2022年およびそれ以降 — 話題の中心となるテクノロジーとは

当資料は、デル・テクノロジーズが、2022年およびそれ以降のIT業界に影響を与える大きなトレンド、変化、課題に対する予測をまとめたブログの抄訳版です。
米国ブログ原文:https://www.delltechnologies.com/en-us/blog/2022-and-beyond-technologies-that-will-change-the-dialogue/

2021年12月22日
デル・テクノロジーズ株式会社

2022年およびそれ以降 — 話題の中心となるテクノロジーとは

2021年12月16日
私たちは、飛躍的に拡大しているデータ エコシステムがもたらした「Do-Anything-from-Anywhere(どこからでも何でもできる)」経済環境下で暮らしています。調査によれば、来年(2022年)の世界GDPの65%がデジタル化によるものになると予測されています。この膨大なデータの流れは、チャンスと課題の両方をもたらします。結局のところ、デジタルの現在および未来における私たちの成功は、ますます複雑になるITシステムを、どのように安全に維持していくことができるかという能力にかかっています。ここでは、IT業界がこのデータを活用してオフィスや自宅、教室での体験を変革するためのプラットフォームと機能を提供する方法について、短期および長期両方の予測を検証します。

2022年の注目ポイント:
エッジの話題は2つの焦点に分かれる。1つは多様なエッジ エコシステムに安全な容量の安定したプールを提供するエッジ プラットフォーム、もう1つはアプリケーションおよびデータ システムを現実世界の環境に広げるソフトウェア デファインド エッジ ワークロード/ソフトウェア スタック。エッジ プラットフォームとエッジ ワークロードを分けるこのアプローチは、非常に重要です。なぜなら、もし個々のエッジ ワークロードが独自のプラットフォームを作成すると、エッジ インフラストラクチャーが急増し、管理できないインフラストラクチャーが無秩序に広がってしまうからです。

例えば、運用もシンプルで安定、安全な環境でコンピュート、ストレージ、I/O、その他の基本的なIT容量を提供するエッジ プラットフォームを展開したとします。ここで、ローカルIoTおよびデータ管理エッジとともに、パブリック/プライベート クラウド データとアプリケーションのパイプラインをこのエッジに拡張すると、ソフトウェア デファインド パッケージとして提供することができます。このパッケージは、IT容量の共通のエッジ プラットフォームを活用しています。基盤のプラットフォームが、安定した容量の共通プールとしての役割を果たすので、エッジ ワークロードは、ソフトウェアのスピードで進化および変化できます。

現在、すでに私たちは、このようなシフトを目にしています。デル・テクノロジーズは、共通のハードウェアとデリバリーの仕組みによって、主要なすべてのクラウド スタックに対してエッジ プラットフォームを提供しています。2022年には、これらのプラットフォームが、より高い能力を提供し、より広く普及することになるでしょう。すでに私たちは、大部分のパブリック クラウド エッジ アーキテクチャーまでを含め、ほとんどのエッジ ワークロードがコンテナ化を利用してソフトウェア デファインド アーキテクチャーにシフトしている状況を目にしています。これらは、Kubernetesなどの容量をダイヤルトーンとして標準で利用できることを前提にしています。このようなモダン エッジ プラットフォームとソフトウェア デファインド エッジ システムの組み合わせは、マルチクラウドの世界でエッジ システムを構築して展開する際の主要な方法になるでしょう。

プライベート モビリティー エコシステムのオープン化によって、より多くのクラウドおよびIT業種の5Gに向けた動きが加速する。エンタープライズ企業による5Gの利用は、まだ初期段階にあります。実際のところ、現在のエンタープライズ環境における5GのユースケースはWi-Fiと大きな違いはなく、またWi-Fiより優れているとも言えません。2022年、より近代的で高い能力のバージョンの5Gをエンタープライズ企業が利用できるようになることで、この状況は変わるでしょう。より高いパフォーマンスとより優れた拡張性、またUR-LLC(Ultra Reliability Low Latency Communications、超高信頼低遅延通信)やmMTC(Massive Machine Type Communicators、多数端末同時接続)といった新機能を提供する5Gは、従来の通信を圧倒するトピックになるでしょう(オープンソース エコシステム、インフラストラクチャー企業、非従来型の通信など)。

より重要な点は、新しくより高性能なプライベート モビリティーを提供する5Gのエコシステムは大きく広がり、デル・テクノロジーズのようなITプロバイダーだけでなく、パブリック クラウド プロバイダー、さらにはオープン5Gエコシステムの促進にフォーカスした新しいオープンソース エコシステムまでも含まれるようになるでしょう。

データ管理が新たなクラスのワークロードになることで、エッジがデータ管理の新たな競争分野になる。データ管理のエコシステムには、エッジが必要です。最新鋭のデータ管理業界は、非リアルタイムの一元化データを処理および分析するパブリック クラウドへの移行を開始しています。世界のデジタル トランスフォーメーション(DX)が加速する中、世界のデータの大部分は、中央のデータセンターの外で生成・処理されることが明らかになってきています。データ管理エコシステム全体が、データ パイプラインの入出力として、エッジIT能力を開発および利用する動きが大きく活発化するだけでなく、エッジは、リモートでのデータの取り込みと処理の手段としても活用されるようになるでしょう。

データ管理のエコシステムがエッジへと広がるのに伴い、エッジ ワークロードの数およびエッジへの全体的な需要は、劇的に増加するでしょう。これらのデータ管理エッジは、最新のソフトウェア デファインド ソリューションになると考えられることから、エッジ プラットフォームに対する最初の予測につながります。データ管理およびエッジは、互いに能力を高め合いながら、急速に統合が進んでいます。これは、デル・テクノロジーズをはじめとするITインフラストラクチャー企業にとって、エッジ データ管理戦略を提供することで、エッジおよびマルチクラウドにオーケストレーション層を提供するという独自の機会となります。

