「プロジェクト・オブ・ザ・イヤー2021」にて世界第1位と第3位受賞にも貢献した。

    • 課題

      2年間の限られた教育の中で最大限の学習環境を提供するにあたり、学生が毎日自宅に持ち帰りいつでも作業が可能なモバイルワークステーションを探していた。また、3D CADによるモデリングだけでなく、自分がデザインした作品をVRや解析・シミュレーションにかけることで、デザインの意味を多角的に検討できる環境を整えようとしていた。従来のワークステーションでは、性能面や機能面、使い勝手などの面から、これらの要件を満たすことができなかった。

    • 導入効果

      • モバイルワークステーションを1人1台所有し、毎日持ち帰れることで、「3DEXPERIENCEプラットフォーム」をいつでも利用できるように
      • タワー型ワークステーションをVRや解析・シミュレーションに活用して、モデリングだけにとどまらない学びを提供できるように
      • 学生が持ち帰るモバイルワークステーションのほか、学校が所有するワークステーションをリモート活用することでコロナ禍でも柔軟な教育を継続
      • 充実した端末環境をフル活用し、ダッソー・システムズ主催国際コンペにおける1位、3位受賞にも貢献
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        「Dell Precisionワークステーションを導入したことで、以前からずっと抱いていた夢が少しずつ実現しはじめています。学生1人ひとりが自分でデザインしたかたちに対して、解析などを通じて意味をもたせる。それを一貫した環境の中で実施できるようになりました」

        麻生建築&デザイン専門学校
        教務部 副主任
        稲吉 貴博氏

      • 麻生建築&デザイン専門学校
        教務部 副主任
        稲吉 貴博氏

      • 麻生建築&デザイン専門学校
        クリエイティブデザイン学科
        プロダクトデザイン専攻
        谷 拓希氏

      • 麻生建築&デザイン専門学校
        クリエイティブデザイン学科
        プロダクトデザイン専攻
        宮崎 剛氏

    • 麻生専門学校グループは、学校法人麻生塾が1939年に設立し、福岡県内で13校を運営する九州最大規模の専門学校グループだ。同グループの1校として建築分野とデザイン分野に精通した人材を輩出しているのが、麻生建築&デザイン専門学校である。

      同校のクリエイティブデザイン学科プロダクトデザイン専攻では、学生の教育環境のさらなる充実を図るため、学生の推奨ワークステーションとして、モバイル型の「Dell Precision 5540」を選定。学内のワークステーションには、最新の3次元CAD(3D CAD)プラットフォーム製品を稼働させる端末としてタワー型の「Dell Precision 5820」やモバイル型の「Dell Precision 7550」を活用している。これらの多彩な端末環境によって、学生が快適に創作活動を行える環境を実現している。

    • 建築分野とデザインの融合で最先端の技術に対応できる学生を育てる

      麻生建築&デザイン専門学校は、建築工学科、建築士専攻科、建築学科、建築CAD科、インテリアデザイン科、クリエイティブデザイン学科(プロダクトデザイン専攻、ビジュアルデザイン専攻)の6学科を擁する。最新の3D CADソフトやBIM(Building Information Modeling)をいち早くカリキュラムに導入。中でもクリエイティブデザイン学科プロダクトデザイン専攻からは自動車業界や家具、シューズなど各種メーカーへ、建築系学科からは建設業界へ卒業生を多数輩出している。同校教務部副主任の稲吉貴博氏は同校の特徴についてこう説明する。

      「企業や団体と連携した教育活動を実施し、業界で必要とされている人材像を把握し、実際のカリキュラムに反映しています。全6学科は文部科学大臣より職業実践専門課程として認定されています。2019年には、ダッソー・システムズと共同で、学校内に『ASOラーニング・ラボ(ASO Learning Lab)』を開設しました。3Dプリンター、VRヘッドセット、液晶タブレットなどを完備し、最先端の技術に対応できる力を身につけられる環境を整えています」

      ASOラーニング・ラボで利用する機材の1つに、デル・テクノロジーズのワークステーションである「Dell Precisionワークステーション」シリーズを採用し、3D CADによる設計や解析、VR向け解析・シミュレーションなどの高度なコンピューティング環境を快適に利用できるようにしている。

      「学生1人ひとりに3D CADを持たせることが私の昔からの夢でした。学内の端末にしかソフトウェアが入っていなければ、学校が長期の休みに入るとソフトに触れる機会が少なくなり、学んだことを忘れてしまいます。2年間という限られた期間の中で能力を伸ばすためには、自宅・学内問わずに3D CADを扱える環境が理想です。そこで本校では、ダッソー・システムズのハイエンドCAD製品「CATIA」および「3DEXPERIENCE」が問題なく動作するスペックのモバイルワークステーションを入学時に用意してもらい、自宅でも利用できるようにしています」(稲吉氏)

