Dell EMC、世界で勢いを増すHPCの導入実績とポートフォリオの拡張を発表

当資料は、2018年11月13日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳版です。

米国リリース原文: https://www.emc.com/about/news/press/2018/20181113-01.htm

2018年12月4日

デル株式会社

EMCジャパン株式会社

 

Dell EMC、世界で勢いを増すHPC導入実績とポートフォリオの拡張を発表

HPCの導入およびソリューションにおける戦略的コラボレーションがAI活用を促進するとともに

短時間でのインサイトの獲得を実現

 

ニュースの概要 

  • Dell EMCのHPCソリューションがAI(人工知能)、ゲノミクス、気象予報の分野における次世代研究調査を強化
  • Dell EMCがHPCストレージおよびコンピュート ソリューションを強化 - 産業、学術、幅広いHPCコミュニティーの間で高まるデータ分析のニーズに対応
  • 米フロリダ大学のSHREC(Center of Space, High Performance, Reconfigurable Computing)がDell EMC AI Challengeで優勝 - ニーズに応じたDell EMC HPCリソース利用権を獲得

20181113日、米国テキサス州ダラス発
Dell EMCは、『SC18』においてHPC(ハイパフォーマンス コンピューティング)の導入実績と新しいポートフォリオの拡張を発表しました。これらのポートフォリオ拡張は、AIやバイオサイエンス、気象予報をはじめとする多様な領域へのインサイトを迅速に提供できるように設計されています。また、米フロリダ大学のSHREC(Center of Space, High Performance, Reconfigurable Computing)が、2018年のDell EMC AI Challengeで優勝したことを発表しました。

Dell EMC、人類の進歩に関する調査を促進

Dell EMCは、これまでと変わることなく企業・組織の幅広い発見と研究を後押しする最新のHPCテクノロジーの導入を、最前線で支援する活動をしています。Dell EMC はサーバー、アクセラレーター、液体冷却、ネットワーキングの最新テクノロジーを統合する世界クラスのHPCシステムの提供に対するコミットメントの結果、世界中での導入が勢いづいています。

  • テキサス先端計算センター(Texas Advanced Computing Center: TACC): テキサス大学オースティン校の同センターは、米国立科学財団(National Science Foundation: NSF)からの助成金6,000万ドルに基づき、2019年の運用を見込んでいる新しいスーパーコンピューター「Frontera」の開発において、Dell EMCを選びました。2018年8月の発表時、Frontera は、世界第5位の強力なシステムで、米国第3位の高速性能のため、完成後は、あらゆる大学を通じて最大規模になると説明しています。「Dell EMC PowerEdge」サーバーは、CoolIT Systems社の高密度DCLC(直接液体冷却)テクノロジー、ハイパフォーマンスなMellanox HDR 200Gb/s InfiniBandインターコネクト、次世代Intel® Xeon®スケーラブル プロセッサーなどの革新技術を統合する予定です。Frontera完成後は、欧州原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器からの粒子衝突データの分析、天候モデリング、ハリケーン予測、マルチメッセンジャー天文学などのプロジェクトが予定されています。
  • ケンブリッジ大学: ケンブリッジ大学は、Cumulus – UK Science Cloudによって同校のスーパーコンピューターの能力を拡張しました。この新しいOpenStackシステムは「Dell EMC PowerEdge」サーバー、Intel® Xeon®プロセッサー、Intel® Omni-Pathアーキテクチャーを基盤にする英国の学術分野最大のスーパーコンピューターで、2ペタフロップス超の性能を実現しています。英国で最も難しいデータ主導型のシミュレーションやAIタスクの解決を支援できるように、Cumulusは英国の学術分野と産業分野のすべてを通じてオープンで、Dell EMCおよびHPCとクラウドのコンバージェンスに特化した英国のスタートアップ企業StackHPC社がパートナーシップを基盤に提供しています。STFC(DiRAC/IRIS)、EPSRC (Tier 2)、同大学からの投資は総額1,300万ポンド(約18億8,100万円)を超えています。
  • ミシガン大学: 同校はシミュレーション、モデリング、AI、マシンラーニング(機械学習)、データサイエンス、ゲノミクスなどをサポートするコンピューター クラスターGreat Lakesを展開していますが、この新しいシステムは「Dell EMC PowerEdge」サーバーを基盤に構築されているHPCインフラストラクチャーをベースにしています。Great LakesはMellanox HDR 200Gb/s InfiniBandネットワーキングを活用した業界初のシステムで、より高速なデータ伝送スピードとアプリケーション パフォーマンスを実現します。
  • オハイオ スーパーコンピューター センター(OSC): 同センターは、Dell EMCが構築したPitzer Clusterを展開しています。TACCのFronteraシステムと同様、Pitzer Clusterも「Dell EMC PowerEdge」サーバーをCoolIT社が提供するモジュラー型でラックベースのDCLC(直接液体冷却)ソリューションとともに導入することで、ラック密度の向上、より高いコンポーネント パフォーマンス、優れた電力効率を実現できます。その結果、同センターで最もパワフルなクラスターに近い高い性能を、より低い電力と半分のスペースで発揮することが可能になります。このシステムは、ヒトのゲノミクスから世界におけるウィルス拡散まで、幅広い研究領域をサポートします。

