将来に備えた(Future-Ready)ITの導入で業績格差拡大~アジア太平洋・日本の企業における調査結果報告~

2016年5月10日
デル株式会社

 

 

将来に備えた(Future-ReadyITの導入で業績格差拡大
~アジア太平洋・日本の企業における調査結果報告~
 

* 2016年4月25 日にアジア太平洋・日本地域において発表されたリリースの抄訳版です。 

  • 将来に備えができているかで企業を「現在集中企業(Current Focused)」「未来認識企業(Future Aware)」「未来集中企業(Future Focused)」「未来創造企業(Future Creators)」の4つに分類
  • 未来創造企業(Future Creators)は過去3年間、業績を示す主要な指数で現在集中企業(Current Focused)を上回る結果に
  • 将来を見据えたITを採用した多くの企業において、8つの異なるKPI全てが改善

2016年4月25 日 – デルが委託契約をしている調査会社IDCがグローバルで実施した調査結果によると、アジア太平洋・日本地域(以下、APJ)において、ITのイノベーションとビジネス上の結果に強固な相関関係があるという結果となりました。本調査は日本、中国、インド、オーストラリア、ニュージーランドを含む11カ国における計2500名以上のIT幹部の回答に基づくもので、2012年から2015年までインサイトを追跡しました。

 

APJで将来に備えたITを導入している企業は、以下の利点があると報告されています。

  • お客様の満足度とその継続性、新製品発売からの売上高が50%以上増加
  • 売上高または販売/契約、お客様への納期どおりの配送、規制遵守、新製品やサービスの市場投入までの時間短縮、新規お客様の獲得が40%以上増加
  • 「従業員の生産性向上」が39%増加

 

ランキングに基づきIDCは、将来への備えという観点から企業を、現在集中企業16%、未来認識企業32%、未来集中企業34%、そして未来創造企業18%と分類しました。この中で、未来創造企業が将来に向けて最も準備できている企業であり、アジャイルなプラットフォーム、ビックデータなどの技術を利用しているとされ、これに対し現在集中企業は、伝統的なITにフォーカスしている、或いは技術改革に着手したばかりの企業とされています。

デル、アジア太平洋及び日本担当エンタープライズソリューション事業バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、ピーター・マーズ(Peter Marrs)のコメント:
「Future Ready Enterprise Indexから、将来に向けて準備ができている企業はコンバージドインフラ、クラウド、ビックデータとアナリティクス(BDA)などのソリューションを導入することで、ビジネスの敏捷性、拡張性、イノベーションを推進できていることがわかりました。将来に向けた準備の度合いを4段階に分類して調査したところ、APJでは未来創造企業が競争優位となっており、現在集中企業にとどまる企業は競争でも不利であることが明確になりました。自社がどの段階にあるかを把握し、それぞれの置かれているビジネス文脈において相応しい事業を採用しようと注意を払う企業は、技術投資から最大の効果を得られるといえます。」

 

ビジネスインサイトをより深いレベルまで引き上げるビックデータ戦略
企業が効率良く意思決定を行い、ビジネス上の成果を得るためには、リアルタイムで可視化する必要があります。お客様のタッチポイントが増えており、業績を向上させる様々な新しい方法が登場している中、企業は適切な意思決定を下すのに必要なデータを迅速に入手するために、多種類のデータとデータソースを利用できるソリューションを探しています。これまではそうしたソリューションは提供されておらず、構想を具現化して開発するために特別な専門知識が必要でした。

 

Future Ready Enterprise Index調査では、現在集中企業に分類される企業において、BDA戦略がほとんどない、あるいはまったくないことも明らかになりました。また、BDAから得られる情報が意思決定者にいかなる影響も与えていないという実態も浮き彫りになった一方で、未来創造企業は、BDA戦略を企業全体に実装しており、意思決定者もBDAから得た結果を深刻に受け止めていることがわかりました。とりわけAPJでは、未来創造企業の意思決定者の98%が重要なイベントに向けて的確なタイミングでBDAにアクセスしていますが、この比率は現在集中企業では58%に下がります。BDAを有効活用することで様々な出来事や変化に対応する時間を短縮できるため、業績改善につながります。