      こうした考えからクリエイティブデザイン学科プロダクトデザイン専攻では、各学生に利用してもらうための「推奨PC」を定めている。その具体的な機種の1つとして選ばれたのがデルの「Dell Precision 5540」であった。

    • デルの機材を活用した次世代教育プログラムを提供

      ASOラーニング・ラボは、ダッソー・システムズが教育機関向けに展開する「Dassault Systèmes Learning Hubネットワーク」に参加していることが1つの特徴だ。Learning Hubネットワークは、ダッソー・システムズが展開している次世代教育プログラムである。ラーニング・ラボはその一環としてフランス本社をはじめ、世界16カ所に開設されている。参加にあたり、同社のソフトウェアが問題なく動作するコンピューティング環境の整備が条件となっており、日本国内では、ASOラーニング・ラボが第1号であり唯一のラボとなっている(2021年現在)。

      「学生は学科に所属しながら、ASOラーニング・ラボで、3D CADや解析、シミュレーション、VRなどについてより高度な技術を実習することができます。学校のカリキュラムに加えて自分の好きなことややりたいことに自由に取り組むことができ、メンバーはそれぞれがプロジェクトを持ち、月2回進捗や成果を確認しながら、制作物を作り上げていきます」(稲吉氏)

      同ラボのリーダーであるプロダクトデザイン専攻の学生谷拓希氏は、学校のカリキュラムとラボの内容について、こう話す。

      「2年間の専攻課程の中で、社会に出たときに実際に必要になる知識やスキルを身につけることができます。ワークステーションを含むさまざまな機器についても、全員がいつでも自由に利用でき、個人の端末にも3D CADソフトをインストールして自宅でも利用できることがこの学科の良いところです。加えて、ラボの活動を通してカリキュラムにない学びを得ることができます」(谷氏)

      ラボの副リーダーである同じくプロダクトデザイン専攻の学生宮崎剛氏は、ラボでの取り組みについてこう話す。

      「ラボには、ものを作るだけでなく付加価値をつけたアウトプットのための解析環境やVR環境が揃っています。例えば3D CADで自分がデザインしたものを解析にかけたり、VR空間に置いて異なる視点から観察したりすることで、モデリングだけで終わらず、設計上の問題点を把握するなど次のステップに取り組むことができます」(宮崎氏)

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        「タワー型は性能が高く、処理がスムーズでラグがないことはもちろん、ファンが静かでうるさくないこともポイントです。また、筐体にポートが多く装備されているため、VRデバイスやプロジェクター、各種センサー類をつなぐときも安心して利用できます」

        麻生建築&デザイン専門学校
        クリエイティブデザイン学科 プロダクトデザイン専攻
        谷 拓希氏

    • 3D CADの世界コンペで第1位、第3位を受賞

      麻生建築&デザイン専門学校では、モデリングやエンジニアリング、VR等の機能を持つCATIAや、解析ソフトウェアのSIMULIA等を包括する3DEXPERIENCEプラットフォームを採用し、学生1人ひとりがフル機能を利用できる環境を用意している。

      学生はDell Precision 5540など、1人ひとりのモバイルワークステーションを利用するほか、先述のようにデザインをVRで確認したり解析やシミュレーションを行ったりする用途には、ラボ内に設置されたタワー型ワークステーションDell Precision 5820を利用する。また、解析やVRにも利用できるスペックを備え、かつ持ち運び可能な端末としては、モバイルワークステーションDell Precision 7550が同ラボに用意されている。

      「ラボ内にDell Precisionワークステーションを導入したことで、以前からの夢が少しずつ実現しはじめています。学生にとっては軽くて持ち運びやすいワークステーションで自宅での作業がしやすくなりました。それにラボ内の高性能なワークステーションを合わせて使用することで、3Dのモデリングだけでなく解析やVRまでを一貫して行えるようになりました。つまり、学生1人ひとりが自分でデザインしたかたちに対して“意味をもたせられる”ということです。それを一貫した環境の中で実施できるようになりました」(稲吉氏)

      実際にこうした教育環境の整備がもたらした効果の1つが、ダッソー・システムズが主催しているコンペティションでの受賞だ。「プロジェクト・オブ・ザ・イヤー2021」の「3DEXPERIENCE」部門において、38カ国400超のプロジェクトの中から、谷氏と宮崎氏の作品が1位と3位を受賞するという快挙を成し遂げたのだ。

