帝京大学医学部附属病院、デルのハイパーコンバージド・インフラストラクチャを導入し、医療サービスの拡充と先進医療を促進

2016年7月20日
デル株式会社

 

帝京大学医学部附属病院、デルのハイパーコンバージド・インフラストラクチャを導入し
医療サービスの拡充と先進医療を促進

デル株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:平手智行、以下、デル)は、病院情報システムのリアルタイムなデータを活用して仮説を立て、すぐに検証を行う需要が増えてきた帝京大学医学部附属病院(所在地:東京都板橋区、病院長:坂本哲也)が、Nutanixのソフトウェアを基盤としたデルのハイパーコンバージド・インフラストラクチャ・アプライアンス「Dell XC630」を導入した事例を発表しました。

導入背景
「患者そして家族と共にあゆむ医療」を理念に掲げる帝京大学医学部附属病院では、同大学医療情報システム研究センターが中心となって医療IT導入やシステム開発に取り組んできました。2009年からは仮想化基盤も導入し、病院の基幹システムのインフラとして活用してきましたが、より迅速な臨床研究と医療サービスの提供を目指す中で、従来の仮想化基盤では限界を感じるようになってきました。

同センター教授の澤智博氏は、「現在の医療の現場は、患者の情報からワークフローまですべてが電子化されていて、ITがなければ回らない状態になっています。IT の限界が医療の限界になってしまうので、私たちは『ベンダーの限界を病院の限界にしないこと』という考えのもと、システムをベンダー任せにしないようにしています。例えば、電子カルテにはパッケージ製品を大きなカスタマイズなどは行わずに導入し、電子カルテと心電図管理などの部門システムを連携させるためのゲートウェイは、センターにおいてスクラッチで設計・開発したものを利用して、医療現場で使いやすいように自らITの在り方を模索しています。病院情報システムは、業務システムとして成熟してきており、大規模なリプレイスが発生しても新たな機能はそれほど増えていませんが、病院情報システムに対する需要はここ5年で大きく変化しています。 加えて、IT化された研究機関でもある大学病院で働く医療者の考え方も成熟してきたことで、研究や医療サービスの向上のためにリアルタイムのデータを活用して仮説を立て、すぐに検証を行う臨床研究の需要が増加しています。」と述べています。

こうした要望に応えるためにも、迅速に仮想OSやアプリケーションの作成および更新が必要となってきますが、これまで帝京大学医学部附属病院が使用してきた仮想化基盤は、新旧バージョンが混在し、それぞれのバージョンごとに仮想化基盤がサイロ化した状態になっていたために使用しづらいものとなっていました。こうした状況を改善するため、SANやNASなどの専用ネットワークでサーバ群やストレージ階層を接続する必要がなく、容易に仮想化環境を構築が可能で、既存のクラスタに影響を与えずに一台ずつノードを追加することができるNutanixベースのDell XCハイパーコンパージド・インフラストラクチャ・アプライアンス「Dell XC630」が採用されました。

導入効果
「Dell XC630」を導入した理由について、澤氏は次のように述べています。「仮説の検証のためにシステムを短期間利用するという需要にはクラウドサービスが適していますが、医療では非常に機密性の高い個人情報を扱う必要があるため、セキュリティの観点からもクラウドサービスなどは適さない面もあります。しかし、Nutanixを基盤とした同アプライアンス製品であれば、クラウドのように扱えるオンプレミスのサービスを簡単に構築できるということで、これまでの仮想化基盤の課題を解決できるのではないかと考え、導入を決めました。」 また、医療というミッションクリティカルな分野での利用であるため、デルのハイパーコンバージド・インフラストラクチャ アプライアンス「Dell XC630」の高い信頼性とサポート力、1Uから利用可能であること、さらに、従来のNutanix製品と比べて省スペース性の向上も選ばれた大きな理由となっています。

また、今回の「Dell XC630」の導入は、電子カルテの大型リプレイスに合わせて計画されました。既存の仮想化基盤から移行先である「Dell XC630」の導入が決まった時、この電子カルテのリプレイスまで一ヶ月を切っており、救急も受け入れている大学病院として、システムを止めることは致命的かつ地域住民への影響も大きいため、期日までに移行作業が完了するか懸念されていました。 しかしながら、「Dell XC630」 は導入が容易なアプライアンスであるため、従来の仮想化基盤よりも半分から3分の1に時間を短縮して古いシステムを同製品上に移行することができました。加えて、コストの面でも、それまで専用サーバ5台で運用していたゲートウェイとロードバランサを3台の「Dell XC630」 と2台の「Dell Networking S4048-ON」をNutanix スイッチとして導入して他のシステムと共用で医療することで、構築費用を従来3分の1程度の削減を実現しています。

臨床研究についても、インテル®Xeon®プロセッサー搭載の「Dell XC630」およびNutanix が、ビッグデータ解析の基盤としても活用されています。仮説を立てたらすぐに検証することが重要で、従来は様々な部門システムやデータウェアハウスのデータから特定の検証に特化したシステム構築が必要でしたが、同製品の新しい仮想化基盤であれば、すばやく検証用のシステムを立ち上げて仮説の実証するためのデータを用意することができます。「今後は、臨床研究に役立つ検証に利用できることに期待しています。 副作用の発見も早くなり、これまで年や数か月といった時間をかけて解析していたものを、すぐに解析できるようになると思います。また、そのためのシステム構築やハードウェアを置く場所に悩むことなく、すばやく利用できるメリットは非常に大きいと考えています」と澤氏は話します。

今後の展望
帝京大学医学部附属病院では、将来的には大規模なシステム改修や導入に合わせ、徐々に以前の仮想化基盤から「Dell XC630」 にシステム移行を行うことを検討しています。澤氏は「デルは、日本企業の特徴である柔軟なサポートを提供してくれるだけでなく、米国企業の特徴である新しい技術を素早く提供してくれるという、2つの面が魅力だと考えています。今後は、モバイルの活用や、正しい医療を正しい患者に高い安全性で提供するために、重要な本人認証の仕組みを作っていく必要があります。日米のよさを併せ持ったサービスを今後も提供してくれることをデルに期待し、ご協力いただきたいと考えています」と締め括ります。

現状の医療サービスを充実させるだけでなく、 臨床研究にも注力し、高度な先進医療や臨床研究にも取り組む帝京大学医学部附属病院は、既存のIT にとらわれず、積極的な活用を行い、基本方針である「安心安全な高度の医療」「患者中心の医療」「地域への貢献」「医療人の育成」の取り組みをさらに進めていきます。 

■導入されているシステム

  • ハードウェア:Dell XC630, Dell Networking S4048-ON, APC Dell Smart-UPS 1200VA, Dell Branded 42U Rack
  • サービス:デル・プロサポートプラス

ハイパーコンバージド・インフラストラクチャ・アプライアンス「Dell XC630関連サイト
http://www.dell.com/jp/business/p/dell-xc-series/pd

 

■ DELL ロゴは、米国 Dell Inc. の商標または登録商標です。
■ その他の社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。
■ 記載内容は、2016年7月20日時点のものです。

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