 

Dell EMC、「Ready Solution」の高度化によってHPCの容易な導入を促進

現在のHPCワークロードには、ディープラーニング(深層学習)とAIをサポートする高い並列性で比類ない帯域幅を提供するとともに際限なくスケールアップできるストレージ インフラストラクチャーが欠かせません。これらのニーズに応えるため、Dell EMCは幅広いハイパフォーマンス ストレージ オプションを提供できるようにHPCポートフォリオを広げ、「Isilon OneFS」オペレーティング システムをベースにする「Dell EMC Isilon」スケールアウトNASストレージで「Ready Solution」のポートフォリオを強化します。

さらに、新しい「Dell EMC PowerVault ME4」ストレージアレイで「Dell EMC Ready Solution for HPC Lustre Storage」および「Dell EMC Ready Solution for HPC NFS Storage」を利用することができます。「PowerVault MD3」よりも75%多くのドライブを提供する「ME4シリーズ」は、ストレージの物理容量が122%増加しているとともに4倍の読取IOPSパフォーマンスを提供します。またモジュラー型の設計によって柔軟なカスタム デザインが可能で、これまでの「PowerVault MD3」よりも高い密度を実現しながら導入企業の成長に合わせてスケールアップしていくことができます。

新しい「PowerVault ME4」を実装した「Dell EMC Ready Solution for HPC Lustre Storage」はテクニカルなビッグデータ アプリケーションに最適なソリューションで、ビルディング ブロックあたりの卓越したスループットを提供し、運用しながらストレージ拡張が可能です。「ME4 シリーズ」を基盤に、使いやすくて完全な冗長性を備えたNFSストレージ ソリューションとしてHPC環境向けに最適化されている「Dell EMC Ready Solution for HPC NFS Storage」は、全体として卓越したパフォーマンスの高密度ソリューションを提供します。どちらのソリューションも、Dell EMCのグローバル サービスとサポートの対象です。

Dell EMC PowerEdge」サーバーが最先端のアクセラレーター テクノロジーをサポート

「Dell EMC PowerEdge R640」、「R740」、「R740xd」、「R7425」サーバーは最新のGPUとアクセラレーターをサポートし、データ アナリティクスやAIアプリケーションでの結果取得を高速化します。具体的に、下記をサポートします。

  • NVIDIA® Tesla® T4 - 分散コンピューティング環境に最適なユニバーサルAIアクセラレーターで、電力効率に優れた70Wの小型PCIeフォームファクターでパッケージ化されています。学習と推論の両方において卓越したパフォーマンスをサポートするTesla T4は、NVIDIA社の説明では既存のCPUの数倍のパフォーマンスを提供します。開発者は、NVIDIA TensorRTとcuDNNソフトウェア ライブラリおよびすべてのAIフレームワークとの統合を通じて、NVIDIA Turingアーキテクチャー ベースのTensorコアの能力を直接最大限に引き出すことができます。
  • ビデオ コンテンツのストリーミングから金融サービス、防衛アプリケーションまで、FPGAによってハードウェアのプログラミングと再プログラミングによる最適化が可能になります。現在のIntel® Arria® 10 GX FPGAのサポートに加え、Dell EMCはXilinx® Alveo™ U200アクセラレーター カードに認定された初のサーバー ベンダーとして、Alveo U200アクセラレーター カードを「Dell EMC PowerEdge」のアクセラレーター オプションでサポートします。Xilinx社によれば、AlveoアクセラレーターはハイエンドCPUとの比較で、マシンラーニングにおいて推論のリアルタイム スループットを20倍高めます。

Dell EMC AI Challenge」の優勝者を発表

Dell EMCは、2018年のDell EMC AI Challengeにおいて、米フロリダ大学のSHREC(Center of Space, High Performance, Reconfigurable Computing)の研究チームを優勝者に選びました。2018年5月にスタートしたこのAI Challengeでは、ビジネスや研究、社会に変革的なインパクトを与えるAIテクノロジーの実践的アプリケーションについて参加者が競い合いました。勝者には、Dell EMC HPC & AIイノベーション ラボに配備されるZenithクラスターの20万コア時間が与えられるとともに、『SC18』のDell EMCブースで紹介されます。

SHRECには産官学から30以上の組織・団体が参加しており、再構成可能なハイパフォーマンスで信頼できるコンピューティングの促進と価値の最大化というミッションおよびアプリケーションについて、その研究における諸課題の解消に連携してあたっています。今回のAI Challengeで優勝したSHRECチームは、マシンラーニングの完全なワークフロー(データ分析とプリプロセス、モデル トレーニング、展開、推論)をサポートするとともに、医療やビジネス、金融、科学的研究をはじめ、マシンラーニングを活用するあらゆるアプリケーション分野に適用できるヘテロジニアス コンピューティング(HGC)システムの開発とデモンストレーションが評価されました。