      「受賞を支えた背景にDell Precisionワークステーションがあったことは間違いありません。制作時期はちょうどコロナ禍と重なり、ラボに設置した機器の利用が難しい状況が続きました。そこで、Dell Precision 5540などを使って各自の自宅でモデリングを行い、Web会議ツールの画面共有機能などを使ってコミュニケーションしながら、私が持ち帰ったDell Precision 7550にて解析を行うスタイルで制作を続けました。リモート環境下でも制作やメンバー間の情報共有、コミュニケーションがスムーズに実施できたのは、高性能で利用しやすいワークステーション環境があったからこそです」(稲吉氏)

      受賞のポイントは、3D CADの設計スキルの高さやアイデアの豊富さだけにとどまらず、ダッソーが描く未来像とマッチしていたことも大きいようだ。谷氏や宮崎氏の作品は、モデリングにとどまらず、アウトプットをVRや解析と組み合わせることで、3DEXPERIENCEプラットフォームの可能性を最大限に引き出すものであったのだ。

    • 「プロジェクト・オブ・ザ・イヤー2021」の「3DEXPERIENCE」部門で1位と3位の快挙を成し遂げた作品(左は谷氏、右は宮崎氏の作品)

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        「3DEXPRIENCEを自宅で扱って作業できることは、本学科の一番のメリットだと実感しています。モバイルワークステーションが常に身近にある環境を整えてくれたことには感謝しかありません」

        麻生建築&デザイン専門学校
        クリエイティブデザイン学科 プロダクトデザイン専攻
        宮崎 剛氏

    • 持ち帰って自宅で作業できる利便性を評価

      ASOラーニング・ラボがDell Precisionワークステーションを選定した背景には、それまで利用していたワークステーションに性能面で課題があったことや、学生が自宅に持ち帰るための可搬性が乏しかったことなどが挙げられる。稲吉氏は、「学生に毎日家に持ち帰ってもらいやすく、かつ作業しやすいワークステーションを探していました。デルのモバイルワークステーションは、2kgを切る重量で持ち運びしやすくデザイン性も優れています。常に3D CADに触れてほしいというわれわれの希望を満たすものでした」と振り返る。

      またタワー型ワークステーションのDell Precision 5820にも想定以上の導入効果があったという。

      「タワー型ワークステーションも当初はVR解析のための専用モデルを選定したのですが、実際に利用してみると、3DEXPERIENCEを利用するうえで高い性能と信頼性がありました。デルのワークステーションは、ダッソー・システムズが多数の推奨モデルをラインアップしていることも導入を後押ししています。また、私自身が以前からのユーザーとして手厚いサポートを受ける中で信頼感を持っていたことも大きいです」(稲吉氏)

      モバイルワークステーションを1人ひとりが所有して授業を受けるスタイルがはじまったのは2020年度からだ。その初年度に入学した谷氏と宮崎氏は、その環境を最大限に活用してスキルを磨いた。宮崎氏はこう話す。

      「3DEXPRIENCEを自宅で扱えて作業できることは、本学科の一番のメリットだと実感しています。就職のために企業の担当者へ自分の作品を見せることがありますが、そうした作品作りも、コロナ禍に影響されずに取り組むことができました。常に身近にある環境を整えてくれたことには感謝しかありません」(宮崎氏)

      一方で谷氏は、ラボ内で利用するタワー型のDell Precision 5820の使い勝手の高さを評価する。

      「性能が高く、処理がスムーズでラグがないことはもちろんなのですが、ファンが静かでうるさくないこともポイントです。筐体から出る熱風でマシンの前に置いていた飲み物がぬるくなるといったこともないですし、快適に作業ができます。また筐体にポートが多く装備されていることもポイントですね。USB Type-CやSDカードもそのまま利用できますし、VRデバイスやプロジェクター、各種センサー類をつなぐときの接続性を心配することもありません」(谷氏)

    • アウトプットの強みを持つ学生を育成していきたい

      今後について、稲吉氏は「プロダクトデザインは幅広い領域を扱います。いまは授業カリキュラムも学生の関心も自動車本体のデザインが中心になっていますが、今後は、自動車の部品やシート、工作機械、オフィス家具など、さまざまな領域で学生の活躍の場が広がるような取り組みをしていきたいと思います。また、学生が持つ端末を使ってオンラインで学びを継続できることを追求していきます」と語る。

      VRや解析・シミュレーション、3Dプリンティングなど、最新のものづくりや3D CADの世界では習得するべき技術要素はさまざまだ。稲吉氏も「『モデリングだけができればいい』という時代は終わってくると思っています。だからこそ本校ではモデリング結果をしっかりアウトプットするスキルを持つ学生を育成していきたいと思っています」と強調する。

      同校では豊富な3D CAD環境とそれを支えるDell Precisionワークステーションの提供を通して、これからも学生が有意義に学び続けられる環境の構築を引き続き強化しようとしている。

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    • お客様名 : 麻生建築&デザイン専門学校

      業種 : 学校

      場所 : 日本/福岡