セキュリティー業界は、新たなセキュリティーの不安について話し合う段階から行動重視の姿勢へと移行しつつある。民間企業および公的機関のどちらも、これまで以上に高度化したさまざまな脅威に直面しています。これは、収益およびサービスに大きな影響を及ぼすものです。同時に、加速するリモートワークやDXのトレンドを背景に、攻撃者の標的になり得るアタック サーフェス(攻撃対象領域)が増加しています。このような状況に対して、セキュリティー業界は、さらなる自動化と統合によって対応しています。また、AI(人工知能)とマシンラーニング(機械学習、ML)を使って対応を高速化することに重点を置き、これまでの自動検出から予防と対応へと移行しています。この動きは、SOAR(Security Orchestration Automation & Response)やCSPM(Cloud Security Posture Management)、XDR(Extended, Detection and Response)といった業界イニシアチブによって裏付けられています。最も重要な点は、Linux FoundationのOpen Secure Software Foundationなどの新たな取り組みによって、IT、通信、半導体業界の連携と積極的な関与が強化されていることです。

エッジ、プライベート モビリティー、データ管理、セキュリティーという4つの全領域を通じて、パブリック クラウドと従来のインフラストラクチャーの両方を統合した幅広いエコシステムが求められていることは、明らかです。今私たちが分散したマルチクラウドの世界にいることも明らかで、もはや単一のデータセンターやクラウド、システム、テクノロジーだけで大きな問題を解決することはできません。

2022年以降の注目ポイント:
量子コンピューティング ― 量子/古典コンピューティングのハイブリッド コンピューティングが中心的な存在となり、量子コンピューティングへのアクセス性が向上。2022年は、2つの大きな業界コンセンサスが出現すると考えられます。まず、量子システムの構成は必然的にハイブリッド量子コンピューターになるでしょう。この構成では、量子ハードウェアまたは量子処理ユニット(QPU)が、アクセラレーターのような特化コンピュート システムとなり、特定の量子に焦点を当てた数学と関数に着目します。QPUの周囲には、データの前処理、全体的なプロセスの実行、さらにはQPUの出力を解釈するための従来型のコンピュート システムが置かれます。

現実世界における初期の量子システムは、すべてこのハイブリッド型の量子モデルを踏襲していて、量子/古典コンピュートのコラボレーションは、避けることのできない明確な道筋であると言えます。もう1つの大きな業界コンセンサスは、従来型のコンピューティングを使用した量子シミュレーションは、最も優れたコスト効率を発揮するだけでなく、大学やデータ サイエンス チーム、研究者にとって手が届きやすくなるということです。 実際、すでにデル・テクノロジーズとIBMは、世界に量子シミュレーションを届ける重要な取り組みを発表しています。

自動車 — 自動車業界のエコシステムにおける焦点が、機械的なエコシステムからデータおよびコンピュート業界へと急速に移行する。自動車業界は、いくつかのレベルで変革を進めています。現在私たちが目にしているのは、内燃機関から電気自動車へのシフトで、これによって物理的なサプライチェーンが大幅に簡素化されています。また、ADAS(先進運転支援システム)および自動運転車への取り組みを通じて、車内のソフトウェアやコンピューティング コンテンツも大幅に拡大しています。最後に、エンターテインメントから安全性、さらにCar-as-a-Service(サービスとしてのクルマ)や自動デリバリーといった大きな変革まで、あらゆる部分において自動車業界はデータ ドリブンな産業になりつつあります。

これらのすべては、自動車業界および輸送業界が、ソフトウェア、コンピュート、データ ドリブンな産業へと急速に移行しはじめていることを示しています。このような変化は、通信や小売といった他の業界にも見られますが、いずれの場合もITテクノロジーの消費増加につながっています。デル・テクノロジーズは、世界のほとんどの大手自動車メーカーの初期の取り組みに積極的に参加していますが、2022年もこれらの企業は、DXおよびITエコシステムとの緊密な連携に向けて進化し続けていくでしょう。

デジタル ツイン — さまざまな専用ツールが登場してテクノロジーがより明確に定義されることで、デジタル ツインの作成と消費がより容易になる。デジタル ツインは、その認知度は高まってきているものの、依然として生まれたばかりのテクノロジーであり、実際の現場で活用されている例は、ほとんどありません。今後数年の間に、標準化されたフレームワーク、ソリューション、プラットフォームが定義されていく中で、デジタル ツインは、より簡単に作成し、消費できるようになるでしょう。デジタル ツインのアイデアをより利用しやすくすることで、企業は、強化したアナリティクスおよび予測モデルを提供できるようになり、DXの取り組みが加速されるでしょう。標準化が進み、ソリューションとフレームワークの可用性が加速することで、デジタル ツインの採用は、より主流となり、展開および投資のコストは低くなります。デジタル ツインは、デジタル トランスフォーメーション3.0の中核的な推進力となり、測定およびモデリング/シミュレートした世界を組み合わせ、幅広い業界に直接的なビジネス価値をもたらすでしょう。

私は、テクノロジーに対する楽観論者の1人ですが、いま世界は、ますます人とテクノロジーが連携して、かつてないスピードでインパクトある成果を生み出しています。ここで紹介した短期的/長期的な視点は、現在の私たちの歩みに基づくものです。ここからさらに改善が見られれば、私たちの仕事、生活、学習の環境を良い方向に変革する大きな機会がもたらされ、2022年も、テクノロジーのイノベーションと普及が加速する年になるでしょう。

執筆者:デル・テクノロジーズ ジョン ローズ(John Roese)

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