提供時期について

  • 「PowerVault ME4」をベースにする「Dell EMC Ready Solution for HPC Lustre Storage」および「Dell EMC Ready Solution for HPC NFS Storage」は、現在すでに提供開始しています。
  • 「Dell EMC PowerEdge R640」、「R740」、「R740xd」、「R7425」サーバーは、2018年12月からXilinx® Alveo™ U200 FPGAのサポートを開始し、2019年第1四半期からNVIDIA® Tesla® T4 TensorコアGPUのサポートを開始する予定です。

 

各機関からのコメント

テキサス大学オースティン校テキサス先端計算センター 
エグゼクティブ ディレクター Dan Stanzione

「Frontera は、Dell EMCとのパートナーシップを背景に実装したシステムとして、トップ10中3番目、トップ25中5番目となるシステムです。私たちのこれまでの成功は、両者の緊密なコラボレーションと関係性、細部へのこだわりなどが反映された結果で、これによってスケジュールと予算の枠内で最先端のテクノロジーを繰り返し実装することが可能になっています。この新しいマシンによって、私たちは科学のフロンティアをさらに押し広げ、研究者たちがかつて手にしたことのない能力を提供することが可能になります」

 

ケンブリッジ大学ハイパフォーマンス コンピューティング ディレクター Paul Calleja

「従来のHPCクラスタリング手法は事前構成済みの静的なリソース プールを提供しますが、ほとんどの場合は、これによって範囲は限られているものの重要なユーザーのニーズを満たすことができます。さらにベアメタルを含め、クラウドを活用することによって、ソフトウェアデファインド インフラストラクチャーはパフォーマンスを損なうことなく既存のHPCクラスタリングにさまざまなメリットをもたらすとともに、モダン ハイブリッド クラウド対応ワークフローをサポートする優れた俊敏性を提供します。これらの新しいワークフローのユーザーは急増していますが、Cumulusのおかげで私たちのユーザーは安全かつ柔軟な環境でHPCおよびHPDAクラスのコンピューティングへ簡単にアクセスすることができます。Dell EMCおよびパートナーとのコラボレーションは、英国において最も優れた効率のコンピューティングおよびI/Oリソースの1つとして結実しました」

 

ミシガン大学ARC-TSAdvanced Research Computing – Technology Services) 
ディレクター Brock Palen

「Dell EMCと協業できることを嬉しく思います。Great Lakesのユーザーは、より多くのコア、高速コア、高速メモリー、高速ストレージ、よりバランスのとれたネットワークを利用できるようになります。最終的に、この新しいクラスターは当学の研究者に卓越したパフォーマンス、柔軟性、信頼性をもたらしてくれるでしょう」

オハイオ スーパーコンピューター センターOSC) 
エグゼクティブ ディレクター David Hudak博士

「私たちはDell EMCとのコラボレーションを基盤に卓越した効率性、密度、柔軟性を備えたペタフロップ クラスのシステム『Pitzer Cluster』を構築しました。このシステムが新たに加わったことで、当データセンターは学術分野、科学分野、また産業分野のクライアント コミュニティーで高まっているコンピューティング、ストレージ、分析に対するニーズへ継続的に応えることが可能になります」

 

Translational Genomics Research InstituteTGen
最高情報責任者(CIO) James Lowey

「Precision Medicine(高精度医療)にとって鍵となる要素の1つは、ヒトゲノムを解析し、異常を発見し、これをターゲットとして具体的な治療を進める能力です。複数のインプットを使うデータセットの数が膨大になっている今日、AIのサポートがなければこれらのデータセットから意味ある情報を引き出すことはできません。私たちが科学を前進させていく中でデル テクノロジーズは欠くことのできないパートナーで、『Dell EMC Isilon』が提供するシンプルなスケールアウト ソリューションによって、ペタバイト レベルのデータを管理して活用するとともに、ゲノム処理に要する時間をこれまでの数週間レベルから数時間レベルにまで短縮することが可能になります。命を救うという、1秒を争う研究調査において、私たちはDell EMCに全幅の信頼を置いています」

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Dell EMCについて

デル テクノロジーズのブランドの一つである、「Dell EMC」は、業界をリードするコンバージドインフラ、サーバー、ストレージ、データ保護技術を活用して、データセンターのモダナイズ(最新鋭化)、自動化、そしてトランスフォーム(変革)することを支援しています。ハイブリッド クラウドによるITの変革、また、クラウド ネイティブ アプリケーションとビッグデータ ソリューションによるビジネスの変革を実現するため、堅牢なIT基盤を提供しています。180カ国に拠点を持つ「Dell EMC」は、エッジからコア、そしてクラウドまで、業界で最も包括的かつ革新的なポートフォリオにより、フォーチュン500に含まれる99%の企業を支援しています。

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