DWEN 参加 女性起業家インタビュー企画 第6回:アンブロシア株式会社 代表取締役社長 志賀惠子氏

DWEN 参加 女性起業家インタビュー企画

第6回:アンブロシア株式会社 代表取締役社長 志賀惠子氏

アンブロシア株式会社 代表取締役社長 志賀惠子氏

【プロフィール】

フェリス女学院大学英文科卒業後、大志を抱いて日本フィリップスに入社したが、当時はヨーロッパの会社であっても女性であることによる障壁が大きいことを感じ、新天地を求め米国西海岸にあるレイケム社の日本支社(現タイコエレクトロニクスジャパン)に転職。今度は女性の地位が確立している社長秘書でのキャリアアップを目指し評価を得るが、自分自身で事業を育むのが自分の生きがいなのだと気づき、日本では業界初となるB to Bのコールセンター立ち上げのポストに就き、新規市場および新規アプリケーションの開拓に努める。その後、次第に健康と幸せに貢献する仕事に就きたいという気持ちが高まり、ヘルスケア関連のベンチャーに転職。さらに、オーストラリアBond UniversityでMBAを取得した後、2008年6月にアンブロシア株式会社を設立し代表取締役社長に就任、日本では行われていない遅延型アレルギー検査事業を提供する。

― 貴社の事業について教えてください。

米国シアトルにあるラボと提携し、革新的でユニークな各種検査サービスを日本に紹介しています。このラボは、日本ではまだあまり知られていない「遅延型フードアレルギー」を調べる検査を最も得意としており、弊社はその日本での窓口として、日々国内での認知と検査の普及に努めています。草の根的にコツコツと続けるうち、次第に各種メディアにも取り上げられ、4年経った現在では、たくさんのドクターや患者さまにご利用いただけるようになってきました。改善された方からメールやお電話をいただくのが何よりの喜びです。

― 起業しようと思ったきっかけは何ですか。

以前はまったく別の業界でやりがいを持って働いていましたが、40代に入ってから次第に健康で生きることの大切さ・難しさについて深く考えるようになりました。そして、残りの人生では人の健康と幸せに関わる仕事をしたいという気持ちが高まったところに、このアレルギー検査に巡り合い、ラボの責任者の人柄と情熱にも大変感銘を受けました。それまで自分が起業するなど考えたこともありませんでしたが、「これを広めるのは自分しかいない」という強い信念にかられて起業しました。

― 貴社では、ITをどのように活用していますか。

起業して一番初めに取り組んだのがホームページの作成でした。弊社のような小さな企業が「遅延型アレルギー検査」のようにニッチなサービスを日本全国に展開していけるのは、ひとえにIT発達の恩恵によるものと言えます。また、専門の業者に依頼すれば膨大な費用のかかる社内の業務管理システムも、Microsoft社のデータベースソフトAccessで構築し、この4年の間に最小限のコストで改良と拡張を重ねつつ、フル活用してきました。

― 今後のビジネスの展開について教えてください。

アレルギー検査を核とし、シナジーのある展開を目指します。アレルギー検査は結果を見て終わりではなく、そこからが健康への取り組みのスタートです。日常の生活習慣を変えることは大きなチャレンジですが、勇気を持ってその一歩を踏み出される患者さまを強力にサポートできるようなサービスを増やしていきたいと思っています。

― 趣味や余暇の過ごし方を教えてください。

残念ながら、起業して以来ほぼ仕事だけの日々になり、土日の夜にちょっと工夫した食事を作り夫とワインを飲みながら、レンタルビデオやDVDを観ることだけが楽しみになってしまいました。基本的に仕事が好きなのですが、アメリカにいるラボの責任者から日本のお取引先さままで、多くの方々から「24時間働いちゃダメ!」と冗談まじりに心配していただいているので、そろそろバレエやヨガの時間を復活させたいと思っています。

― これからの女性は社会でどうあるべきでしょうか。メッセージをお願いします。

私の若い頃に比べますと、ずっと男女平等にキャリアチャンスが与えられる時代になってきていると感じます。1日の切れ目も無く働き続けてきた今だからこそはっきり言えますが、素晴らしい仕事をするのに性別は一切関係ありません。起業したい人も、会社で働きたい人も、女性ならではの感性を生かし、自信と誇りを持ってどんどん活躍していただきたいと思います。

― 最後に、DWENに参加したいと思われたきっかけは何ですか。

事業は長く存続させてこそ意味があり社会貢献にもつながると思っていますが、まだまだ日々模索することばかりです。世界中から集まった志が高く経験豊かな皆さんから、出来るだけたくさんのことを学ばせていただき、今後の経営に生かしたいと思いました。

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