 
インフラとデータリソースの効率的な利活用を実現するクラウドソリューション
ホワイトペーパーでは、現在集中企業のビジネス部門でIT主導のクラウド戦略が実行されていないこともわかりました。その代わり、パブリッククラウドのSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)、PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)、IaaS(インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス)を暫定的に使っていました。一方、未来創造企業は、クロスクラウドカタログを保有し、監査/セキュリティとデータ管理対策も行っていました。APJ特有の現象として、未来創造企業に分類される企業の50%以上が、クラウドの採用により自社ビジネス内でBDAを実現しており、インフラとデータリソースが効率的に活用されていました。これにより、組織全体にわたって生産性の改善と成果の最適化を牽引する、利用と業績の追跡が可能となります。

 

クラウド戦略の実装に成功し、ITとデータリソースの利活用の改善を行う未来創造企業の例として、タイ・バンコクのサミティウェート病院があります。複数の施設を運営するタイを代表するヘルスケア事業者で、約3000人のヘルスケア専門家を擁しています。同病院は、データセンターストレージ、クラウドコンピューティング、データ復旧などのITインフラをアップグレードすることで、将来に備えたITへの取り組みに着手し、質、スピード、コストの3点で患者への優れたサービス提供を実現しています。

 

ITとビジネス資産を最適化するコンバージドインフラストラクチャー
機種混在(ヘテロジニアス)ITインフラが複雑化するに伴ない総所有コストが増加し、管理とメンテナンスに多くの時間を要することで、サービスの提供にも遅れが生じています。企業が成長していく過程で、新しい技術を導入しようとしても既存のインフラと互換性がなく、すべて置き換える形でアップグレードしなければならないケースが多く見られます。この場合、技術の使用方法を会得する学習曲線が高くなり、投資対効果(ROI)も不確実になります。APJの未来創造企業の回答では、ハイパーコンバージドインフラのメリットとして、1)リソース利用率の高さ、2)ITスタッフの生産性の高さ、3)ビジネスの敏捷性向上、4)市場の変化に対応する柔軟性の獲得、の4つが挙げられました。

 

オーストラリアのアデレード大学、フリンダーズ大学、南オーストラリア大学の3校によるジョイントベンチャーeResearch South Australiaは、リサーチ手法の改善を目的にオープンソースのクラウドと高性能コンピューティングインフラを構築しました。未来創造企業になることで3校はコスト削減だけでなく、研究者にツールを与え、広大な空間と複数の原則を超えたコラボレーションを実現しました。さらに研究者はインサイトを共有し、生産性を向上してイノベーションを起こすために必要なデータへのアクセスが可能となりました。

 

将来に備え進化を促すインサイト
調査の結果は明らかで、将来への備えとなる高度な技術を導入することは、企業にとって利益をもたらします。将来に備えるよう組織化されている未来創造企業においては、その効果が最も大きいといえ、クラウド、コンバージドインフラ、BDAなどの技術の活用は、広範な規模の企業においてITを能動的なビジネス推進ツールに変革し、業績結果を改善できます。

 

Future Ready Enterprise Indexについて
IDCのFuture Ready Enterprise Indexは、デジタルトランスフォーメーションの現状を調査する目的で、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、日本、中国、オーストラリア、ニュージーランド、インド、ブラジル、メキシコで20の業種に従事する2529人のIT幹部を対象にした調査をまとめたものです。企業は従業員100-999人、1000-4999人、5000人以上、と3つに分類し、結果はGDPと雇用配分を参考に国/企業規模を考慮して割り出しています。 

サポートリソース:

デルについて:
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■記載内容は、2016年4月25日時点のものです。

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