デル法務部が横浜国立大学法科大学院生に「企業法務部の責任と役割」をレクチャー

デル法務部が横浜国立大学法科大学院生に「企業法務部の責任と役割」をレクチャー

8月7日、デル法務部は、横浜国立大学大学院国際社会科学研究科法曹実務専攻(以下、横浜国立大学法科大学院)の大学院生に、「企業法務部の責任と役割」について講義を行いました。

横浜国立大学法科大学院では、夏期集中講座「法曹倫理Ⅰ」の授業が毎年開講されています。この「法曹倫理Ⅰ」の授業は、「社会において法曹が果たすべき責任と役割を理解すること」を目的に、大学院生が横浜地方裁判所や横浜地方検察庁等の司法機関、および、企業を訪問し、各分野の法曹から生きた話を聞く内容となっています。デル法務部は、横浜弁護士会の要請を受け、昨年より同大学院生の方々の訪問を受け入れています。

当日は、デル法務部 リーガルカウンセルの宮崎 裕子が「デルにおける法務部の役割と課題」をテーマにレクチャーを行い、専任教授、大学院生1年生、2年生の計23名に聴講いただきました。

 

講師を務めた法務部 リーガルカウンセル 宮崎 裕子

全90分のレクチャーでは、まず、デルの会社概要・会社理念を説明した後、法務部の役割である①「法律の解釈」、②「デルの法的リスクを最小限にする」、さらに③「戦略決定に参加」の3本柱について具体例を挙げながら説明しました。その後、「あなたがデルの法務部員だったとしたら、どうするか?」を主体的に考えてもらうために、2つのケーススタディを行いました。具体的には、新法が制定された場面、および、事業活動の遂行中にトラブルが生じた場面について、実際にあったケースを抽象化した問題2つについて、4つのグループに分かれて、法務部の採るべきアクションを議論、結果を発表し合いました。大学院生は当初、法律をどのように調査するか、解釈するか、または、罰則は何かという実体法の解釈に主眼を置いていましたが、その後、コメントを聞きながら確定した解釈をもとに、社内の行動指針を作成することも挙ってきました。宮崎からは、「会社全体として法令遵守をするために、関係部門の理解及び積極的な関与を引き出すことが重要であること、そのために、日ごろから各部門のオペレーションの理解が不可欠であること」などのコメントがありました。第2問目は、問題解決にあたって、「お客様への対応を最優先」という視点が全グループから挙げられたので、将来の企業法曹としての資質が感じられ、頼もしい印象がありました。

その後、法務部の役割の具体的な例として、講義の前日の宮崎自身の1日のスケジュールを説明しました。在シンガポール上司との電話会議、アジアパシフィック内での事例報告の電話会議、買収した企業についての輸出入の規制に関する相談、消費者の規制に関する案件、人事との労務関係の打ち合わせ、というように、国内外、社内の各部門を横断する案件にチームメンバーとして関わり、ビジネスを遂行するという企業法務部の醍醐味を感じていただけたと思います。

宮崎が説明する実際のリーガルアクション・プロセスについて、参加者は皆熱心に聞き入り、重要なポイントをノートに書き留めていました。質疑応答の時間では社外弁護士と企業弁護士のタスクの違いについて、法曹としての理念等、質問の手が積極的に挙がり、時間をオーバーしてしまうほどでした。

「企業法務のポジションを例えるなら企業というクルマに乗っている同乗者。運転、つまり実際のビジネスはできないが、経験と法律の知識・理解を活用し、運転にあたってのルール、つまり、『どこでアクセルを踏むか、または、ブレーキを踏むべきか』を助言し、指揮を取る立場である。デルは、ものすごいスピードで走ります」という宮崎の具体的な説明に、参加者は皆大きく頷いていました。

 

講義に熱心に耳を傾ける法科大学院生

座学だけでなく、活発な議論を通して、企業法務部の責任と役割に対する理解を深めていただけたと思います。今後の法科大学院での勉強、自らが目指すべき法曹像についても、刺激となりましたら幸いです。

横浜国立大学法科大学院の皆様

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